著者: 齋藤 孝
タイトル: 座右のゲーテ -壁に突き当たったとき開く本

ゲーテってイイ。

期待せずに読んだのだけれど、
ところがどっこい、おもしろかった!

著者はTVでの露出も多いので、
その分、構えてしまう人もいるかもしれないけれど、

ゲーテパワーのせいなのか、
著者の力なのか、
すらすら読めて、なおかつ「ほほう」と素直に思えました。

ゲーテって名前は聞いたことがあるけれど、
その実、どんなことを考えて、どんな人なのかは
まったく無知でした。

が、この本を読むと、
ゲーテへの興味がむくむくといてきます。

例えば、「自分を限定する」

日頃、ころころと興味が移ってしまう私。
これ、と言った得意分野があるわけではないし、節操がないなと思っていましたが、

むしろ、吸収面は幅広くして、表現面で狭く深くすればいいんだとか。

あとは、「最高を知る」「独創性などない」
「当たったら続ける」「計り知れないものが面白い」

など、ごもっともです、と思わず何度もうなずいてしまいました。

ゲーテって、なんか小難しいことを言っていて、
私では読みこなせないんだろうなと敬遠していましたが、

本書のなかで引用されている文章は、読みやすく
ゲーテってユーモアがあって、頭がやわらかい人なんだな
と思いました。

最近、気づいたんですが、

天才と言われる人に共通している点は、
深いこと、難しいことを
ユーモアを交えてやさしくおもしろく
他者に伝えられる人なのではないか、ということ。

ゲーテの本を読んでみよう、と気軽に思える
きっかけになりました。