「不良たちの世界は厳しい
縄張りを守るためなら喧嘩も辞さない
しかし彼らが戦うのは意地やプライドだけのためではない
この世界は誰に頼れるわけでもない
生きるか死ぬかの厳しいものなのだ」
 
 
ニャンキーズ1巻
岡田淳司・角川コミックA
(月刊少年エース掲載)
 
 
★あらすじ★
頬に大きな傷。流れ者のリューセイは「猫鳴町」にたどり着いた。
彼は「片目に傷のある男」を探していた。
だが、町の掟を破った者に周りは厳しい。リューセイは喧嘩を挑まれるが…
「何にも縛られたくないから野良猫やってんじゃねえのか?」
そう、リューセイはキジトラのオス。ケンカを挑む不良もみんな猫!
これは、町の猫たちを不良として描いた物語である!
出オチヤンキー漫画また出たぞ!!
 
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ヤンキーが妙に料理上手くて弁当で学校のテッペンに立つ…
この漫画を読んでから、「ヤンキー漫画+何か」というジャンルの漫画に節操なく手を出しています。ただのヤンキー漫画ではいけないのです!何かほかに特徴がなければヤンキー漫画は生き残れない!
 
「ニャンキーズ」もTwitterに発売情報が上がってきて軽率に手を出しました。
が、発売日だというのに一軒目は売り切れ。二軒め(町で一番漫画の扱いが多い)でラス1。
少年エースはマイナー誌ではないけれど「コミカライズ」の多い雑誌なのでオリジナル漫は埋もれがちではないかと思います。
ということは…来るぞこれ!
 
 
「ニャンキーズ」はあらすじの通り、野良猫の闘争を不良に見立てた漫画です。
たしかに野良猫と不良は町をうろついていて、たまに集まって、そしてナワバリ争いをする…
生態が同じです!その「意味のなさ」も!
(むしろ猫の方が意味あるよね!)
犬も似たようなものですが、昔と違って野良犬は見かけませんからね。
近づかなければわからない世界、でもその世界には「掟」があるという…そこもよく似ています。
 
そして猫を「いかつい不良」に擬人化しているのが面白いです。
普通猫はかわいいものですから、萌えキャラとかにするじゃないですか。
でも主人公のリューセイは頬に傷があって耳がちぎれている(お腹に星の模様もある)猫。猫鳴町のボス・タイガはチャトラですが、シュッとしていてめちゃめちゃ戦えそうな猫。
こういう猫、野良だと見かけますよね~。この「なんかわかる感」がよく描写されていると思います。
で、擬人化するとガチ不良。タイガは金髪のリーゼントです。
 
しかしこのギラついた猫たちも結局ネッコで「本能」には逆らえない。
リューセイは空腹だと戦えない猫で、「おねだり」をして(めっちゃうまい・めっちゃかわいい)人間から餌をもらいます。
狭い段ボール箱に収まって「落ち着く~」となごみオーラを出したりします。
このギャップは面白いですし、猫がリアルながらも「かわいい」のでネッコ好きにもたまらない。
 
さて物語ですがリューセイは「片目に傷のある三毛猫のオス」を探して旅をしています。
たどり着いた猫鳴町の野良猫はタイガを頭に百の掟を守り誇り高く生きています。
隣町の「猫鬼の尾」というグループと今まではそれなりにやってきたのですが、突然向こうの頭が変わり勢いづいてきたらしい。
そして新しい頭には「片目に傷がある」らしく…?
 
リューセイはその三毛猫と何があったのでしょうか。1巻を見た限りでは「慕っていて追いかけている」ような気がするのですが…
 
とまあ出オチ漫画感は否めませんし、私はこういうの大好きです!
そしてバリバリ戦っているようで擬人化ですから、ヤンキーに対する「冷静な目」も感じる…
 
…私たちはもしかしたら、心の奥で「ヤンキー漫画を求めている」のかもしれない。
ナワバリとかプライドとか意地だけで喧嘩するヤンキー漫画はファンタジー。
でも、ガチものを読むのは怖気づくというか、まあいろいろ問題がある。
あと、進みゆく時代の流れに定番のヤンキー漫画が追い付けなくなってきている。
それでも読みたい人のために、「成り上がり飯」や「ニャンキーズ」があるのではないでしょうか。
 
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