「許さないで
友達にも戻らない
今 鈴村さんに甘えたら
自分のこと大嫌いになりそう」
ふたりのポラリス2巻
柚原瑞香・りぼんマスコットコミックス
(りぼん掲載)
☆あらすじ☆
天宮星(ひかり)、高校一年生。友達に囲まれ明るく何不自由ない学校生活を送っているものの、極力面倒事を避けているため、気を使って疲れていた。
ある日、母が再婚したいと言い出す。再婚相手の娘は、同じクラスの鈴村深月だった。
自分に自信がなくいじめられっ子オーラがあり、現在本吉さんにパシらされている。
彼女との溝をどうにかしようと頑張る深月だが、空気が読めないから空回りばっかり。
しかし彼女のまっすぐさを知っている星は…?
そして、その後にやってくるのは星の過去に刺さる棘。
「恋ばっかりの世界でわたしはキミと」で中学生の恋愛の難しさを描き切った柚原さんの新作。
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りぼんの「鬱まんががかり」から抜け出して、恋だけじゃない学校の日常と光と影を書き始めた柚原さん。前作は本当にいい作品だったと思います(その前のは…)。
同居ものなのに「女の子同士」。性格が全く違う女の子の友情ものだと思います。
主人公の星は明るく、友達もいて毎日楽しくやっている「カースト上位」の女の子です。しかし自分を見せないのがうまくやっていく方法だと思っていて、本当の自分は誰にも見せられない。
一方深月は前の母親の影響なのか自己肯定感がない。成績が良く別にトロいわけでもない。だけど人間関係で頑張りすぎてしまい空回り、本吉さんのグループからいじめに近いことをされています。
ところがおそろしいほどまっすぐで、星はそれに少しずつ心を動かされています。
さて、本吉さんが明確に深月のことをいじめだし、クラス中が不穏な空気に。しかし、本吉さんにもいろいろ事情がある。この学校は滑り止めだったこと。優秀な兄と比べられていること。
そんな中で優等生の深月が下手に出てくるから、イライラしてしまうのです。
いじめられても深月が仲直りするのをあきらめないのは、本吉さんが入学して初めて声をかけてくれたから。
星は彼女が一番深月を見ていたのではないかと感じます。
他のクラスメイトからも甘く見られ、プール掃除を押し付けられる深月。そこに星は本吉さんをねじ込み二人きりにさせます。
ようやく本音を言い合いぶつけ合う二人。
そして冒頭のセリフです。本吉さんは深月のことが本当は好きだけど、ケジメを付けられる子だった。
でも、最後の言葉が引っかかる。
それは後半の物語に影響してきますね。
本吉さんからいじめられなくなったものの、グループからは外されているので「ぼっち」の深月。星は深月の良さをどうにかしたくて、自分のグループに入れようとします。
これがまあ、冷や汗の連続です。
いじめられてたような子をカースト上位のグループに何で入れる?
グループの三人はいぶかしむ。
ここで今までモブっぽかった三人の紹介。
面倒見がいい紅、目立ちたがりでわがままなるり。冷静で突っ込み側のミイ。
正直るりは「よくこんなのでカースト上位にいるな」という性格なんですが、お母さん体質の紅が全部面倒見ている感じですね。
星は一生懸命深月をアピールするのですが、そんなことしなくても深月のピュアさ、真剣さが三人に伝わりなじんでいきます。
ところが、逆に星のアピールは
「そー言えばるりが言うこと聞くと思ってるんでしょ。応援しなきゃるりが悪いかもって空気作って。星はそういうのうまいよね」
と本気にとられないのです。
今まで星は空気を読み、空気で人を動かし、トラブルを避けてきた。それが今になって、ひっくり返って星に刺さるのです。
るりは深月の真剣さが気に入り仲良くなるのですが、
陰で応援していた星をみつけ「いたの?」と。
本吉さんが言ってた「鈴村さんに甘えたら自分のことが嫌いになる」とはこれです。光にあたって自分の影が照らし出されてしまう。これはたしかにしんどいわ。
これからは星が自分と向き合うターンになるのでしょう。
とはいえ、誰も彼女の言うことを信用しない。母親も微妙かな。
一方で深月に対し「嫉妬」を抱くのかもしれない…
本吉さんは二人のことを察したようでしたが、何も言わないでくれている。
本当は「一緒に住んでいる」と明かしていいはずなんだよなあ…高校生は難しい。
