「俺の中に無いと思った

愛生の前で俺が何を感じていたのか

でも

あったじゃないか」

 

 

愛が死ぬのは君のせい4巻

桃森ミヨシ+鉄骨サロ・マーガレットコミックス

(マーガレット掲載)

 

★あらすじ★

間愛生(あおい)と逢沢一墨は幼なじみ。

愛生は一墨に告白し、昔遊んでいた「秘密基地」で返事を聞こうとしたが、空から何かが降ってきた。

愛生をかばって、一墨は「割れた」。

それから一墨は別人のようになってしまう。一墨の中に何かがいるとわかった愛生は彼を「ワルツ」と名付ける。

愛生は「謎の白い男」に突き飛ばされ、瀕死の状態に。愛生にほだされた(?)ワルツは愛生の身体に入って彼女の命を繋いだ。

ワルツが抜けた一墨は「自分からなくなってしまった感情」に気づき焦り始め…告白をしてきた津村心音と付き合ってそれを取り戻そうとする。

しかしもろもろの事情を知った雪平然が愛生と付き合っているフリをした途端、一墨の感情に変化が。そして…?!

 

「菜の花の彼」で熱狂的なファンを集め注目されたタッグがまたまた心をえぐる!

謎が謎を呼ぶ、目が離せない究極の恋愛漫画。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

もともと「ハツカレ」「悪魔とラブソング」で大人気だった桃森ミヨシ先生。

鉄骨サロ先生が加わったことにより「しんどい、つらい」「でも続きが気になってしょうがない」と本来のマーガレット読者とは違うファンがついたような気がします。

 

さて、お話はどんどん難しくなってきましたね。→二巻 三巻

一墨から「好き」という感情がなくなってしまい、それを取り戻そうと津村心音と付き合います。一方フラれたと思いこんだ愛生は白い男から「今の状態の一墨とお前が触れると何が起こるかわからない」といわれ、一墨を守るために遠ざかろうとするのですが学校で同じ係に。

ここで雪平然が「俺、愛生と付き合ってるから」と言い出します。

それなら近づかない理由になるという彼の助け舟です。

一墨は非常に動揺します。そして、二人がちょっとしたことで手を握っているのを見てしまい…

 

割れます。

 

ところがこの「割れる」きっかけはどうも、一墨が愛生への感情を思い出したからっぽいんですよね。

小さいころから感情が薄く、言葉の少なかった一墨。義母とうまくいかずギスギスした生活をしていたのですが、愛生が隣に引っ越してきたことで彼の心に光がさしていたのです。

「秘密基地」で愛生の手が割れる前、愛生が告白をしたその瞬間。

一墨の気持ちはすでに、あの時に決まっていたのです。

 

「割れた瞬間」を見ていたのは愛生と然だけではありません。

一生懸命学校中回って一墨を探していた津村心音も目撃してしまったのです。

彼女は驚いて逃げてしまいますが、これは「初めてだから」だけではありません。雪平然も初めて見たのですから。

彼女には、根性が足りないのです(笑)。

でも逃げた先に一墨が。声をかけると「誰だお前?」

ワルツ、復活です。

心音はワルツを一墨だと思って近づくのですが、ワルツには記憶がないので微妙にコントみたいなやり取りをすることになります。

しかし心音とのやり取りでワルツも得るものがあったようです。

 

では「一墨」はどこへ行ってしまったのか。

死んだ、と思った愛生は絶望しますが「声」に呼ばれて秘密基地へ。すると、初めて告白したときのちいさい一墨がいるのです。

透けていて、秘密基地からは一歩も動けない。しかし、愛生の「割れた」右手ならさわれる。そして、話せるのです。

本物の一墨です。

一墨はあの時の告白の返事を素直にするのですが、

愛生には何もかも遅すぎる…?の、か?

 

一墨の感情の発露から「割れ」、愛生の中にあったとされていたワルツが一墨を乗っ取り、一墨の感情は小学生の姿で現れた。

「白い男」からしてみると、目まぐるしく変化しすぎていて何が何だか分からない。

愛生の右手の怪力も復活して、白い男を次元の狭間から引きずり出すことができたりしていましたし。

雪平然になんとかならないのかと言われても、彼も「どうしようもない」としか答えられない。

全部「愛」というバグのせい。

もし他の男女で同じケースが発生してもみんな考え方や生き方が違うので結果は同じにならないのではないかな。

 

最後に。

「ときめきトゥナイト」をしっかり読んでいたわけではないのですが、

今回のラストを見て「たしかこういう話があったな…?」と思ってしまいました。

 

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