みっち子の映画と暮らしメモ -7ページ目
- フォックスキャッチャー [DVD]/KADOKAWA / 角川書店

- ¥4,104
- Amazon.co.jp
製作国:アメリカ(2014)
監督:ベネット・ミラー
出演:スティーヴ・カレル、チャニング・テイタム、マーク・ラファロ
レイティング:PG12(描写というより内容が大人向けかな)
135分
1996年アメリカのデュポン財閥御曹司ジョン・デュポンがおこした殺人事件を映画化。
お金にも練習場所にも困っていたオリンピック金メダリストのマーク(チャニング・テイタム)。そんな彼を財閥の御曹司デュポン(スティーヴ・カレル)が自ら結成したレスリングチーム“フォックスキャッチャー”に誘い練習場所や衣食住を与える
デュポンとマークはどちらも大きなコンプレックスを抱えているという共通点もあり親密になっていくが、このチームにマークの兄デイヴ(マーク・ラファロ)が加わり・・・どんどん雲行きが怪しくなっていく
金持ちと不器用とリア充の三角関係
レスリングものなのにスポーツの清々しさや栄光は感じられません
135分のうち大半は不穏な空気
お気に入り度 90%
精密な付け鼻度 100%
実際の事件についてではなく、あくまで映画に対してだけの感想です
ゴシップガールが好きな方、気分を害したらごめんなさい
↓からネタバレもしてます
内容も興味深かったけど、演者がとにかく素晴らしかった
説明がなくても彼らの事がわかってしまう、本当にすごかった
今作でスティーブ・カレルがアカデミー賞主演男優賞ノミネート、マーク・ラファロが助演男優賞ノミネート、納得です
先日『エンドオブザワールド』でスティーブ・カレルを見たばかり。あの枯れメンっぷりはモテるとブログにも書いたばかり
実は今回キャストを見るまで主役のジョン・デュポンが彼だとは気付かなかった
今度のスティーヴ・カレルの狂いっぷりはコワい!
付け鼻してたらしいけど、体型もずいぶん違うよね
ただのコメディアンじゃなかった
すごいのは主要3人だけじゃなくジョンの母親役がスゴすぎでした
出ているシーンは少しだけなのに、なんでジョン・デュポンがあんなおっちゃんになってしまったか察してしまえるのです
あの冷めた瞳。息子を愛してないし認めてない、信用もしてない事が観てるだけでわかってしまう
彼女があのジョンをつくってしまった
母に認められたいがために他から賞賛を求めるけれど結局誰からも慕われない御曹司ジョン・デュポンを・・・
話がちょっと脱線しますがマンハッタンのアッパーイーストサイドのリッチなセレブ学生が主役のドラマ『ゴシップガール』を見てて釈然としない事がありました
彼女らはいいとこの子たちでとってもオシャレで美系
ブレアお嬢様なんかは学校に取り巻きいっぱい。でも取り巻きを大事になんてしません
回を重ねるごとに登場人物たちは成長してるとは思うのですが基本は傲慢な人たちです
庶民には特に厳しく怒らせたら最後、総攻撃されアッパーイーストサイドから追放されます
目的の為には手段を選ばず濡れ衣だって着せます。マフィアのようです
そんな彼女ら、周りから慕われてるんです
それどころか、庶民のブルックリン組は彼女らに対し劣等感を抱えてるようなのです
観ていて謎でした・・・
ジェニーやヴァネッサは素晴らしい才能を持っているのにコンプレックスからイーストサイド組にからんで自滅したりしてて。う~ん謎だ、てかもったいない
学校の娘たちもなんで取り巻きをやってるのだろう
お金持ってても自分勝手で傲慢な人って、そんなに好かれないと思うけど・・・
あまりに理解不能で観るのをやめてしまいました。シーズン4で(←文句言いつつ結構観たな)
ゴシップガールをこんな風に言ってしまったけど、私は理解できないよってだけでシーズン2までは結構楽しく観てたし、ブレアは面白い娘だとは思うしレイトン・ミースターは好きです♪
そして『フォックス・キャッチャー』
魅力も他人への思いやりもないため慕われない御曹司ジョン・デュポンは観てて納得してしまいました
しかしそんな彼に尽くすレスリング金メダリストのマーク
オリンピックでメダルをとれるレスリング選手を出すためにジョン・デュポンが作ったチーム「フォックスキャッチャー」
レスリング以外は不器用なところもあり経済的に困っていたマークは兄デイヴから離れてデュポンの元へ行きます
尊敬されない金持ちジョン・デュポン
金メダリストなのに光のような兄の影のような存在マーク
フォックスキャッチャーへ行くまでのマークの生活描写が・・・
寂しい食事シーン、兄の代わりに行った講演のバイトの描写に胸がしめつけられます
彼の孤独や兄へのコンプレックスが伝わってくるんです
人間性に問題があるジョン・デュポンですが、彼は兄デイヴではなく自分を認めてくれたと思ったマークは不器用ながらも懸命にジョンに貢献しようとします
切ない、泣
金メダリスト相手にただの主婦の私がなぜがシンパシーを覚え苦しくなってしまいました
兄デイヴ無しでやってやるという虚勢や弱さに、ジョン・デュポンが自分を必要としてくれてるという錯覚に同情してしまう
レスリング選手にコカインすすめるし、夜中に呼び出すし
ジョン・デュポンとマークは正しい関係とは言えないでしょう
確かに歪んでいるけど、彼らなりに親しくしてたからマークはジョンの期待に答えようとした
それは自分の居場所を見つけたと思ったから
なのにジョン・デュポンも結局は兄デイヴを選びました
そしてやってくるデイヴ
チームの皆が歓迎し迎える中、ひとりだけデイヴの所へ行かないマーク
マークの居場所とらないでよ!
デイヴはここじゃなくてもやっていけるでしょーが!
私は心の中で叫んでしまいました
結局マークはバランスを崩しフォックスキャッチャーを去る事になります
今後の事をジョン、デイヴ、マークで話し合うシーン
デイヴはジョンに自分を雇うならマークにもお給料を払うよう交渉する
マークきっとみじめな思いしてるよ、やめたげて!
不器用なやつだけど、お兄ちゃんもっと弟を信用してあげて!
胸がひりひりです
コノヤローとは思う事があってもデイヴはとても良い人で、リア充です
そりゃあ人から好かれるでしょう、私だって好きだわ
マークが幼いころに親が亡くなって、親代わりになって面倒を見てきたデイヴ
彼だってマークと同じくらい、いやもっと苦労してきたかもしれません
でも彼はどんな環境でもふてくされず真っすぐでいる真のリア充
マークがオリンピック代表落選しそうになった時のデイヴの対処
きっとこの兄弟は今までもこうやって一緒に戦ってきたんだとグッときました
そしてこんな時は(も)役に立てないジョン・デュポン・・・
だって兄デイヴのそれは、自分の欲求を満たすために他人を使うジョン・デュポンにはできない誠実な行為だもの
おかしい人を映画で観るのは結構好きな私ですが
ジョン・デュポンを見てるのはキツかった・・・
もういい年なのに子供のような人
フォックスキャッチャーチームがメダルを獲得しチームで祝杯をあげたシーン
お金で集められた選手の皆さんはジョン・デュポンをはやし立てます、おべっか入ってます
ジョンはお金で集めた皆さんと大はしゃぎです
そこでシーンが途切れるのですが(少し不自然な位ぶつっと)、ほっとしました
もうあんな滑稽な初老のおじさんは観ていたくないと思ってしまったのです
滑稽で哀しく恐ろしいジョン
彼を見ているだけでHPをじわじわ蝕まれる、FFで言うとバイオをくらった感じ(こんな例えをする私もいい年の大人なのに子供のようだ・・・)
マークが去りデイヴにはプライベートでのお付き合いをやんわり拒絶されるジョン・デュポン
彼はお屋敷でひとり、自分が作らせた自分のドキュメンタリーを見ます
そのドキュメンタリーにはまるで心がこもってないテキトーにジョンを誉めてるデイヴも映ってたことでしょう
あの嫌々誉めるシーンを見た時、マークがジョンを称える原稿を一生懸命練習しパーティーで読むシーンを私は思い出してしまいました
きっとあのドキュメンタリーを見たジョンも同じだったんじゃないかな
そしてデイヴはジョン・デュポンに射殺されます
彼は良い人でリア充で、それが孤独な男に劣等感を与えてしまったのですね
もう母親から愛される事も認められる事も叶わないと絶望したのもあるのでしょう
母親が亡くなった後ジョンが馬を放つシーン
あれは好きでした
あんな風にジョン自身も母親の呪縛から放つ事ができたら良かったのに
ジョン・デュポンのような殺人を犯す人の気持ちを理解する事はできません
でもその原因となった根っこの部分はわかってしまう事があるのではないでしょうか
ミスチルも歌ってましたね
“声をからして愛されたいと歌っているんだよ ガキじゃあるまいし 自分に言い聞かすけど”って
ジョンはまさに愛情に飢えた子供でしたね
ありあまるお金を持っていた事が彼にとっては悲劇だった
ラスト、マークは総合格闘技の世界へ踏み出します
レスリングから格闘技へ転向はレスラーから嘲笑される事もあるみたいですが
別にいいじゃんよ!
格闘技会場にひびく歓声といっしょに私も応援してました
お兄ちゃん無しでちゃんとやっていけるよ
腐らずにいれば自分の居場所も見つかる日もくるよ
マーク!がんばれ!

