「どうしよう かなわない

でも あきらめたくない

私 私は―

どんな卑怯な手を使っても

猪乃原を蹴落とそう…!!」

 

 

あの鐘を鳴らすのは少なくともおまえじゃない1巻

アサダニッキ・プリンセスコミックス

(プリンセス掲載)

 

 

☆あらすじ☆

特にイケメンでもない、ぼんやりした感じの西目先生。でもそんな先生が大好き…な大橋チカ。

だが、先生の周りをよく見ていると、学校一の美少女・猪乃原愛矢も先生のことが好きなのでは?と気づく。

この恋は絶対に譲れない!相手が誰であってもだ!

しかし、チカがトラップをしかけても先回りされるし、逆にずっと邪魔されていたらしい!

「ポッと出のザコにこの恋を邪魔させたりしない」

天使の顔して恐ろしいライバルだが、チカも結構やることがコスいぞ!

 

乙女と乙女がぶつかると、それはそれは恐ろしい地獄になる!

アサダニッキ先生お得意の女同士バトル、ファイッ!

 

 

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アサダニッキ先生が女子同士のもめ事を描くと、本音がドカドカ出てきて、出すぎてきて超面白いんですよね。

正直そっちばっかり見ていたくなる。

これは女同士の醜いバトルを凝縮したような漫画…に見えますが、ズケズケ言い合いながら女子が仲良くコミカルに動くお話です。

 

若いけど冴えない生物教師の西目先生。他の女子は「ないでしょ」と見ているのですが主人公の大橋チカとライバルの猪乃原愛矢だけは違うようです。

チカはどうにかして愛矢の邪魔をしようとするのですが、もともとチカが先生に近づこうとすると愛矢はそっとペンケースを落として邪魔していた…

先生に勉強を教えてもらおうとしたら、愛矢が間に入ってきてスパルタで教え込む!

悪事を伝えようとしても、愛矢は人徳が高いので誰も信じてくれない!

そう、愛矢はチカより一枚も二枚も上手なのです。

 

しかし同じ人を好きというのは…つまり「同担」なわけです。

「傘を忘れたときに貸してもらったけど、本当は先生も持ってなくて濡れて帰った。そこにキュンとした」

「不器用…尊い…」

先生の話をすると、二人は意気投合。うっかり先生×生徒モノのラブ映画を二人で見てしまい感情移入し語り合ってしまうくらい「実はなかよしじゃねえのか????」という感じになっていきます。

なにしろ、先生まわりにトラブルがあった場合、二人はこれ以上にない「信頼できる仲間」。そして、教師という「遠い存在」を一緒に追いかけられる同志なのです。

 

そういえば、少女漫画のライバルキャラをあまり見かけなくなりましたよね。とくにテンプレなやつ(とりまき連れて校舎裏呼び出しとか)。

性格が悪いと、読者に嫌われてしまうんですよ。

今でいえば君に届けのくるみが代表格かもしれないけど、彼女は結局爽子大好きっ子になってしまいましたし。

物語の最初から最後までライバルなのは、昭和で消えたかもしれません。いとこの家で読んだ里中満智子先生の漫画とか、

学習雑誌の漫画くらいですかね。

当時の女の子はそんなに執念深かったのかな?

 

でもアサダ先生の漫画の場合、主人公も恋愛に薄汚い。

他の漫画でもライバルが出てきた場合「来いや!つぶしたるわ!」的に構えてきますからね。

恋愛はきれいなものじゃない。醜いしドロドロっすよ。

私もちょっと覚えがありますよ。それで当たり前だと思います。

アサダ先生はそんな醜いバトルを笑える漫画に仕上げてしまう。だから面白い。

 

さて、単行本を最後まで読んでしまうと「西目先生には全然その気がねえな」と感じてしまいます。

そこを二人が頑張るのかどうかなんですが、

やっぱりイーブンで終わるのが望ましいかな。

盛大にフラれて二人で抱き合ってわんわん泣いてほしいです。

 

あと、誤解からチカに片想いしてしまうクラスメイトのイケメン・一色くんがかわいそう推しです。

 

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