「毎日のように口にしていても気にとめない
でも香辛料がなかったら—
きっとこの世は味気ない」


ぴりふわつーん1巻
青木幸子・芳文社コミックス
(週刊漫画TIMES掲載)


☆あらすじ☆
誰もがあまりの大きさに声をあげるお屋敷・橘邸。そこに一人住んでいる柚子原香。香の小さな身体にはとんでもない知識と嗅覚が備わっていた。
香は一個の「柚子」を持った女子高生の夏美と出会う。その柚子がとんでもない代物で、好奇心が抑えられない香はたまらず走り出す‥!!


「ZooKeeper」「茶柱倶楽部」などの名作を発表してきた青木幸子さんの新作!!


゜・:,。゜・:,。★゜・:,。゜・:,。☆

もう2巻も出ているのに気づかなくて自分のふがいなさに落ち込んでいます。が、逆に一気読みできる幸せもかみしめてます。

青木幸子先生はほんとーーに大好きな作家さんで、一生作品を追いかけようと心に決めております。
絵は少々ざっくりですが、大人のウンチク漫画にありがちなおしつけがましさがなく、また登場人物に対するまなざしが厳しくも優しい。
そして繋がった「人間関係」がさらに人をよぶという考え方が大好きです。


「茶柱倶楽部」ではお茶屋の鈴がお茶フェスを開くため全国をトラックで回るかなりアクティブなお話でしたが、今回は豪邸を足場にした主人公がやはり「野望」を抱いているようです。


主人公・柚子原香は幼少期親の仕事の都合で世界中を回り、言葉より先に嗅覚を身につけたという大の香辛料好き。
現在は香辛料を扱う会社に勤めているのですが、背が低く童顔で社会人に見えません。
そして親の友人・橘氏が数年不在なため、メインクーンの「ヒメ」をお世話する条件で大豪邸に住んでいます。さらに橘邸には離れがあり、洋食屋「芳賀亭」になっています。

少々図々しいけど甘え上手の香は芳賀亭の面々となかよしで、裏口から入ったりまかないを食べたりする関係です。

ある日芳賀亭に女子高生の夏美がやってきます。実はシェフの娘なのですが彼女が生まれてすぐ両親が離婚しており実に微妙な関係。
しかしシェフから突然柚子が送られてきてその真相が知りたくて会いに来たというのです。
香がその柚子を切ると、普通の柚子では考えられない芳香が広がります。シェフが言うには「庭の柚子をもいだだけ」。何も特別なことはしていないらしい‥香はシェフに頼み込んで実際にその木を見せてもらいます。
この柚子には意外な秘密があったのです。それが夏美の家族を繋ぐきっかけになるのですが‥

最初のエピソードを読んだだけで「これぞ青木ワールド!」と唸ってしまいました。シェフの伝えたかったメッセージは人間くさくさりげないもの、だけどお節介な香がそれを何倍にも増幅させています。

そして夏美は香と大の仲良しに。
夏美だけでなく香の「味方」が増えていきます。父親の芳賀シェフは香の依頼に応じて腕を振るってくれますし!


ところで柚子は香辛料なのか?という疑問が浮上しますが、「香り付け風味付けに使われる種や実や花、葉や木の皮や根の総称」ということ。みかんの皮も七味の一つですから柚子も入るわけですね。思ったより香辛料の世界は広いらしい!!
この巻では柚子と胡椒を使った料理が出てきます。特に最後の「しょうが焼き」が強烈に美味しそうでたまらなくなりました。
レシピが巻末にあるのですが、残念なのは難しすぎて再現できないものもあるというとこか(茶柱倶楽部はお茶を手に入れるのが難しかったわけですが)。

2巻ではようやくちゃんと会社に行く香の姿が登場します。明日更新します!

 

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