おはようございます、大阪の俳優みぶ真也です。
放送局というのはよく不思議な現象が起きるところです。
今もって解決していない経験をお話しします。
あんまり仕事で来ることのないTV局に番組ゲストでお邪魔した時のこと。
エレベーターに乗ったところで、顔見知りの草原ディレクターとばったり会った。
「あ、みぶさん、ちょうど良かった。今日、うちの局の仕事だって聞いてたんで、会いたかったんですよ」
「どうかしたんですか?」
「この局にもみぶさんがラジオでやってる怖い話にぴったりの場所があるんです。良かったら、これから行ってみませんか?」
そう誘われては断れない。
今日のスケジュールはここでおしまいなので、彼について行くことにした。
「こっちのスタジオなんです」
と広いスタジオに案内される。
照明を入れると、機材の物置のようになっていた。
「なんか、倉庫みたいですね」
「ええ、あまり頻繁におかしなことが起きるんで今は使ってないんです」
「おかしなことって?」
「それがね、みぶさん……」
突然、照明が消え真っ暗になる。
「草原さん?」
呼びかけてみたが返事がない。
それに、人の気配すら消えてしまった気がする。
「草原さん、まさか……ドッキリとかじゃないでしょうね」
そう言った途端、ドアが開き人影が入って来た。
「あ、やっぱりみぶさんがいた!」
さっきの番組のADの橋本くんだ。
「橋本くん、どうしたんだ?今まで草原さんと一緒だったんだけど……」
「みぶさん、本当に一緒だったんですか?」
「うん、このスタジオで不思議な現象が起きるからラジオで紹介して、と言われて来たんだけど」
橋本くんはまじまじとこちらを見て、
「草原ディレクターは、今、ヨーロッパ・ロケなんですよ。
向こうは夜中なんだけど、さっき電話があって“みぶさんをこのスタジオに案内している夢を見た。
あんまり真に迫った夢だったから、もしかしたらここに迷い込んでいるかも知れないから探しに行ってくれ”って」
ということは、さっきいたのは草原さんの生霊、やっぱりこのスタジオで不思議な現象は起きていたのだ。
この話をラジオで紹介してから、そのスタジオを訪れたことはない。