1981年に米国でエイズ症例の最初の報告がされてから40年近くが経過しましたが、未だにHIVウイルスのワクチンは開発されていません。
1943年に初めて見つかったデング熱を発症させるデングウイルスのワクチンは、昨年、米国でようやく承認。今まで、最短期間で開発されたワクチンは“おたふくかぜ”のものですが、それでも4年以上もかかりました。
このように考えると、今冬とかに新型コロナウイルスのワクチンが供給されるという見通しは甘いのかもしれません。
ただ、人類にとって、新型コロナウイルスは、エボラウイルスやHIVウイルスのように未知なものではありません。
重症急性呼吸器症候群(SARS)と中東呼吸器症候群(MERS)もコロナウイルスの一種ですから、その研究過程で分かっていることが、新型コロナウイルスのワクチンを開発するための参考にはなるでしょう。
それでも幾つかの懸念があります。
①免疫効果が長期にわたって得られない可能性。
大した免疫を得られずに、直ぐに免疫が消失してしまうかもしれません。
②ウイルスの変異の可能性。
ある研究では、新型コロナウイルスは14日毎に変異を繰り返しているとも言います。勿論、HIVウイルスなどに比べると変異の度合いは小さいようですが…。
一般的な季節性インフルエンザウイルスも目まぐるしく変異を繰り返すので、毎年、ワクチンの調整が必要です。
③最も大切なことは副作用です。
アビガンの国内承認が遅れているのも、その副作用(催奇形性)のためです。妊婦から胎児への垂直感染の可能性だけではなく、男性の精子中にもアビガンワクチンが検出されることが大きな原因なのかも知れません。ワクチンが投与されるのは、新型コロナ感染症の患者ではなく世界中の健康な人たちですから、ワクチンの危険な副作用について、科学者や製薬メーカーは極めて慎重に開発を進める必要があります。WHOの天然痘根絶プロジェクトのリーダーとして活躍したローレンス・ラリー・ブリリアント氏は先月、「ワクチンが十分に効果的で有害でないことを確認することは困難なプロセスになるでしょう(It will be the arduous process of making sure that it is effective enough and that it is not harmful.)」と述べています。それでも、彼は、「12-18か月以内にワクチンが供給されるだろう」とも…。

