おはようございます☆彡

一般社団法人 未病ヘルスケア協会がお届けする『未病情報!』!!

https://mibyohc-association.or.jp

 

国家予算のおよそ50%を占める「医療費」

一人ひとりが【予防】に対して正面から向き合わないといけない状況になっています

このまま改善されない場合は破綻するか社会保障費の負担増の二つに一つとなるでしょうガーン

 

昨日の続きをお届けします・・・

 

ホリエモンと猪瀬直樹氏が語る-膨れ上がる医療費とその対策-

12/26(木) 15:10配信

Medical DOC

猪瀬:
そのうち介護の話なんだけれども、問題は、「要支援」の先に「要介護」が位置づけられていること。本来なら、介護にならないように支援で予防するべきです。ところが、「要支援」にも介護を付けちゃっているから、介護費が増加する。「要支援」と「要介護」を逆向きにするような施策をおこなっていかないと。

堀江:
ムダな税金が使われていると。

猪瀬:
これは、大阪府大東市の実態調査ですが、掃除や買い物などに介護ヘルパーを使っていた。掃除や買い物なんて、民間のサービスでもできるでしょ。本当に身体介護を必要としている「要支援」者は、全体の約1割にすぎないんですよ。こうした取り組みが、市町の一部で始まっているということです。

実費ではなく政策費として取られている「調剤料」の謎

猪瀬:
あと、「薬」も問題なんだよね。今、病院の前に「門前薬局」が建っているでしょ。薬剤師って、フェラーリが買えるほど儲かっているんですよ。

堀江:
この表で目立つのは、“院外”処方欄の「調剤料2400円」ですね。一方の“院内”処方は、同じ調剤料でも「90円」しかかかっていない。これは、どうしてなんですか。

金子:
院内処方は医師が調剤するから、薬剤師さんのフィーを含まないんですよね。ところが、門前薬局などの院外処方を受けると、もろもろ含めて3000円以上も余計にかかる。

堀江:
同じ薬なのに、意味がわかんないっす。

猪瀬:
昔は医師が仕入れの倍ぐらいの薬価を付けていました。それじゃマズイというので「医薬分業」が図られたんだけど、そのとき、調剤料をインセンティブにしたのです。つまり、「医薬分業」推進のための制作コストを、我々に負担させたということ。

堀江:
かえって「調剤料をたくさん取ってもいいこと」になっちゃったと。

猪瀬:
加えて「薬剤服用歴管理指導料」っていう項目があるでしょ?

堀江:
「お薬手帳」のことですね。

猪瀬:
これ、「お薬手帳」を持っていても持っていなくても、取られるんだよ。話題にするだけで380円取っていいことになっている。そんな「医薬分業」は1974年にスタートし、2017年の段階で、院外処方が7割を越しています。

堀江:
じゃあ、政策自体はうまくいったわけですね。

猪瀬:
うまくいった。薬科大学の入学定員数を見ると、2006年あたりで“倍”になっています。人口あたりの薬剤師の数を見ると、諸外国と比べて日本がトップ。年々増えていく薬剤師を食べさせるためにも、高額な技術料が取られているんです。その合計が1兆9000万円。

堀江:
薬剤師の業界は、うまいことやったなってことですよね。でも、薬科大学って、4年制から6年制になったじゃないですか。そのことで、薬剤師の数がまだまだ足りていないはずなんですよ。薬剤師の求人サイトって利益を上げていますから。

 

 

猪瀬:
門前薬局の誕生によって、安定した雇用を生んでいるよね。もはや、薬剤師を易々と減らせなくなっている。ドラッグストアのチェーン店にも薬剤部門があるし。

堀江:
あの中には、「販売登録者」という新しい資格者も含まれます。「販売登録者」には実務経験が求められるから、ドラッグストアでしか経験を積めない。コンビニで働いていても資格が取れない。なので、ドラッグストアに人材を集める強力なドライバーになっているらしいですよ。生鮮品や食料品を置くようなお店が、すごく増えているじゃないですか。

猪瀬:
薬科大学を出ても薬剤師になれない人がいるのよ。だから、「販売登録者」は、薬剤師の国家試験をパスできなかった人の雇用対策だよね。

堀江:
時間も迫っているので、どんどん、行きましょう。

猪瀬:
この図は、院外調薬の処方日数に対する調剤料の変化。処方日数が増えるほど、調剤料も段階的に上がるんです。かつては薬をコネコネするのに手間がかかっていたけど、今って輪ゴムでパチンでしょ。処方日数が増えたところで、そんなに手間は変わらないはず。

堀江:
うーん。

猪瀬:
続けてシルバー人材センターの登録スタッフ数。高齢者は増えているのに、スタッフは減っています。理由は、モチベーションを持続できるような環境ではないからです。なのに、一定の予算が付き続けています。施策として、まともに機能していないよね。

猪瀬氏の提言に、具体的な強制力は伴うのか

堀江:
この本には、どうやって解決するかも書いてあるんですか。

猪瀬:
かなり詳しく書きました。データも正確なところを引っ張ってきましたから、ぜひ、読んでみてください。「大変だ、大変だ」という本はいっぱいあっても、解決策に触れている本は少ないよね。

堀江:
予算を抑えるために「法律やルールを変えないといけないよね」という話ですか。

猪瀬:
予算って、結局、対前年比で考えているんだよね。しかも、何十年もかけて積み上がったものでしょ。役所の担当者は2・3年で交代していくから、目の前のことしか見ていない。以前の背景や歴史を知らないで、前年並みの予算が当たり前だと思っている。

堀江:
それはわかるんですけど、どうやって変えていくんですか。

猪瀬:
たとえば精神障害問題だったら、今、空き家が多いでしょ。800万戸ともいわれる空き家を、グループホームとして活用していけばいい。

堀江:
病院から空き家に、うまくシフトできますか?

猪瀬:
仮に空き家の家賃が月額12万円だとしたら、その費用を捻出できる仕組みにすればいいわけ。空き家6軒くらいを一つのグループにして、見回りをしたり、社会復帰させたりしてね。費用的なシミュレーションは、全部、本に書いてあります。

堀江:
でも、患者を移す必要があるわけですよね。強制的に移すって話でもないし、誰がどうやって実行するんですか。

猪瀬:
患者の受け入れ体制をつくればいいだけです。精神障害に有効な薬も出てきているし、世間と隔絶する必要はない。そもそも、住むところがなくて病院に入っちゃう人だっていますよね。

堀江:
そうなんですか。

猪瀬:
空き家が800万戸もあるんだから、患者を病院から出して、分配していくだけ。しかも空き家は生活圏にあるし、社会的なリハビリを兼ねるでしょ。就労支援にもなる。

 

 

全体像が視野に入らないと、本当の問題点は見えてこない

堀江:
透析患者を減らす件についてはどうですか。猪瀬さんは「意識高い系」だからランニングを始めたけど、そうじゃない人もいるでしょ。今ちょうど、糖尿病の映画を制作していて、失明や脚の切断といった“怖い”ケースを取りあげています。

猪瀬:
どんどん見せればいいんだよ。

堀江:
結構、ショッキングなシーンもあるんだけど、世の中の9割くらいの人は、糖尿病の怖さに気づいていないんじゃないかと。先生は、日常的に見ているでしょ。
金子:
医師として、そうした怖さに慣れちゃっているところがあります。

猪瀬:
私も、血糖の異常値が出て、先生から「このままだと目が見えなくなって、原稿が書けなくなる」って言われたんだよね。だから、ランニングを始めた。

堀江:
そういう「意識高い系」は問題ないですけど、昼間っからお酒を飲んじゃっている人っているじゃないですか。

猪瀬:
東京五輪の機運の中で健康意識が高まると、変わってくるんじゃないかな。

堀江:
いやいやいや、猪瀬さん、そんなことはないと思いますよ。

猪瀬:
糖尿病の映画のように、「怖さを見せる」ってことも大切だよな。

堀江:
病気の怖さから予防に結びつけていくことには、ある程度の手応えがつかめています。糖尿病や腎臓疾患が最後のとりで。

猪瀬:
なかなか気づきにくい糖尿病の指標値には、「HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)」が有効なんだよ。以前は、血糖値しかなかったじゃない。映画にしても指標値にしても「見せること」が必要。

金子:
そうですね。

堀江:
腎臓疾患の指標値は、まだ「ない」ですけどね。

金子:
「ない」ですけど、糖尿病の患者さんが腎臓を悪くするという流れです。

堀江:
だから、意識の低い人が透析を受けざるをえなくなるわけでしょ。僕は認知症もそうだと思っていて、認知障害へ至りにくい行動ってあるじゃないですか。グループホームもいいけど、高齢者だけじゃなく、いろいろな世代の人がコミュニケーションを取れる場づくりとかって、どうなんですかね。意識の低い人をアクティブにさせるような取り組みが、足りないと思っているんですけど。

猪瀬:
精神障害の出口戦略としてのグループホームは、年齢と関係ないからね。20代の人もいるし、皆さん「普通の人」。会社で怒られてうつ病になっちゃった人だっているんだから。知的障害者にしても、アスペルガー症候群の人を含むでしょ。

堀江:
ああ、そうか。

猪瀬:
アスペルガー症候群の人って、得意技をいっぱい持っています。たとえば、名刺のデータ入力を1件「3秒」でやっちゃう。約900万人の精神障害者、高齢者、それと女性ね。この労働人口を市場にきちんと返せれば、労働力不足なんて起きないのよ。しかも、納税の側に立つってことだからね。

堀江:
猪瀬さん、なんで知事を辞めちゃったんですか。もったいないですよ。

猪瀬:
それはだから……敵が多かったから。それはそれとして、東京五輪の招致は、運動による健康増進の周知をかねています。みんなで盛り上げていけば、予防意識が変わっていくでしょう。

堀江:
では、そろそろお時間ということで。

猪瀬:
さっきの糖尿病の映画は、どんどん見せていったほうがいいね。

堀江:
はい。来年の東京国際映画祭に出すことを前提に制作しています。

猪瀬:
最後に結論をまとめると、歴史的視点に立たないとダメってことです。官僚は目先のことしか見ていない。だから、抜本的な施策を構築できない。以上です、ありがとうございました。