何年か前、イノシシなどの野生動物の被害が深刻化し始めていた頃、近隣の山林を、気軽に狩猟を楽しめる地区として展開する計画がすすんでいる、というウワサがありました。

それと同時に、野良猫を「ノネコ」と位置付け、狩の対象にする動きがあると聞き、野良猫をノネコと呼んでよいものか、保健所に電話で確認したことがあります。

その時に保健所の担当者は、家猫を起源にしている野良猫をノネコと呼ぶのは間違いです、という返答をしていました。

その後猪の被害も落ち着いてきて、狩猟地区推進のウワサを耳にすることもなくなりました。


最近になって環境省の記事を読み、家猫を起源にしていても人間の給餌無しに生きる野生化したイエネコを、ノネコの扱いにしていると知りました。

そしてそのノネコ扱いされているイエネコ起源の猫たちが、希少動物を捕食する外来種の害獣とされている事も、今になって知りました。


何年も前に、保健所でたった一回確認しただけの話をアップデートすることなく、のはほんと目先の野良猫問題に取り組んでいましたが、人間に助けてもらえなかった野良猫たちが、更なる窮地に追い込まれる事態に陥っていたとは。


環境省のホームページには、ノネコは人間の無責任が生み出してしまった存在であるとも書かれています。

愛護動物である犬猫が、ひとたび人間に見捨てられ、必死に命を繋いだ挙句、害獣としての扱いを受けてしまう、そんなことがあって良いのでしょうか。人として、恥ずべき事態なのではないでしょうか…


ペットを捨てることは法律で禁じられていますが、違反した場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金だけでは、軽すぎると思いました。

殺傷したのと同様に、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金、いやいやそれ以上の重罪にしていただきたい。


町の施設で、この子は駆除されようとしていました。

施設の動物を食べたという濡れ衣を着せられ、捕獲器をかけられました。

施設の捕獲器には捕まらなかったけど、こっちの捕獲器に入ってくれたので、連れて帰る事ができました。

子猫の時からたった1匹で捨てられ、施設の側溝や草むらを隠れ家に暮らしていた猫なので、人馴れはしていませんでしたが、今では人間とも猫とも仲良く暮らしています。

この子は高い所に登ることができません。ましてや塀を乗り越え動物の檻の中に侵入するなんて、できない猫ですから。