- 女のコのはじめかた (ちゃおコミックス)/小学館
- ¥463
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「南 亜子
14歳の誕生日に魔女っ子になってしまいました」
女のコのはじめかた
森田ゆき・ちゃおコミックス
(ちゃお掲載)
☆あらすじ☆
南亜子、友達のまりあから「女子の自覚がない」と言われる中学生。
幼なじみの孝仁とも長い付き合いすぎてぜんぜんそういう感じにならない。
たぶん、女として見られてない…
ところが母親から突然、「南家の女は14歳になると男性の心が読めるようになる」と告げられた。
それからというもの、孝仁から「いいにおいする」「無理してたかなダッセー」等の声が…
自分が女子として見られていたのかと亜子はびっくり!
しかも、孝仁は…?!
小中学校の女子の気持ちを書かせたらピカイチ!実力派漫画家森田ゆき先生の久しぶりの連載作!
友達のよくあるすれちがいを描いた「かわいいあのこ」も収録。
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毎回実にレベルが高いです。絵はそんなに丁寧じゃないし書き込みも少ない。
しかし、先生の中の「ブレない心」が子供たちの心理を冷静に眺めて表現を膨らませているのです。
幼くても背伸びはしたいし、異性や友達がどんなことを思っているか知りたい・・
そんなちゃお読者に「現実は漫画みたいにドラマチックじゃないんだよ」と明確に教えてくれる。素晴らしい人だと思います。
とか言って、今回は「ちょっとしたファンタジー」から始まってるんですよね。
主人公の亜子は突然男の子のココロが読めるようになってしまいます(触れるという条件付き)。なにか御先祖が能力者で山の神を怒らせた呪いらしい・・と母親すらあやふやな話なのですが、実際読めてしまうのですからしょうがない。
ただ、亜子は男子のココロが読めることによって、男子の目線を知るのですね。
えろい感じに見られて腹を立てたり困ったりするだけではなく、自分も含めた「女の子」がどういう風に見られているかに気付きます。
するとクラスメイトの女子たちがキラキラ見えてくる。そして自分も同じなのです。
森田先生らしいなあと思ったんですね。
これは男子女子に限った事じゃなくて、主人公の亜子が「他者目線」を手に入れたという事。
性別を意識せずに男子のいる場所で着替えをする(下に着てるやり方ですが)ような子だったのですから。自分が良ければそれでよかったんです。
「見られている」と気づくことによって亜子も日焼け止めを使ってみたりする。他の女の子がどういう事をしているのかに興味を抱いたわけですね。
そうして、幼馴染すぎて男子だと思ってなかった孝仁から、思わぬ行動に出られてしまいあたふたする亜子。どうなるか?続きは自分の目でお確かめを。
さて、番外編や友達のまりあの話も収録されていますが、今回「こんな作品あったのか…」と驚いたのが「かわいいあのこ」です。2011年の作品。男の子は一切出てきません、そう、友情の話。
森田先生はこちらのジャンルもほんとうにすごいんです。
主人公は転校してきた美少女と仲良くなるのですが、読モオーディションに自分だけ受かってしまい、そこから溝ができます。
でも、こうなると「その子が周りと結託してバケツの水を浴びせる」とか「教科書を破く」とか想像するでしょう?森田先生の漫画にそういうシーンはほとんど出てきません(出てくるのはたいてい恋愛ものの方です)。
ただ、主人公は彼女が「他の友達」と親密になり家に上げるようになっているのに気付き、心がチクチクしていきます。主人公も他の子と帰るようになりますが、お互い「バイバイ」のあいさつはしています。
いじめでもハブりでもなく、ただ心が離れていくという関係を淡々と描いています。
そう、現実の友達関係なんてこんなものなんです。
そして主人公はある「気づき」をするのですけれど・・・
「友情のもつれなんて大したことない」それが森田先生のスタンスです。
それをいつも描き、読者にエールを送っているんじゃないのかなと私は思っています。
ちょっと最近イジメものの漫画、多いですからね。
とてもよい一冊です。あまり単行本に触れてこなかったちゃお読者さんも、これ一冊で森田先生の魅力を知ることができるんじゃないかと思います。
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