私がパリでシングルマザーだった頃、パリ郊外の大きなお屋敷に招待されたことがありました。
郊外と言っても、メトロも通っていてパリの下町よりもずっと高額でアパルトマンが売買されている地域です。
その場所でアパルトマンではなくて一軒家に住んでいるだけでも驚きなのに、広いサロンや素敵な中庭、そして離れになっているバスルーム付きのゲストルームなど、招待されるたびにため息が出るような素敵なお宅でした。
ディナーに招かれると、ダイニングルームの大きなテーブルには綺麗な白いクロスがかけられていて、赤ワインで染みを作っちゃったらどうしようとドキドキしながらお料理をいただいたものです。
その家の素敵なマダムと仲良くなって聞いたのですが、ダイニングルームで食べるのは来客のときだけで、普段の食事はキッチンの小さなテーブルで、旦那様と頭を突き合わせて食べてるのよとのことでした。
キッチンを見せてもらうと、本当にキッチンの隅の冷蔵庫の隣のスペースに80センチ四方くらいのミニテーブルが壁につけておかれていて、そこでご夫妻が仲良くくっついて食べてる姿を想像すると、なんだかすごく微笑ましくて、住む世界が違うとおもっていた彼らにとても親近感をいただいたものでした。
彼らだけでなく、息子の学校関係などで知り合ったパリの高級住宅街の大きなアパルトマンに住んでいるフランス人カップルのお宅にも招待されることもよくあったのですが、家族だけのときの食事は、テーブルセッティングされた大きなダイニングテーブルではなくて、キッチンの流しの横にあるテーブルで食べているようでした。
と言っても、貧乏くさいという感じは全くなく、かえってそれが素敵な感じで、ちゃんとしたダイニングがあるのだけど、あえてそこは使わないで、キッチンの小さめのテーブルで家族仲良く食事をするという感覚が、なんだかとっても素敵に思えたのでした。
そんな彼らと仲良くなっていくと、ランチなどは、キッチンでの食事に招かれることも増えてきて、なんだか家族の一員になれたような、嬉しい気持ちになったものです。
この感覚はパリのビストロなどに通じるものがあるのかなと思うのですが、パリジャンに人気のビストロなどは、隣のテーブルがやたら近いところも多く、なんとなく肩を寄せないながら、知らない人とも会話を楽しんじゃうような、そんな飾らない雰囲気が人気だったりするのです。
パリでのシングルマザー時代は、借りていたどのアパートもキッチンにはテーブルを置くスペースがなかったのですが、夫と一緒に購入した今のアパルトマンには、小さなテーブルが置けるスペースがあるのが嬉しくて、熱々のお料理とこぼさないようにシンクの上でデキャンタしたワインを、移動なしにその場でいただけるのが便利なのと、夫と二人で頭を突き合わせて、その日にあったことなどいろいろな会話を楽しみながら、日が暮れるまでずっとキッチンのテーブルに二人でいるのがとても幸せなひとときです。
最近、キッチンテーブルの位置を変えたので、なんだか引越したみたいな新鮮な気分です。
夏日が続いているのでシャブリで。
夫が作ってくれたバヴェットステーキ。
赤身のお肉はあまり食べない私ですが、柔らかいバヴェットステーキだけは好きで時々いただいています。
定番のエシャロットソースと付け合わせは、カブのフリットです。
フライドポテトに見えますが、カロリーと健康にうるさい私のために、カブでフリットを作ってくれました。
赤はブルゴーニュのピノ・ノワール。
ワインを飲みながら、ディナーの後もずっとキッチンにいるのが好きです。
テーブルに敷いているクロスは、パリの繊維街「マルシェ・サンピエール」で切り売りしてもらった、濡れたスポンジで拭けるクロスです。
我が家のキッチンテーブルは、ブロカントで見つけた古い木製のものなので、染みになりやすいのでクロスを使っています。
拭けるクロスのおかげでストレスなくワインをガンガンいただけます。
布のクロスをかけているときは、夫がワインを注ぐ手元が気になって、ナプキンを手に戦々恐々としていました。(笑)
実は今、バスルームのリノベーションと家具の買い替えを検討していて、キッチンのテーブルもお手入れの簡単な合板のテーブルにしようかなって思っています。
でも、今のテーブルも思い出がいっぱいですごく気に入っているので、とっても迷っています。
最近のパリはなかなか日が暮れなくて夜の10時近くになって、やっと灯りが必要になります。
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