2年ほど前のこと。
体にピンク色のペンキを塗られた野良猫がいる、と
連絡を受け、餌やりのご老人にお話を聞きに行きました。
見に行ってみると、長毛の白い猫の体は一部ピンク色に染まっていて、
何かしらの液体をかけられた様な状態でした。
餌やりのご老人にはなれていたので、捕まえていただき、
動物病院にて緊急で診ていただくことにしました。
連絡をくれた方からは、近隣で苦情になっていた野良猫なので、
虐待されたに違いない、と聞いていましたが、
病院で診ていただくと、ひどい口内炎をおこしており、
口の中の血がグルーミング時身体に付着しただけだったことがわかりました。
餌やりのご老人は、昼間は家に入れてはいたものの、
家の中で排泄をされては困るので、どんなに寒くても
夜になると外に出していたとのことでした。
白猫の健康状態はすこぶる悪く、
また、外に出すことで蚤の駆除が完全にできないため、
ご老人の生活環境にも悪い影響が及んでしまいます。
もしもこの猫ちゃんを本気で助けたいと思うのであれば、
家にケージを置いてその中で面倒を見ていただけないか、
とお願いしてみました。
ご老人は、もともと亡くなったご主人が面倒を見ていた野良猫で、
猫の飼い方もわからない、と、最初は躊躇されていましたが、
ケージをお貸しして、トイレの掃除や餌の調達もお手伝いするという条件で、
左後ろ脚側にハートマークがあります。
ご老人にはすっかり懐いていて、とても可愛いい子です。
既に、五年程前TNRで去勢済とのことで、
人馴れしていない三毛の妹も一緒に家へ入ってくるのですが、
ずっと家具の裏側などに隠れていて、白猫兄が外に出されるのと一緒に、
自ら外に出て行くとのことでした。
その後、ご老人が大きめの二階建てケージを購入してくださり、
白猫と妹の三毛を一緒にケージにて面倒を見てくださることとなりました。¥
白猫ちゃんの体調は、良くなることも、
これ以上悪くなることもありませんでしたが、
ごはんをよく食べ、暴れたりもせずに、兄妹仲良くケージ暮らしを
一年ほど頑張ってくれていました。
去年の夏、徐々に食欲が落ち、みるみる弱ってしまい、
ごはんを食べなくなって三日後、
ご老人にお礼を言う様にして、亡くなってしまったそうです。
ご老人から白ちゃんを引き取り、
うちに咲いていた紫陽花を敷きつめて、
火葬場へ連れて行った日、
ラジオから吉本興業の闇営業のニュースが聞こえていたのを覚えています。
白猫ちゃんの妹三毛猫ちゃんは、その後何度も体調を崩し、
病院に連れて行こうか行くまいか悩んだ事もありましたが、
毎回何とか持ちこたえ、今でも二階建てケージで暮らしています。
写真だとキジ白に見えますが、三毛ちゃんです。
白猫兄が亡くなってからは、ご老人にもすっかり懐き、
またケージから外に出ようとせず、落ち着いています。
今はご老人の存在に助けられ、普通の猫の飼い方とはほんの少し違うけど、
三毛猫ちゃんとご老人独自の支え合い方をして、
毎日を大切に生きています。
色々な猫の飼い方があるけれど、支え合う姿は相手が猫でも人間でも、
心温まり、美しいものだと感じました。




