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「この花はここじゃ生きられない
居心地いい場所を探すって
逃げるのとは違うのよね
自分の生きやすい場所にいてもいいのよ
花も人も」
箱庭のソレイユ1巻
川端志季・マーガレットコミックス
(別冊マーガレット掲載)
☆あらすじ☆
5年前、瀬名あさひの通っていた美術教室の講師が殺された。
そして、犯人は子供。あさひは「天使」と呼んでいた。
先生・戸張有希の墓参りをしたあさひは、彼女の弟・伊月と出会う。
彼は姉の死をまだ受け入れられず、あさひはこの事件の真相を探ろうと提案する。
何故「天使」は有希を殺したのか。
本当に彼が犯人だったのか…?
衝撃作「宇宙を駆けるよだか」の川端志季、新感覚サスペンス。
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宇宙を駆けるよだかは本当にいい作品でしたね。
人間の美醜の果てにあるものをとことん書いてくれました。
あの作品は形式上長編にはなりえないので、話題にのぼってもあっさり終わったのがすごい。
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さて、新作です。
今回もかなり「エグイのでは?」という予感がします。
主人公は小学生の時、友達がいなくて絵画教室が心のよりどころだった。
そこであさひを救ってくれたのは戸張有希先生だった。
あさひはある日、「天使」と出会う。名前が「点治」だからあさひはそう呼ぶことにした。
彼は天才的な絵を描くのだが、どうも家庭になにかあるらしく、絵画教室に通えない。
有希は彼の才能やそのほかいろいろを考慮し、彼をタダ同然で通わせることにした。
ところが、絵画教室は火事に。有希はその中で死に、天使が犯人として捕まった・・・
あさひは天使が有希を殺したとはどうしても思えない。自分と同じように、恩人だったからだ。しかし当時彼をかばっても「殺人犯の味方だ」といじめられ転校することに。
そうして5年が経過し、心にひっかかりを抱えたまま生活しています。
一方有希の弟・伊月は植物学者。事件当時は海外留学をしていたため詳細を知らない。
そして親はなく姉まで殺され、犯人を恨んでいます。
しかしこれは「少年犯罪」。伊月はその壁を越えられず何も知らされることもなくやり場のない気持ちをこらえています。なにしろ相手は小学生ですから、殺人をしても施設送致だけ、数年で釈放されるのです。
伊月は一見ほんわかしたイケメンですが、その奥にどす黒いものを隠しています。
あさひはそんな伊月がほっとけないし、自分も整理をつけたい。真実を探ろうとします。
しかし小学生の時のことですから、忘れていたこともあるでしょう。
掘り返すうちにあさひは大変なダメージを受けることになりそうです。
そして。
「天使」はもう、戻ってきているのです。あさひは、出会ってしまいます。
「法で裁けないものを、この手で裁く」そういうダークヒーローものってよくありますよね。
堺雅人さん主演のドラマでもあったなあ。でもあれは政治家とか権力でもみ消せる人たち相手。
少年犯罪となると、勝手が違います。少年法があるため遺族は犯人と会うこともできないし、処罰も成人とは違うのでやりきれなくなる…
ただし、ネットのある現代ではちょっと事情が違ってきましたよね。犯人の名前や写真が拡散されてしまいます。凶悪な事件であれば、あるほど。
「少年法をなくせ」という声もありますが、私は適当でないと思っています。
何故なら戦後からの統計上、少年犯罪は減っているからです。ときおり発生する事件をスキャンダラスに報道するため、「少年犯罪は凶悪化している」と錯覚します。実は戦後、貧困のための強盗殺人がものすごく多かったのです。
天使はもう、釈放され生活をしている。
ただし、現代の情報社会ですから…いろいろな目にはあっているようです。
そして…単行本の最後の最後で…
これからあさひはどうなってしまうんでしょうか。
「天使」の本当の気持に触れることができるのでしょうか。
これから起こりうることを考えていたら、怖くなってしまいました。
「人間」の「正義」はおそろしいのです。
またまた「触れたら大変なもの」に挑んでいるこの作者の才能がすごいと思います。
じっくり見届けたいです。
そういえば私は小学生のころ、妹と絵画教室に通っていました。
好きに絵を描いてよくて楽しかったなあと思いますが、同時に寂しい経験もしています。
中学になると数学も教わって、高校受験に成功したので先生は「恩人」なのですが…
振り返るといろいろ考えることがあるんですよね。
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