盤上のポラリス(1) (講談社コミックス月刊マガジン)/講談社
¥463
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「競技人口7億人とも言われる世界最大規模の盤上競技!
軍隊を模した16の駒に
魂を預け
誇りを懸けて
盤上を駆ける
そこは まさに—
チェス盤の上にだけ見える
冒険の世界!」


盤上のポラリス1巻
原作:木口糧 漫画:若松卓宏・KC月マガ
(月刊少年マガジン掲載)


☆あらすじ☆
長崎県の離島に住む椿一兵、小学5年生。冒険することを夢見ていたが、それは叶わないと気づくお年頃。
そんな時、氷見崎ひめが転入してくる。彼女とチェスをするうちに、一兵は気づいた。
チェスの世界はまさに冒険。ひめがまた転校していった後も一兵はたった一人でチェスにのめり込んで行く。
長崎市にチェス教室があると知った一兵。そこでもまた運命の出会いが‥?!

盤上のきらめくちいさな星が3つ。ひたむきに夢を追うチェス漫画!!


☆☆☆

新聞の書評欄に上がる漫画はたいがい「ゲージツのかほり高い漫画(カバーかけなくてもいける漫画)」なのですが、突然月マガの漫画を取り上げていて気になりました。


囲碁や将棋の漫画は読んできましたけど、そーいやチェスは知らないなあと思っていたところです。ん?どこかの雑誌でやっていた?うーん思い出せないな。

「月マガ」のレーベルで変な漫画はないだろうと思いまして購入に至り、その安定感にうなります。

主人公は島で暮らすいかにもな田舎少年です。ケンカは強いけど深く考えないタイプ。でも、「勇者になる夢」をからかわれ落ち込む面もあります。
そこに病弱なひめがやってきます。彼女は外で遊ぶことができないため、休み時間に一人でチェスを指していました。海外暮らしもあったようです。
この「ボーイミーツガール」から一兵は「チェスなら冒険ができる」と感じてのめり込みます。チェスの駒は兵隊ばかりですからね。

ばあちゃんが作った大好物のコロッケも、みんなとやったサッカーも、どうでもよくなってしまう。
そして長崎市のチェス教室へフェリーで行くまでに。
そこに彼の「ライバル」が待ち構えています。


「ライバル」と言えば搭矢アキラ!!実は囲碁や将棋漫画の「定石」を淡々とこなしているんです。またヒカ碁は囲碁がわからなくても石を打つ「勢い」で読ませる部分があり、この漫画もその要素が強いです。

さらに言いますと月マガが安心して読めるのは「テンプレート」ができているからだと思います。ましろのおと、ボールルームへようこそなどマイナージャンルへ挑む漫画の流れをそのまま踏襲している。主人公が天才だろうが素人だろうが、寝る間も惜しんで練習しちゃう。その努力が実っていく感じ。
この「激しい努力」は例えばジャンプみたいに「後付け・血統の才能が開花する」とかサンデーみたいに「小手先と蘊蓄でひっくり返す」のと違い、説得力があります。またどろどろに疲れはてた主人公はいつもと違って迫力があり、こちらを引き付けるのです。

このやり方もいずれやりすぎたら飽きられるのかな‥と思いますが、私は完璧にやられてます。
また、絵柄がコロコロしていてかわいいです。ヒロインのひめが強烈。
線もきれいで非常に読みやすい。チェスのシーンもスムーズです。


私たちは意外と日々をだらだら過ごしています。
ところが突然、「スイッチ」の入る瞬間が訪れたりします。
スイッチが入るとそれまでの時間を取り戻すかのように自分が変わっていく。
私たちは意外と、「ブランク」とか「遅すぎる」ことを気にしなくてよいのです。

月マガはそんなことを教えてくれます。

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