「血は繋がってないよ
でも冬眞は本当に私の弟になったの
弟に何かしたら許さないから!」
キスで起こして。1巻
春田なな・りぼんマスコットコミックス
(りぼん掲載)
★あらすじ★
かわいいのに、昔からなぜか変な男性にしか好かれない絵南。
このまま誰ともうまくいかないのでは…そんな矢先、母が再婚したいとのこと。
新しいきょうだいは同い年のイケメン・冬眞と小学一年生の希咲ちゃん。しかし冬眞に「一つ屋根の下で暮らすからと言って過剰反応しないでね」とクギを刺され最悪の出会いに。
腹が立った絵南は友達に相談して合コンするが、
いきなりできた彼氏にもらったのはスマホカバー。
実は前日、絵南の誕生会で家族からスマホカバーをもらったばかりだったのだ…
「つばさとホタル」「6月のラブレター」など奇をてらわない作風の春田さん、一年ぶりの新作。
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6月のラブレターが終了して、スン…と存在が消えてしまい非常に心配していました。同期である酒井さんもでてこなくなり、りぼんの代替わりが始まったのかと思ったのですが、
最近になって二人とも連載が始まりました。槙さんが引退した今、二人がいないとりぼんはたちゆかないと思っています。
春田さんは昔は若さにかまけて主人公わがまま放題やりたい放題でしたが、作風が落ち着いてきてからは安定して読めます。
そして、「オタクっぽさが全くない」という強みがあります。これは酒井まゆさんと真逆というか、今の作家さんはある程度のオタク要素を通過しているものなのでここまで徹底していると光ってきます。
さて、今回は恋愛に「家族もの」をプラスしてきました。同居ものというと同じりぼんで女の子同士の親が再婚する「ふたりのポラリス」がありますが、こっちは男女同居の王道ですね。しかし幼い妹がいるおかげでりぼんの読者にも重点を置いているのがポイントです。
主人公、性格は全然悪くないのに男運がない。引っ越す前に彼女持ちの男子に告白されたり、退職する老教師に告白されたり、ストーカーみたいなのに絡まれたり本当に散々でかわいそうです。
そこに降ってわいたイケメンがいきなり同居。
しかし彼はあくまで「きょうだい」ですから、話は違う。
(最初から結婚も恋愛もできると説明してくれて安心しました。それをやらずにやれ気持ち悪いとか不謹慎だとか騒ぐ漫画が嫌いなので)
冬眞、いきなりぶっこんできたので性格が悪いのかなと思ったら、
妹の希咲ちゃんにはすごく優しいしただ世話好きで家族思いだったりします。希咲ちゃんが誕生会を開いてくれて、その気持ちを大切にしたかった絵南を、冬眞は認めてくれます。
絵南は冬眞の学校へ転入。前の学校より明らかに大きく、セレブ感が少々。しかし「クラス替えがない」と言われ、「それじゃあもうグループができてるってことじゃん」と不安になる絵南。
冬眞はそれを見越していて、人懐っこい男子の日翔とモデルをやっている女子の蛍を紹介してくれます。
あまりにも手際がいい。これは世話焼きの鬼だ。
ただ、性格が妙にまっすぐで、日翔が近づいてきたらガードし、「絵南はかわいいから心配だ」とサラリと言ってしまうのです。
「お前のことは好きにならない」と言いながら、余計な虫は全部振り払おうとする。
そりゃあ絵南はあまりにも「虫」を誘引してしまう体質ですけど、この読めないキャラクターは混乱しますね。
しかし、まだ「家族」としてやっていくのが先でしょうね。希咲ちゃんがすごく純粋でかわいいし、彼女を悲しませるわけにはいきませんから…
