僕が最も実現したいことの一つが「土(自然)との繋がりを取り戻すこと」だ。都市部ほど、その重要性は高いと思っている。では都市部で土との繋がりを増やしていくためにはどうしたらいいか?―僕にはその答えは「市民農園」くらいしか思い浮かんでいなかった。
 
しかし最近(と言っても、1年くらい前か?)、「コミュニティ農園」という存在を知った。「コミュニティ農園」とは、“コミュニティをつくること”を目的にした農園である。「市民農園」が単純に“野菜づくり”を目的にしているのに対して、「コミュニティ農園」は“野菜づくりを通して”コミュニティをつくることを目的にしている。なので、「市民農園」ではひとり一人に“区画”があてがわれるが、「コミュニティ農園」では必ずしもひとり一人に“区画”があてがわれるわけでもない。“みんなで”一つの区画を管理するというパターンもある。そして、集まったみんなで“イベント”などをして楽しむことを大切にしている場だ。
 
また、両者の大きな違いとして、“地目”もある。「市民農園」が基本的に“農地”で展開されているのに対して、「コミュニティ農園」は“宅地”でできてしまうのだ。なので、空き地空き家問題が叫ばれる昨今においては、それらを解消する起爆剤になりうる存在なのである。空き地があったらすぐに駐車場にされてしまうような現代だが、ノンノンノン!「コミュニティ農園」という選択肢があることを僕たちは知っておかなければならない。
 
この「コミュニティ農園」を2012年からやり始め、全国の先駆者となっているのが「みんなのうえん」さんである。
 
 
みんなのうえんは、美味しい野菜はもちろんのこと、
自分たちが欲しいモノや、やりたいコトも、力を合わせて
みんなでつくり続ける農園です。
みんなでつくることには、会社や学校や地域にはないここだけの
出会いや、自分を成長させてくれる経験が満ち溢れています。
気が合う友と出会い、共に活動した仲間は何歳からでも一生もの。
みんなのうえんで様々な価値観に触れ、自分のやりたいことに
チャレンジすることで、世界を広げることができます。
おいしい、楽しい、ワクワクな都会の農園へようこそ。
(「みんなのうえん」ホームページより抜粋)
 
 
気になったら会いに行くしかない。
 
ということで、「みんなのうえん」の運営をしている金田さんに先日会ってきました。
 
↑金田さん
 
「みんなのうえん」さんは、2012年に大阪市の北加賀屋でスタートし、寝屋川に2カ所目、そして3カ所目を現在神戸の湊川に建設中である。僕はその建設中の湊川の現場にお邪魔した。一人でせっせと土地を整備している人がいて、まさか代表の金田さんだとは思わなかったが、金田さんだった。今はほぼ1人で3ヶ所のコミュニティ農園を運営しているらしい。
 
 
↑湊川の「みんなのうえん」の全貌。かなりデカい。ここは宅地ではなく、防災空地(ぼうさいくうち)という特別な場所を行政に協力してもらって使わせてもらっているらしい。実績のなせる業。ちなみに北加賀屋と寝屋川は宅地でやっている。
 
 
み「今日はお時間を取っていただいてありがとうございますm(_ _)mコミュニティ農園についていろいろ教えていただけますか?」
 
金「もちろんです。聞きたいことは何でも聞いてください」
 
み「ありがとうございます!では早速ですが、この場所(湊川)は、どんな形の農園にする予定なんですか?」
 
金「ついこないだこの地域で説明会をしたところなんですけど、ここは、2m×3m=6㎡の区画を希望者にあてがうことにしています」
 
み「2m×3m!?まあまあ狭いっすね😳1区画、おいくらで借りれるんですか?」
 
金「5500円ですね。正直、市民農園に比べたら、だいぶ高いと思います。だけど、一瞬で全区画が埋まりました」
 
み「なんと!それだけニーズがあるんですね!」
 
金「そうですね。身近で土に触れられるっていうのがいいんだと思います。申し込んでくれた人はほとんど自転車で通える範囲の人たちです。その気軽さがいいんだと思います。また、若い世代が多いです。それはうちのホームページなどを若い人向けに作っているというのもありますが、こういう形のあり方を若い人たちが求めてるっていうのもあると思います」
 
み「なるほど…。たしかに都市部で土に触れられて、ついでに仲間もできちゃうとなれば魅力的ですよね」
 
金「はい。それこそが僕たちが目指しているところです」
 
み「なるほど…。コミュニティ農園って、僕のイメージでは、“みんなで一つの畑を育てる”というイメージがあったんですが、ここは区画を割り当ててるんですね」
 
金「はい。実は1ヵ所めの北加賀屋では最初は“1つの畑をみんなで育てる”パターンでやっていたんですが、そうするとやっぱりやる人が固定化されてきちゃうんですよね。そもそもコミュニティをつくるということを目的にしているのに、全然拡がりがなくなっちゃうというか…。そういうこともあったんで、今は北加賀屋も区画制にしてるし、湊川でもそうしていく予定です」
 
み「へー😲それはやっみて初めてわかったってことですよね。やっぱり何でも“やってみる”って大事ですよね」
 
金「ほんとそうなんです。僕たちは今でも手探りですよ。ここ(湊川)も、畑の区画以外に使える土地が結構あるので、そこの活用をどうしようかと思っています。なんとなくの僕なりのイメージはありますが、これから区画を借りてくれるみなさんで考えてもらえたらと思ってます」
 
み「だけど、3ヵ所もコミュニティ農園を運営していくって大変じゃないですか?」
 
金「いやいや、初期の段階ではある程度関わっていく必要がありますが、軌道に乗ってきたらみなさんが自由にサークルなんかを作りながらやっていってくれるので、それほど手はかからないですよ」
 
み「へー😲そんなもんなんですね。
ところでこの場所はどうやって手に入れたんですか?」
 
金「住宅密集地には、“防災空地”っていう場所が確保されていて、この場所はまさに防災空地なんですけど、自治体としてはその防災空地を有効活用したいと思っていて、その自治体(神戸市)の思いとうちの思いがマッチして、ここを使わせてもらえることになったんです」
 
み「無料で?」
 
金「はい。土地の持ち主はURなんですが、神戸市がURから無償で借りて、そこの管理をうちが任されているという状態です。」
 
み「なるほどそうなんですね!これまでの実績があったからこそですよね。
僕は議員として、西宮市でもコミュニティ農園を拡げていきたいと思っているのですが、行政に求める支援とかってありますか?」
 
金「そうですねぇ…。ここの土地を無償で使わせてもらっているように、財政的な支援ももちろんありがたいのですが、一番は“マッチング”ですね」
 
み「マッチング?!」
 
金「はい。土地の情報ってあんまり入ってこないし、自分で調べるのもとても大変なので、いい土地があったらそれを教えてくれるだけでめちゃくちゃありがたいです」
 
み「そうなんですかぁ。金田さん、欲がないっすね!」
 
金「いやいや、行政に頼りすぎると自由度がなくなってしまうという側面もありますから。そういう意味で‟マッチング”くらいの支援が一番ありがたいかなと」
 
み「なるほどですねぇうーん僕は単純に行政がもっと財政支援したり、行政主導でコミュニティ農園を運営したりすべきだと思っていましたが、そんな単純な話ではないんですね」
 
金「行政がやったらおもしろくなくなりますから(笑)結局ただの市民農園みたいになっちゃうんじゃないかなぁ?やっぱりそこは民間の力で自由にやるのがいいんじゃないかと僕は思っています」
 
み「なるほどなるほど。僕は行政を動かすことばかりを考えていて、あまりそういう発想がなかったのでとても勉強になります!」
 
金「西宮はどうですか?そもそも土地がありますか?」
 
み「全国的な傾向と比べると空き地空き家はかなり少ないほうなんですが、街を歩いていたらちらほら空き地を見かけるし、使える土地はきっとあると思います」
 
金「そうなんですね。湊川の土地はかなり大きいんですが、こんなに大きな土地でする必要は全然なくて、30坪くらいあれば十分だと思っています」
 
み「そんなちっちゃい土地でいいんですか?収益は大丈夫なんですか?」
 
金「1つの小さい土地だけでするんじゃなくて、小さい土地が複数点在しているような場所でやっていくイメージです。例えば30坪の土地が5つあれば150坪になるわけで、合算すれば収益的にも問題なくやっていけると思います」
 
み「1つの土地にこだわる必要はないんですね」
 
金「そうなんです。それだけでコミュニティ農園をやっていくハードルは下がると思います」
 
み「たしかに。コミュニティ農園をやろうと思ったら結構大きな土地が必要な気がしますが、そんなことないんだってことがわかれば取っつきやすくなりますね」
 
金「ほんとそうなんですよ。うちに声をかけてくれたら西宮だったら全然やりますけど、うち以外にもコミュニティ農園を運営する人たちが増えていってくれたらなぁと思っています」
 
み「コミュニティ農園がどんどん拡がっていくといいですよね。
最後に、これから先の金田さんのビジョンとかってありますか?」
 
金「僕は街をおもしろくしたいんですよねぇ。街をアートするというか。だって、建物ばかりの街って全然おもしろくないじゃないですか。だけど都会の中にいきなり畑が拡がっていたらなんだこれは?!ってなるでしょ?そんな街を創っていきたいんです。そしてそれって、街自体の価値を高めることにもなるし。それとやっぱりコミュニティ農園の目的でもありますけど、人と人との繋がりをこれからもつくり続けていけたらなと思っています。そんな仕掛けを創っていきたいですね。なのでぜひ西宮でもいい場所があったら教えてください。ぜひ西宮でもやりましょう」
 
み「ぜひともよろしくお願いします!コミュニティ農園のような場所が増えたら街の魅力が増し、人との繋がりも活性化されていく。そして自然との繋がりも取り戻していくことができる…。ほんといいことしかないですね。これからが楽しみで仕方がありません。今後ともどうぞよろしくお願いいたします!」
 
 
―――
 
 
↑みんなのうえん北加賀屋
 
 
↑みんなのうえん寝屋川
 
 
↑みんなのうえん湊川
 
 
↑みんなのうえん西宮(ちゃうかw)
 
 
 
 
ではまた!
 
 
 
 
 

 

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