菜の花の彼─ナノカノカレ─ 2 (マーガレットコミックス)/集英社
¥432
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「あたし わからないの嫌いだよね
言ってくんないとわからないし
わからないままだとイライラする
でも言いたくないならいいわ
友達だから今すぐ何でも教えろなんて
あたしの勝手な押しつけじゃない?」


菜の花の彼2巻
桃森ミヨシ×鉄骨サロ・マーガレットコミックス
(マーガレット掲載)


★あらすじ★
綾瀬菜乃花、高校一年生。中学時代の恋愛がトラウマだったが、ある日背中越しの言葉に突き動かされ思わず中学生の桐山隼太に告白してしまう。
彼も失恋したばかりで一旦断るが二人は少しずつ距離を縮めていく。
ところが「トラウマ」の張本人・鷹人と再会。その上—?!

「ハツカレ」「悪魔とラブソング」で大人気を博した桃森ミヨシ、原作者との最強タッグで連載開始!


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今、無印マーガレットは「マジ今何の連載やってんの」ってぐらいコンテンツが残念な状態。
(日々蝶々は面白い。種村さんの漫画もいいけど‥毎週気になる!みたいな漫画はない)
そこに桃森さんが戻ってきて王道中の王道を貫いています。原作者のチカラもかなりあると思います。原作者ナニモンだろう‥?

主人公のもどかしい恋愛、つらい過去、暴走する恋の仕組み、性格の違う友達とのやりとり。
当たり前なんだけど、誰も説明してこなかった。
それが1巻で分かりやすく収録されており「つかみがバッチリすぎる」と驚愕。
菜乃花が受け身タイプでじっくり頭の中で考えるタイプだからでしょうか。感想文得意そう‥

「昔の漫画はよかった」と同世代の人は言います。しかし、今の漫画は大半が「同世代」の漫画家によって作られています。
私は子供の時よりも今の漫画が面白い。昔書かれなかったことがスラッと出てくる事が多いんです。
過激な描写などは昔には勝てないでしょうけど、少女漫画はどんどん心理的掘り下げが進んでいます。


さて2巻。菜乃花は元彼鷹人との辛い再会によって気づきます。

恋の終わり方がよくわからない。

菜乃花と鷹人は付き合ったものの、すれ違い掛け違いが続いて関係が「自然消滅」しています。
自然消滅‥よくある話。
二人は高校が分かれそのまま終わったものだと菜乃花は思ってた。

しかしはっきり「別れよう」とか「終わらせよう」とは言ってない。菜の花が鷹人の話を背中ごしに聞いてしまい、終わったと思い込んだだけ。


菜乃花は関係を終わらせるため再び鷹人に会いに行きます。

で、この元彼・鷹人。
私は怖くて怖くてたまりません。

わかるんです、こういう「恋」に疎い‥「好きな女の子をいじってみる」小学生が高校生の筋肉だけつけてるってのは‥鷹人が悪いヤツじゃないのは友人との会話でよーくわかるんですが、例えば勉強がうまくいかない、どうにかしたい「モヤモヤ」と「菜乃花」が同列なんですよ。

しかし菜乃花は隼太くんに対し、中学生の鷹人と同じようなことをしていた。
男子がやるのと女子がやるのではえらい差があるし、二人の「時間」は食い違っていた。ただそれだけ。

さらに菜乃花は「あの思い出があったから今がある」と言ってしまいます。
人は辛いことがあったら「だから今が幸せなんだよ、その時気づく事があったんだよ」と慰め、わりと納得します。教訓というか哲学というか。
だけど鷹人には大ダメージ。こういうのは相手に言うもんじゃないですね(鷹人が菜乃花に焚き付けた結果だけど)。

さらに菜乃花がゴニョゴニョ‥なために鷹人の気持ちはめちゃめちゃになってしまったようです。
かわいそうではあるんですがお前が悪い!って感じ‥
菜乃花を頭から押さえつけるような発言とか、あと少しでDV男です。

でもこの「鷹人」という人間をイケメンなのに包み隠さず表現しているのがいいんです。
少女漫画のジャンルに「ドS男」モノがありますけど、あれはツンデレが混じったり「過去にいろいろ(親の離婚、束縛、虐待など)あって歪んだので許してあげてください」的な感じで表現が婉曲します。
しかし鷹人はちょっとしたデレはあるけど不器用さ、ガキっぽさは生まれつきで家庭内トラブルが関連してるとは思えません(サバサバしたねーちゃんがいるか、男兄弟だらけと思われる)。「そこらをうろうろしてる男子高校生」そのものです。

彼の失敗と、苦悩と暴走と、それからの展開を追いかけたい。実にいいキャラクターだと思います。

おかげさまですっかり出番を奪われた隼太くんですが彼の癒しオーラは半端ないですね。

また、冒頭の台詞は優子のものです。彼女は今まで強めきつめの性格で進んできた。1巻のゴタゴタから菜乃花との関係をぐるりと変えてきている。彼女のキャラクターも丸ごと好きで、鷹人と共に追いかけていきたいですね。


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