絢爛たるグランドセーヌ 6 (チャンピオンREDコミックス)/秋田書店
¥607
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「今まで私は
レッスンが余計つらくなるから
無意識に欠点から目をそらしていたのかもしれない」


絢爛たるグランドセーヌ6巻
Cuvie(キュービー)・チャンピオンREDコミックス
(チャンピオンRED掲載)


☆あらすじ☆
バレリーナに憧れる小学生の有谷奏。鋭い観察力を持ち貪欲に自分の力にする才能の持ち主。
奏はいよいよ中学生。

仲はいいけれど踊り方は別。そんな翔子とピチカートを披露した奏。見に来ていたニコルズが奏を気に入り「留学」を薦めてきた。が、奏を教えてきた滝本は彼女の「目的」を見透かし不安にさいなまれる。

一方さくらはYAGP本選に参加していた。スマホでその様子を見ていた奏は、さくらでなく「ディアナ」を踊るアンドレア・メンドーサが気になり‥


華麗なるバレエの世界に飛び込んだ少女が力強く、伸びやかに舞う!!本格的バレエ漫画!!


☆☆☆

バレエは少女の夢で、チュチュは乙女ちっくの象徴で、バレエ漫画は少女雑誌に掲載されるもの‥。
それが「チャンピオンRED」という青年誌に掲載されています。なんというミスマッチか?!

しかしバレエのすみずみ(お金の問題とか、足を慣らす方法とか)まで描写する本格的バレエ漫画なのです。

主人公の奏は平凡な家庭に生まれ、特に身体能力や感覚がいいキャラではありません。ただしのめり込むタイプで素直、上手い人を妬んだりせずそこから技術を貪欲に取り入れます。誰とでも仲良くなれる明るさも才能ですね。

少年漫画のヒーローが女の子になっただけ、と言えなくもありません。だから少女漫画のように湿っぽくならない。


さていよいよ奏が中学に上がり、バレエの道は本格的になってきたようです。

素直で明るくへこたれない奏そのものを元プリンシパルのアビゲイル・ニコルズが気に入ってしまいました。彼女は奏を留学させたがります。

しかし昔ニコルズと一緒だった滝本先生(奏の先生)は、非常に警戒しています。
おそらくニコルズはアクが強いというか、「自分大好き」な面があり、観察力の高い奏を「自分のコピー」にしたいのではないか‥。
奏は力があるけどアタマワルイのでホイホイ騙されそうな面があるんですよね~

滝本先生といろいろ会話を交わしたニコルズは、奏に次のYAGP(ユースアメリカグランプリ)に出て結果を出すようもちかけます。

奮起する奏ですが、一方で栗栖さくらは今回のYAGP本選に出ていました。ところが‥。
さくらはここで「日本とは違うもの」を欲したいと思うようになります。

奏と藤田絵麻はさくらの事が気になり彼女の家・兼バレエスクールへ向かいます。
案の定さくらは荒れていて奏に勝負を挑むのですが、奏が奏なので(笑)。みんな奏のおかげで仲良くなれてホントにいいですよね。奏以外キャラが尖っているのに、みんな丸くされてしまう。

また、冒頭の抜粋は「努力嫌い」な絵麻のモノローグ。
絵麻を見ていると、自分を見ているようで辛いです…しかも絵麻はえらいし。


日本におけるバレエの限界。これが今の奏たち若いダンサーに立ちはだかる大きな壁。
海外に出てスカラシップをとらないと生きていけない。だから今は日本人の若手ダンサーがバコバコ入賞するのです(外国のダンサーはすでに学校関係で奨学金を得ているのでコンクールに出る必要がない)。
日本には「バレエを踊りたい」人がたくさんいるけれど、「バレエを観たい」人がいません。そこの難しさが根本にあり、日本人ダンサーはさっさと日本を出なければならないのです。

奏は公立の中学へ上がったようですが(ここで脚を引っ張る校則などがなくてよかった‥)、いよいよ家庭も限界でしょう。
舞台はあと少しで海外です。そして奏は、ニコルズに潰されない「自分らしさ」をつかんできたような気がします。
ところで「コンテンポラリー」はどうするのかな?そこんとこ非常に興味あります。


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