- 中卒労働者から始める高校生活 (3) (ニチブンコミックス)/日本文芸社
- ¥617
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「逢澤さんはふつうの子だよ!
アンタが勝手に特別にしてんの!!」
中卒労働者(ワーカー)から始める高校生活3巻
佐々木ミノル・ニチブンコミックス
(コミックヘヴン掲載)
★あらすじ★
片桐真実(まこと)、18歳、中卒。父が刑務所に入り、母は事故死。妹の学費を稼ぐために学校を諦め工場で働いている。
しかし現場で「中卒」をバカにされた真実は妹と一緒に「通信制」の高校へ入ることに。
76歳の老人、シングルマザー、玉石混淆の同級生の中、真実はお嬢様の莉央と出会う。莉央は誰にも言えない秘密を抱えていた。
とある「壮絶な事件」を乗り越えた二人は付き合うことに。しかし二人にたちはだかる、「自分」との闘いが幕を開けたばかりだった。
通信制を卒業した作者が紡ぎ出す、心にぐいぐい絡み付く青春ストーリー。
☆☆☆
最近「ファンタジーより無理ゲーなリアル」を舞台にした漫画が出てきています。
マガジンの「聲の形」は主人公がいじめをしたことでクラスから迫害され(ハメられ)、高校生になってそのツケを払う漫画。
「●つの大罪」より大変じゃないかと思ってます。
この「中卒労働者~」もまさにそれだよなと。
主人公は中卒。母を亡くし父は服役中、親戚に住み処は与えられるも同居は拒まれ、負けるものかと工場で働いてきた。しかし大卒の人間に「中卒で働いてるなんて泣けるね」等言われると拳が出てしまう。
中卒の自分を笑ってるんだ、底辺だからバカにしてるんだ、そんな卑屈な感情が渦巻いています。
妹の真彩を養うため、そのためだけに働いてきたと言ってもいい。
‥が、その真彩が「名前を書けば受かる」高校に落ちてしまいます。通信制を教師に勧められた真彩は、一緒に行こうと言い出します。
そこで真実は見るからに育ちのよさそうな美少女・莉央と出会うのです。「こんなお嬢様はオレのこと見下してるんだろう」と感じる真実ですが、莉央はいとこからおぞましいことを強要され続け、家族に反抗して通信制へやってきたのです。
「ふつうじゃない」二人は、互いの気持ちをさらけ出し、付き合うことに。
少女漫画なら付き合えばだいたいハッピーエンドなのですが、この漫画は違う。私は真実が告白したときにものすごい不安を感じました。
真実も莉央も、心に深い闇があります。莉央は目の前からその元凶が消えたとはいえ、フラッシュバックは避けられない。
そして真実は重い「宿命」を負っています。「卑屈な自分」に対しても対処できないまま。おつき(?)の新に劣等感を持ち勝手にやさぐれたり。
一方で莉央も真実が若葉とキスした事を知って、付き合った翌日に「もう別れる!!」とキレてしまう。
二人とも自分を諦めているから、他人を簡単に諦めようとしちゃうんですよね。この「モロさ」は見ているだけでハラハラします。
さらに莉央はお嬢様育ちでいとこ以外は無菌室状態だったため、結構無垢なこともわかってきます。この「ホワイトさ」で後半、真実をグサリと刺します。
莉央は悪くないんですが、辛すぎる‥
恋愛に障害はつきもので、漫画創世記は大概「実は兄弟」「身分違い」などが扱われてきました。
しかし時代が変わりそんな設定を出したら「ありえない」。とくに日本の「身分格差」はかなり消失しました。
ですが‥この漫画にはあるんですよね。物理的な格差と、心理的な壁が。
二人は一体どうなってしまうんだろう。
一方妹の真彩ちゃん周辺もいろいろ動き始めましたね。チャラ男の五十嵐といざこざが始まり、さらに新と絡んできたり。
五十嵐のキャラもなるほどもっともだと思いましたし、新についてはもしかするととんでもないヒミツがあるかもしれません。
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