絢爛たるグランドセーヌ 2 (チャンピオンREDコミックス)/秋田書店
¥607
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「発表会はとても楽しかった
夢の世界に入り込んだ気分
—けど
これは別世界だと思っていた」


絢爛たるグランドセーヌ2巻
Cuvie(キュービー)・チャンピオンREDコミックス
(チャンピオンRED掲載)


☆あらすじ☆
バレリーナに憧れる小学生の有谷奏。鋭い観察力を持ち貪欲に自分の力にする才能の持ち主。
発表会のソリストで一人だけトウシューズを履くことを許されなかったが、男性バレエダンサーの動きを取り入れて見事に踊りきった。

しかしその舞台を「上から」見ている少女がいた。奏は彼女に衝撃を受け、そして‥?

華麗なるバレエの世界に飛び込んだ少女が力強く、伸びやかに舞う!!本格的バレエ漫画始動!!


☆☆☆

バレエは少女の夢で、チュチュは乙女ちっくの象徴で、バレエ漫画は少女雑誌に掲載されるもの‥。
それが「チャンピオンRED」という青年誌に掲載されています。なんというミスマッチか?!
しかしバレエのすみずみ(お金の問題とか、足を慣らす方法とか)まで描写する本格的バレエ漫画なのです。


主人公の奏は平凡な家庭に生まれ、特に身体能力や感覚がいいキャラではありません。ただしのめり込むタイプで素直、上手い人を妬んだりせずそこから技術を貪欲に取り入れます。

少年漫画のヒーローが女の子になっただけ、と言えなくもありません。しかし少女漫画のように湿っぽくならない。

2巻から天才少女の呼び声高い来栖さくらが登場します。バレエ教室の娘で、ジュニアコンテスト常連。
本人もそれをわかっているので、奏たちの舞台を上から目線でけなします。
翔子たちはもちろん怒りますが、奏はさくらの「バレエ」に対し引き込まれてしまいます。

またさくらの友人(?)であるレナの問題で奏はうっかり勝負を申し込んでしまいますが、さくらは性格が悪いながらも外国のバレエに挑む厳しさについて語り、日本の現状について指摘します。


最近若いバレエダンサーが海外で色々な賞を取りますが、なんかピンとこない。
日本人は賞をとった時だけ持て囃しますが、そのあとは知らんぷりです。新聞の社説などでバレエダンサーの行く末について見守るべきではないか、と指摘されています。
しかし日本人のバレエ人口は回りの国から驚かれる程多いんだそうです。
たしかにバレエ教室はうちの田舎にもあるよなあ‥?と思ったり。

でも感覚的には「お稽古」ですよね。外国はそうはいかない。テレプシコーラの主人公六花は生まれつき股関節がうまく開かないのでバレエ教室を経営する母親から腫れ物扱いでした。
おそらく日本でなかったら、彼女はバレエをやめるよう言われたはずです。
外国では生まれつき才能と身体に恵まれていないと、早く違う進路へ動くよう促されるんですね。
日本はそれがなあなあだから、誰でもバレエができます。
でも悪いことじゃない。


バレエの深さと辛さとすごさに気づいた奏は、自分が何をしたいのか考え始めます。
そして進路を選んだら、物事の取捨選択をはっきりしなければなりません。今はまだ小学生ですから他人の力を借りなければいけないけれど、奏は人懐っこいのでうまくクリアできていますね。

人と違う道を行く辛さは、これからも奏に振りかかってくるでしょう。
奏は主人公だしシンが強いので平気かなと思うのですが、将来的にさくらや翔子は悲劇に巻き込まれるんじゃないかと今から心配です。


ところで日本のバレエ人口が多いのは漫画の影響が強いと言われています。たしかにバレエ漫画を読むとその華麗な世界に浸りたくなります。トウシューズは憧れますし、踊りたくなる。

でも私達はバレエを「観る」ことに関しては強くない気がします。バレエは台詞がないですからね。日本人のダンサーが脚光を浴びてもピンとこないのはこの辺の問題かもしれない。
もしかして同人誌の世界みたいなものなのかな、と考えたりします。踊りたいけど観てくれない。興味ない人はとことん近づけない。
学校の部活単位で大会でもあれば(あるのかな)興味は違ってくるでしょうが、学校でくくらないジャンルだからこそ今のダンサーが育ったかもしれないし、バレエというのは不思議だなと思います。

バレエを「やる漫画」じゃなくて「観る漫画」ですごいのが出てきたら一気に状況は変わりそうですが、それってエッセイですよね。


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