いやはや「はるむい(森の畑)」のイベント、ほんとによかった。みっちゃんガーデンを手放す前にあそこでわたるんさんの話を聞けたのは幸運だったし、本当に僕が求めていたお話が満載で感謝しかない。もっともっとたくさんの方に聞いてほしかったというのが率直な感想で、ほんとにそれだけ価値のある講座だったと思う。
僕はずっと自然農に憧れていて、特に、耕さなくても草ボーボーでも野菜が育つようなそんな“ほったらかし農法”が僕の理想だった。自然はできるだけあるがままであるべきだし、そのほうが人間も自由になれるし。
ところがだ。それを実際にみっちゃんガーデンでやってみたら、なかなかうまく野菜が育たないではないか。まあうちの場合はパーマカルチャ―のやり方を取り入れて少し畑に手を加えた部分もあるのだけれど、基本的にはほったらかしでやってみたら、ほとんどの野菜が育たない。小松菜とかは結構できたりしたんだけど、それ以外の野菜はダメだった。実は結構いろんな種を撒いていたんだけど…。
それで僕は“ほったらかし農法”にちょっと自信を失っていたのだ。“自然の法則に従えば人間が極力手を加えないほうがいいはずなんだけど、やはり野菜を育てようと思ったら 耕したり草を抜いたり それなりに手を加えなければならないのかな?…”と。
そんなタイミングで僕はわたるんの「はるむい(森の畑)」という存在を知った。「おお!(たぶん)ほったらかしに近いやり方で成功している人がいるではないか!これはぜひ教えを請いたい!!」…ということで、わたるんのクラウドファンディングで“お話会”のリターンを選び、沖縄からはるばるみっちゃんガーデンまで来ていただいたのだ。
わたるんのお話を聞いていると、ガッテンのいくことばかり!!端的に言うと、まったく“ほったらかし”ではなかったのだけどw、でも“なぜ草は抜かないでいいか?(むしろ、なぜ抜くべきではないか)”とか“なぜ耕すべきではないか?”といった問いに対する答えをいただけて、めちゃくちゃスッキリした。“やっぱり草って抜いたほうがいいのかな…”って弱気になっていた僕に自信を与えてくれた。
なぜ草(いわゆる雑草)を抜かなくていいかというと、それは草の根が土を耕してくれているからである。そして“根っこワーク”(根っこのネットワーク)で微生物同士が繋がり、土を肥やしてくれるからである。
なぜ畑を耕さなくていいかというと、根っこワークを壊してしまうからである。根っこワークが壊れると土は瘦せていく。土が痩せると肥料が必要になる。肥料を投入すると虫が来る。虫が来ると農薬が必要になる。そしてまた耕して根っこワークが壊れ土が痩せて肥料と農薬を撒き…という悪循環になっていく。
そして農地を耕す問題はそれだけではない。耕せば耕すほど土が舞い、表土が流出していくのだ。現状として、約10年で地球の表層の土が1cmずつなくなっていっている状態らしい。地球の土が1cm 自然にできていくのに100年はかかると言われているので、今はどんどんどんどん土が失われ海に流出してしまっている状態なのだ。
だから「はるむい」では土は耕さないし、草も抜かない。その土地を観察し、自然と対話し、その土地に適した野菜の種を撒く。もしそれで発芽しなければ、そこに適していなかったか、種を撒くタイミングがずれていたか、それだけのこと。虫が来ても同じこと。基本的に虫が食べるということは、人間が食べるべきではないというサインでもある。そういうときは種を撒くタイミングなど何かを間違えている。だからその原因を改善していくことで虫は来なくなる。というかそもそも虫は肥料に寄ってくるので、肥料を使っていない「はるむい」にはあまり虫は来ないのだが…。
実践編として、みっちゃんガーデンのお庭で「はるむい」の極意を教えてもらった。
み 「わたるんさんがこの場所ではるむいをするなら、どうしますか?」
わ 「結構 土が裸になってる場所があるでしょ?僕だったら1年はほったらかして、まず草を生やしますね。まあでも1年も待てないってことだったら、とにかく有機物で土を裸にしないように覆う。自然界に土が裸の場所って普通ないですからね。土が裸のままだと微生物が活動しずらいし。」
み 「なるほど!草を“生やす”っていうのが衝撃です。普通 抜くか刈るか したくなるじゃないですかw」
わ 「そうなんですよw でもやっぱり“根っこワーク”が重要ですから。むしろ僕は雑草の種を撒いてでも草を生やしますよw」
み 「新しいなぁ。でもそれを聞いてちょっと安心しました。草はやっぱり抜いたほうがいいのかなぁって迷っていたので」
わ 「むしろ抜いたらもったいないですよ。たとえばこのお庭でも草がしっかりと育っている場所も結構あるでしょ?そういうところは地力が強い証拠だから、そういうところにこそ野菜を育てるんですよ」
み 「まじかw その発想はまったくなかったです。草が生えたまま野菜の種を撒いちゃっていいんですか?」
わ 「いやいや、野菜の種を撒くタイミングで草は刈ります。一度土が見える状態にしてそこに種を撒き、上から刈った草をかぶせます」
み 「なるほどー」
わ 「はるむいでも草刈りはします。基本的には草をめいいっぱい伸ばしてから刈るというリズムですが、まあ自然と対話しながら適切なタイミングで刈っていきます」
み 「どこにどの野菜を植えたらいいかとかは、どうやったらわかるんですか?」
わ 「種を撒くときにね、10種類くらいの野菜の種をごちゃまぜにして、いろんなところに一気にばら撒くんですよ。そしたらそこに適した野菜がちゃんと育つので。その育った野菜が正解ということです」
み 「斬新ですねーw いろいろ衝撃です。うちの畑の野菜ちゃんたちはほとんど育たなかったんですけど、なんででしょう?」
わ 「うーん…。土はいい感じですけどねぇ。種を撒くタイミングとか…。あとは、ちょっと愛情不足かもしれないなぁ…」
み 「(グサリ!図星!)いやぁ、そ、そうですよねぇw ちょっとほったらかしにし過ぎちゃいました(テヘ)」
わ 「やっぱり最低でも2週間に1回くらいは気にかけてやらないと、なかなか難しいかもしれないですね。間引くとか、草を刈るとか。だからやっぱり畑は家の近くにあるに越したことはないですね」
み 「そうなんですよねー。ここちょっとうちから遠いですからねー(言い訳)」
わ 「でもこっちはゴボウとかシソがちゃんと育ってるじゃないですか。これはみっちゃんが植えたんですか?」
み 「(ドキリ!)そ、それは、勝手に生えてきた子たちです…」
わ 「そかそかw でもそういうのこそ大事にしてあげたほうがいいんですよ。それこそそこに合ってるって証拠だから。だから自生してくる子たちがいたら、そこはその子たちのスペースとして大事に育ててあげてください」
み 「そうなんですね!僕そこにめっちゃスイカとかメロンの種を撒いてました!」
わ 「www。 別の場所にしようねw」
参加者 「水路とか、水はけとかはあまり気にしなくていいですか?」
わ 「あ、水はけはめっちゃ大事です。水が溜まりやすい場所は、やっぱり植物が育ちにくいので。土が腐っちゃうから。だからもし水はけが悪い場所があれば、水路なんかを掘ってあげたほうがいいですね。みっちゃん、ここの水はけはどうですか?」
み 「最初はあまりよくなかったんですけど、大地の再生をしてもらって、めっちゃよくなりました!」
わ 「そうでしたか。大地の再生は重要ですね」
参加者 「ここにもいろいろ大きな木や石が落ちてたりしますけど、そういうのはどけたりしなくていいんですか?」
わ 「種を撒くときはさすがにどけたほうがいいですけど、土って石からできますからね。めっちゃ貴重ですよ。あとはとにかく自然と対話をしてみてください。たとえば太い木の枝が落ちていてどけるべきかどうか迷ったら、その子に尋ねてみるんです。“あんたはどうしたい?ここにいたい?それとも別の場所がいい?って。そしたら答えてくれますから」
一同 「ひょえー」
わ 「自然と対話するのはめっちゃ大事です。迷ったら自然に聞く。たとえば野菜を間引くべきか迷ったら野菜に聞く。そうやって対話をしながら育てていく。昔ね、うちの畑にもよくカラスがやってきていろんな作物を荒らしていってたんですよ。最初のうちは困ったなぁと思って敵対心で追い払おうと思って必死になってたんだけど、そしたらますますカラスがやってくるようになって…。それであるとき考え方を変えたんですね。カラスの声を聞いてみたんです。そしたら、あっここは元々カラスさんの居場所だったんだって。そこにあとから僕がやってきて僕がカラスの居場所を荒らしてたんだって気付いて。それからカラスと共生することにしたんです。カラスさんごめんなさいね、カラスさんの分のお野菜も作るから、こっちのお野菜は食べないようにお願いしますねって。そしたらそれからパタリとカラスが来なくなった。ちょっとスピリチュアルな話になっちゃいますけど、そういうことって実際にあるんです」
最高かよ、はるむい。
わたるんさん、ほんまにありがとうございました!!!
魂が震えました。
わたるんさんがやっている「むい自然農園☆はるむい(森の畑)」のホームページ
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わたるんさんはオンライン講座もやっているので(僕も受講中!)、よかったらみなさんも見てみてくださいねー
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