「ずるい!
新のお兄ちゃんじゃないんですけどぉー?!」


キミとだけは恋に堕ちない5巻
酒井まゆ・りぼんマスコットコミックス
(りぼん掲載)


☆あらすじ☆
頼もしいお兄ちゃんも、高校生になればうっとおしい小舅‥高校に上がったばかりの星崎すばるは兄二人(同じ高校)に監視され困り果てていた。とくに次兄の航は厳しい。
周りからは羨ましがられるが門限はあるし・・窮屈そうなすばるに「我慢してるねえ」と言い放つ吉田新。
そんな新と、つきあうことになったすばる。

航はすばるの兄ではなかった—
その真実を酷いタイミングで明かされ、航は家を出てしまう。
そして全く知らなかったすばるは‥?


りぼんの看板として君臨し続ける酒井さんの家族間ラブコメディ、完結。


゜・:,。゜・:,。★゜・:,。゜・:,。☆゜・:,。゜・:,。★゜・:,。゜・:,。☆

酒井さんにしては早い完結でした。まあ、すでに扱っているテーマがりなちゃでは「古い」ですからね、このへんでいいと思います。

過保護な兄二人に囲まれた主人公すばると、家庭環境が複雑で荒れてた新はさっさとカレカノになりましたが、それは序章でしかなかった。
次兄の航は、すばると血が繋がっていないのです。そして、ずっとすばるのことを妹以上に想っていた…
それが航の彼女によってバラされる。
透も新も知っているのに、すばるだけ知らなかった‥だからすばるは混乱します。
しかしようやく想いが決したときにとんでもない事故が‥


少女漫画は「禁断の恋」という貴重なネタがなくなっているのであまり語られませんが、きょうだいでも血が繋がっていなければ結婚はできますし何も気持ち悪くないのです。

ただ私はこの漫画を読んでいて「航はねぇな、ムリ」と思ってました。きょうだいだからではなくて、航自体が粘着質というか束縛が強くて気持ち悪かった。
つばホタの鳥羽もそうですが、なんでりぼんには顔だけイケメンの「ケダモノ」が毎回出てきて、でもそっちとくっついてほしいと思ってるこじらせ読者がいるのかな?と思っています。
よくちゃおの相手役は「つよくてニューゲームしてる王子様(12歳の高尾など)」と揶揄されますが、りなちゃは少女漫画の入り口ですからまずそこで「ちゃんとしている男の子が何であるか、トラブルにあったときどんな行動するか」を示した方がいいだろうと思います。りぼんは昔からの伝統があるためたまにエイジフリーな方向の漫画も出てきますが、実は昔にこじらせ男子がいたかというとそうでもないです。最近変なのが増えたなという感じ。


私は乱暴で自分を大切にしてないけれど最初からすばるを解放しようとしてた新エンドで当たり前だろうと思ってましたし、酒井さんもそれをちゃんとやりきっています。
新はすばるや航と一緒にいることできちんと成長して頼もしくなりましたし、航のことすら気遣えるいいヤツです。

最後の最後で思わせ振りな感じになっていましたが、単行本のコメントを見る限り航ファンへのサービスですね。


で、この漫画の全体的な感想ですが‥「親の暴力」「ネグレクト」などはシュガソルで使い古したネタですし、「親と子」の葛藤は現在の読者には響かないと思います。家族のカタチは私たちの世代とかなり違います。
なかよしとちゃおではすでに手出ししていないネタです。もうやらなくていい。

また、新の成長は目を見張るものがありましたけど、じゃあ主人公のすばるはどうだったか?
すばるは酒井ヒロインの中でもとりわけ幼い印象があります。
しかし結局新か航どちらを選ぶか決めただけで他になにかしたかというとさっぱりでした。トラウマやコンプレックスがないのはよかったのですが、受け身といえば受け身でしたし、すばるが動く前に新が全部やっちゃった感じですね。
本当は新を主人公にしたかったかもなーと思ったり(酒井さんならそういう野望もってそう。春田さんにはそういうとこが全くない)。

次はロキヘブやシュガソルの美羽、麻琴みたいな自分で頑張る強い主人公が見たいですね。
もしくは‥まだ毒親との戦いが描きたいならアラサー向けの漫画を描くべきかと。

 

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