一般質問の3つめのテーマ『不登校支援について』の報告をします。

 

西宮市には「適応指導教室 あすなろ学級」という不登校児童生徒のための教室が2つあるんですが、私はかねてからこの不登校支援教室の目的が「学校復帰」であることと、「適応指導教室」という名前そのものに疑問を感じていて、教育こども常任委員会などで変更を求め続けていました。

 

 

【参考過去記事】不登校児が「不適応」だなんて言わせない

 

 

今回の質問をするのに先立ち、今年10月25日に文科省から『不登校児童生徒の支援の在り方について』という通知が出されておりまして、「不登校児童生徒の支援は、学校復帰のみを目的にするのではなく…」と記されました。

 

このような通知も出ているので、西宮も

 

①あすなろ学級の目的を、学校復帰としないこと。

②「適応指導教室」という呼び方を改め、「教育支援センター」にすること。

③長期休暇後の開始時期を学校と同時期にすること(※これまでは「学校復帰」が目的だったので、わざと長期休暇後のあすなろ学級の開始時期を1週間程度遅らせて、できるだけ学校に行くよう促していたのです)。

 

を求めました。

 

今までこれらの変更に後ろ向きだった教育委員会ですが、今回は意外にあっさりと3点とも改善してくれることになりました。よかった!

 

 

また、上記3点に加え、「出席扱い」についても柔軟に認めるよう求めました。

今、西宮市ではあすなろ学級に通っている不登校の子どもたちは基本的に「出席」として認められています。しかし、民間のフリースクールに通る子どもたちは、校長の判断によって、出席扱いとなるかどうかが分かれます。そして今のところ、ほとんどの子どもが出席扱いになっていないと聞いています。

 

不登校の子どもたちの多くは、自分が学校に行っていないこと・行けないことに対して、罪悪感を感じています。そんな子どもたちにとって、フリースクールに通っていることが出席扱いになるかどうかはとても大きくて、それが救いになる子もいます。

 

また、校長先生にとっても、フリースクールに通っている子どもたちを出席扱いとするかどうかを判断するのはとても難しく、明確な基準が必要ではないかと言われていました。

 

このような問題に対応するため、尼崎市では、「指導要録上出席扱いとすることができる不登校児童生徒を対象とした民間通所施設一覧」・・・まあいわゆる“認定フリースクール制度”をつくっていまして、「教育委員会が認定したフリースクールに通っていれば、基本的に出席扱いになりますよ」という対応を行っています。

 

 

【参考】指導要録上出席扱いとすることができる不登校児童生徒を対象とした民間通所施設一覧(尼崎市)

 

 

これをぜひ西宮でもやってほしいと要望したのですが、こちらは「NO」の回答。従来通り、個々の活動内容を見て、校長が判断していくとのことでした。

 

この結果だけ書くと、「なんと西宮市は冷たいんだ!」と思われてしまうかもしれないので少し補足しておきますと、現在水面下で兵庫県が県下全体でそういう一覧表をつくろうと計画している段階とのことです(まだ不確定情報なので、公にはできないのですが)。ですから、その兵庫県の動きを待とうというのが、西宮市の本音だと思います(あくまでもこれは私の推測)。西宮市で先につくってしまうと二度手間になってしまう可能性があるし、兵庫県の一覧表と齟齬が生まれるとややこしかったりするので。

 

ただやっぱり、兵庫県が本当にそういう一覧表をつくるかどうかはわからないし、もしつくらないのであれば、ぜひ西宮市も尼崎市のように率先して作成してほしいと思います。

 

さて、今回の「不登校支援について」の質問では、制度的なことを中心に改善を求めたのですが、私が一番言いたかったのは、「これだけ不登校児童生徒が全国的に増えているということは、もはや個人の問題ではなく、学校という“システム”の問題でしょ?」ということ。「だからこの“システム”にメスを入れないと、不登校の問題は解決しないんじゃないですか?」ということです。

 

そのことを指摘した上で、

「このシステムを変えていくその可能性が、あすなろ学級(フリースクール)にあると思う」

と主張させていただきました。

あすなろ学級では、学力などを過度に気にすることなく、本当にひとり一人に応じた教育を実践することが可能だと思ったからです。

 

残念ながら今の通常の学校では“競争と管理”の原理が働き、どう頑張っても“落ちこぼれ”が生まれてしまうシステムになっていると思います。そのようなシステムの中でいじめが起き、教員間のハラスメントも起きてしまうのではないかと私は感じています。

 

このようなシステムに風穴を開け、新しい教育の在り方を提起していく力があすなろ学級やフリースクールにはあると思っています。

 

西宮市や教育委員会には、国からの学習指導要領などの規則に縛られない“あすなろ学級”という場所で、“本来の教育”に本気で取り組んでいってほしいと思います。そういう場所でこそ、教育委員会も教員たちも、本来の力を発揮することができるのではないでしょうか?私も全力で応援します。

 

 

 

かねてより(大学生の頃から)私は今の学校教育の在り方に疑問を感じており、“自分で学校をつくりたい”と思っていました。

今から直接的に“新しい学校”の設立に着手するのはなかなか難しいかもしれませんが、政治家として、何らかの形で“新しい学校づくり”に寄与していくことができればと思っています。

 

言葉にしてしまうとどうしても薄っぺらい表現になってしまいますが、

“先生も子どももみんなが幸せになる学校”

を全国につくりたいです。

 

まずは西宮から。

これからも頑張ります!

 

 

 p.s. 今回の質問を作成するにあたって、無所属の田中あきよ議員にたくさんの情報をいただきました。田中さんのおかげで質問を深めることができ、本当に感謝しています。田中さん、ありがとうございました!



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