山形県総合美術展、 略して『県美展』
毎年観に行っています。
息子を連れていくことも多いのですが、今年は
どうしても予定が合わず、私1人で行ってきました。
美術館前の広場。
いいお天気青空が気持ちいいですね!
県美展、実は写真を撮ってもOKだというのは、今回初めて知りました。
会場には今年も素晴らしい作品がたくさん展示してあります。
いつも、その中で2~3枚「お!これは…!!」という絵に出逢い
しばし足を止めてじっくりと味わわせていただくのですが、
今年、日本画部門で惹かれたのはこの一枚。
『音のない電車』
今はもう動かない、さび付いた車両の窓に映っている風景。
写真ではよくわからないかもしれませんが、
おそらく山形のどこかの沿線沿いの風景だと思います。
私がその風景を見て思い出したのは、
幼少時によく乗っていた鶴岡市から湯の浜温泉駅を結ぶ
3両編成ぐらいのローカル線でした。
夏のシーズン中は、よく家族でこれに乗り、
湯の浜温泉街にある父の銀行の保養所へ
連れて行ってもらった記憶があります。
その時、車窓から食い入る様に眺めていた景色と
この絵の電車の窓に映る景色と…よく似ています。
はじめは、みどりの田んぼの中を走り抜け、
先に見える小高い山の中を走っているうちに
やがてあたりは松林となり、
松並木が途切れたかと思うと…
真っ青な夏の日本海が目の前に飛び込んでくる。
キラキラと光る海原が見えると、
子供心にいつもワクワクしたものでした。
そんな思い出がこの絵を眺めながら
ふっとよみがえってきました。
他にも足を止めて見入ってしまう作品が何点かあったのですが、
どうも私が惹かれる絵に共通して言えるのは、
『昔どこかで見たような風景』 ということらしいです。
県美展は、山形県内在住の絵描きさんたちの作品展なので
月山、鳥海山を始めとした山々や最上川などが
題材としてよく扱われるのですが、
私たち県民にとっては、本当に心休まる風景ですね。
この寒河江市の佐藤満さんという染織作家さんの作品、
去年もこの方の染織作品が展示されていたのですが、
あまりに素敵で、一目惚れというか
多分、15分くらいはその前から離れられずに
じーっと見入っていたと思います。
あまりに好きすぎて、ネットで調べて
佐藤さんのツイッターのフォロワーになったぐらいです(笑)
(もっとも、最近はこのツイッターまったく更新がないようですが…)
絵具を使った描いたのとはまた一味違う「染め」の味わいと
その色使いの妙は、本当に素晴らしいです
素敵だなぁ~
佐藤さんの個展、2年くらい前に一度開かれているみたい
なんですが…また個展の予定はないのかしら?
そしたら、絶対に行きたいなぁ。
なぁんて、あちこちでぽーっとなりながら
絵を眺めて、心の栄養いっぱい充填してきました。
今回は吉野石膏コレクションにも足を延ばして、
モネの絵なんかも眺めて、
今度ドビュッシーの曲を弾くときには
これを思い出そう!と
しかと目に焼き付けてきたし(笑)
……またまた今日も長くなりましたね
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
〆にこの一枚を…。
何と嬉しいではあ~りませんか!
カラフルな音符がた~くさん飛んでいます!