- なないろ革命 2 (りぼんマスコットコミックス)/集英社
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「みんな そうしてるよ?」
なないろ革命2巻
柚原瑞香・りぼんマスコットコミックス
(りぼん掲載)
★あらすじ★
栗山奈菜中学一年生。小嶋ゆゆとは小学校からの大親友‥だが、ゆゆは奈菜に髪型や持ち物の「お揃い」を押し付ける。
流される自分に嫌気がさし「もう同じはイヤなの」とゆゆに言い放ってから、奈菜はゆゆのあらゆる行動に翻弄される。
ゆゆのグループに入ったり出たり、そして周りを囲むクラスメイトの反応もだんだんとゆゆに乗せられていく。味方は誰もいない。男子の詩丘は傍観しているのみ。
負けない、と誓った奈菜だが、一泊二日のオリエンテーションでも山中で置いてきぼりにされて…?
☆☆☆
1巻 の感想はこちら。
簡単に言うと弱気な主人公がフレネミー(友達のフリをした敵)と戦う漫画です。
つっこみどころが多すぎて、不愉快でたまらなくてすぐに売った漫画ですが
いじめの漫画はりぼんに限らず、幼年漫画から青年漫画まであらゆる場所で発生します。最近では「聲の形」が話題になりましたよね。
そして小学生の間で有名なのがちゃおの「いじめ」シリーズです。
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五十嵐かおる・ちゃおコミックス
(ちゃお・ちゃおDX掲載)
顔に対する目の大きさが大人には話題ですけれど、32pほどのオムニバスでいじめを扱っているシリーズです。
もう十冊ぐらいコミックスは出ているし、今もシリーズは続いています。たまに読むんですが、よくもまあ毎回いじめの手口がバラエティ豊かに出てくるなあと思うわけですよ。
汚い水をかけるとか髪の毛を切るなんてことはお約束、誕生日にわざわざケーキを持ってきて顔に突っ込ませる(これ、誕生日が来るたびにフラッシュバックしますよね)、シャープペンに針を入れて、ノックしていじめられっこに発射して怪我をさせる。
そして一番問題なのはこういう漫画を読んでいても手口ばかり勉強になって、「解決の方法」が全く分からないということなんですよ。
実はですね…このシリーズを描いている五十嵐先生の漫画にこういうのがあって。
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いじめシリーズのさなかに本誌で連載されていた作品です。いじめられた主人公がフリースクールに行く話だったりします。ここにはそれなりの答えがあるんですが…結局五十嵐先生は「いじめ」シリーズを続けているわけです。
それはなぜか?需要があるからです。
実写になりバカ売れしたいじめ漫画「ライフ」(すえのぶけいこ)はある意味「ホラー」と言われていました。
毎回毎回主人公が生きるか(生命・社会を問わず)死ぬかのヒキがあり、私も毎月別フレの発売日が気になってしまった。
派手ないじめ演出と、それに立ち向かって成功した時のカタルシス(確率は少ない)がすごいからです。
ゾンビに襲われて、ギリギリ状況の中マシンガンで頭を打ちぬくのと同じようなものです。だからホラーなんです。
- ちゃお DX (デラックス) ホラー&ミステリー 2014年 10月号 [雑誌]/小学館
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ちゃおではホラーだけで枕のような厚さの増刊が出ます。小学生はそのぐらいホラーが好きなんです。
そのノリでいじめ漫画を読んでいるような気がします。
この辺を好んでいる層は「漫画だから・絵空事だから」と思っているタイプでしょうか。
おそらく日常にいじめがない、自分が当事者でないから読めるんだと思います。
しかし当事者にしてみると…学校にも行きたくなくなって外のつながりがなくなり、漫画に手を伸ばしてさらに打ちのめされる…という感じ。
テレビをつけたらいじられ芸人が叩かれていてゲンナリする、そんな体験をしたことある人もいるんじゃないでしょうか(これはいじめられていなくてもちょっと「ハブられたかな?」と感じた日にあることだと思います)。
一応ね、ちゃおの「いじめ」シリーズのページの後ろには「どうやって対処するか」のページがあるんですよ。でも文字だらけだしあまり目に止まる感じではない。
そしてそこにある項目は
●親に話す
●学校に相談する
●それでもだめなら弁護士へ
それだけなんですよね。
まあそれだけでも…それだけを中心にした「漫画」は出てこないのだろうか?と思ったりはするのです。
いじめ漫画が大作になっていくと、今度は主人公が派手な逆襲をすることになりさらなる「絵空事」になってしまうので。
家庭裁判所でどうやって審議が進められていくのかとか青年漫画でいいからやってくんないかなあ。
裁判沙汰になっても、現実では「これで吹っ切れた!もう大丈夫」という状態にはならないですが。
まあそんなわけでいじめ漫画はこのジレンマをずーっと続けているわけなんですけれど、とくに「なないろ革命」は酷い。
いじめシリーズはどんなにひどくても32Pで終わってしまいますからね。
まず、フレネミーのゆゆが「病院行った方がいい」案件であること。
2巻でなんとなく、ゆゆの家庭状態がヤバそうかなというほのめかしがあるんですけど、それにしても奈菜をどんな形であれ自分に引きつけておきたいという感情は病的です。
だから主人公の奈菜がとるべき行動は本来「戦う」ことではなくここから「逃げる」ことだと思うんです。
てっとり早く親に相談して転校手続きを取ればいいだけの話。
まあそうすると、りぼん読者は「友達から逃げても、転校先でまた繰り返すよ!」「ゆゆをほっといたらダメだよ!」「奈菜はクラスで最悪の印象をもたれたまま逃げるの?」と感じるでしょうけどね。
こんな事態を「感動のラストでみんな幸せ」なクリアできるのが絵空事であって、現実にゆゆといたら死にますよ。
おそらくこの先、奈菜は自殺を考えるくらいのところまで一旦堕ちると思います。漫画として最強のクライマックスですから。
それからクラスメイトはどいつもこいつも日和見で信用できない。彼らと今更仲良くなってどうするというのか。
そしていつもいつも、奈菜は誤解された時に大声で「ちがうよ!」と叫ぶだけ。
これが梓などに「ウザイ」と思われる理由。この梓、ゆゆのグループにいて奈菜にちょいちょい口を出しちくちくやるんですけど…おそらく奈菜の「立ち回りの下手さ」がものすごい嫌いなんだろうなと思うんです。
奈菜は結局「瞬時にゆゆたちと仲良くなる方法」ばっかり考えてる。
まあ、「なないろ革命」はいじめというよりいじめを通して自分が何者であるのか知ってどんな自分になりたいか形成していくのが本筋なんだと思うんですけれど…「立ち向かうことでしか自分を形成できない」みたいな方向に持って行くのはおかしいのではないかと思うんですよね。
日本人って、こうやって追いつめられて電車に飛び込むんだろうなって。
2巻のラストのラストでちょっと好転しそうなきっかけがあるんですけど、これもまたゆゆたちにかき回されそうだし。
あのヒキがあざとくてもう何と言っていいのやら…こんな漫画がりぼんの看板になりかけてるなんておかしいよ、私はここで断言します。
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この漫画は不登校を扱った作品ですが、「いじめ」がきっかけではありません。
しかし実話を元にした作品で学校や教師や友達への「あきらめ」が淡々と描いてあります。親に対してもありますね。
そして作者は現在漫画家として本を出せているわけです。作者は逃げて逃げて、すごいお宝を手にします。
子供時代はキラキラして大切で一生の思い出…そんなものはただの固定概念です。
それが具合悪くなってどうにかしようともがいて、さらに悪化する。
一番まずいのはその「仲良くしなければいけない・いい子でいなければならない」という観念です。
この漫画はその観念と戦う漫画だと思います。
子供時代なんて人生80年のうちの何分の一か。それが失敗したからなんなんだ。
幼年漫画でそれを伝えられる漫画が出てきてほしいものです。今本当に苦しんでいて、漫画しか救いがない子供たちのために。
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