ハニーレモンソーダ 1 (りぼんマスコットコミックス)/集英社
¥454
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「石でも
お前は宝石なんだよ
もっと欲張れ 前に進め
今まで関わってきたやつらを
上から見下ろすくらいの覚悟で」


ハニーレモンソーダ1巻
村田真優・りぼんマスコットコミックス
(りぼん掲載)


☆あらすじ☆
中学では「石」と呼ばれ、いじめられていた石森羽花。
とあるきっかけで高校を選ぶも「石」のように動けず一週間。そんなときレモンソーダをぶちまけられるが、相手は「きっかけ」の三浦くんだった。

同じ中学の生徒からまたいじめられる羽花だったが、羽花は変わりたくて三浦に呟く。
「たすけて」

そこから始まるきらめく生活。
村田真優先生の真摯な作品。


☆☆☆
「流れ星レンズ」がヒットしたものの、その後の「またあした」が残念なことになってしまいました。
ところが先生の作品自体を読者は熱望しており、すぐ連載が始まったようです。

またあしたの敗因は主人公が読者と離れすぎていた事だろうなと思っています。私は好きだったのですが、何でもできて気が強くてかっこよすぎちゃったみたいなんですよね。


というわけで新作「ハニーレモンソーダ」の主人公羽花は「流れ星レンズ」の凜咲に近いタイプです。おとなしくて優等生。
とはいえ「性格がよすぎて天使」だった凜咲に対し、「無表情で周りをイラつかせいじめられていた」というきっつい設定がついてます。

いじめられ方も壮絶で、2回目は「まじかよ」という展開に。
このテのイジメっ子は進学校に行くといなくなるし、羽花の親はそれを望んでいました。が、羽花は「変えたいのは環境じゃなくて自分」と考え、自由な校風(というかユルい)の八美津高校を選びます。

りぼんっ子はやはり、自分の分身が主人公であってほしいんだろうな、と思いました。
ただ村田さんの切り口は「おとなしい私が王子さまに出会い棚ぼたで輝く」のではなくて、「おとなしい私が自分で運命切り開いたらとんでもねぇ集団が力で守ってくれた」となるとこなんですよね。

つまり今回も相手は「ヤンキーに半分足つっこんだ集団」のアタマみたいな三浦くんです。これはずっと同じ。
三浦くんのやることなすこと、たしかに一本スジが通っているのですが「これチャンピオンの主人公だな(しかも月刊)」と思ってしまう。

しかし羽花の決断は正しい(環境が変わっても違うイジメがあるので)し、こういう跳ね返し方は読んでいてスカッとしますし、イジメはこの漫画の主題ではないだろうからこれでいいと思います。

今回は集団に女の子のあゆみちゃんというキャラがいて、羽花と積極的に絡んでくれるのがいいですね。


この漫画がどれだけ続くかわかりませんが、弱い自分とどうやって向き合うか、自分の理想をどうやって叶えるか、羽花を見守りたいなと素直に思えます。
あとはできるなら、三浦くんが羽花を大事にできるコ(大きな意味で)になってほしいですが‥
これに関しては前2作とも「うーん?」だったので。

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