シュガー・ソルジャー 7 (りぼんマスコットコミックス)/集英社
¥432
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「莉華とならお似合いだわ~って思うけど
麻琴は…ねぇ?
見た目も普通だし
わざわざクリスマスに熱出したりして
昔っからどんくさいのよあの子は」


シュガーソルジャー7巻
酒井まゆ・りぼんマスコットコミックス
(りぼん掲載)


★あらすじ★
如月麻琴、高校一年生。姉の莉華が読者モデルなため、コンプレックスを持つ女の子。
いつも涙目でネガティブなめんどくさい系女子だったが姉の存在関係なく接してくれる入谷を好きになった。
ついに両想い、付き合うことになった2人。
クリスマスに向けてアルバイトを張り切る麻琴だったが、いろいろな「邪魔」が入り自分に自信がなくなってきて…しかも当日はインフルエンザ?!


涙目主人公、がんばる!正統派ラブコメ!


☆☆☆

ファンタジー漫画「MOMO」の後酒井先生が発表したのはネガティブ主人公が王子様に恋するごくごくオーソドックスな恋愛漫画。
しかし主人公の麻琴が4巻からふっ切れ始め、ヒロインとして輝いてきました。その変わり様、りぼんでは貴重です。



゜・:,。゜・:,。★゜・:,。゜・:,。☆
ここからは単行本を読んだ人だけどうぞ。
漫画をお小遣いで買うことが作者の力になります。
゜・:,。゜・:,。★゜・:,。゜・:,。☆



「親」というものはあからさまな虐待をしなくても、じわじわ子供を追いつめている時があります。
前の巻から現れた莉華&麻琴姉妹の母親、相当なものです。

昔からかわいいかわいいと周りに褒められ「自慢の娘」である莉華に対し、妹なのに地味でどんくさい、ここぞという時に失敗する麻琴。親であろうと「一人の人間」でして、産んだ子供であろうと好き嫌い、とは言わないにしても序列はあり、低い方にはイラついて何かとつらい言葉をかけてしまう。
冒頭のセリフがそれです。これは麻琴がいないときに入谷君に言ってるんですけどとんでもないですよね。謙虚のつもりもあるかもしれないですが、これは入谷君に対しても失礼な発言です。
入谷も麻琴がなぜいつもビクビクオドオドしているか納得することになります。

兄弟姉妹間の「比較」ってやつはどうしても存在します。私も妹と弟がいまして特に妹からは結構比べられていたと言われたことがあります。私も逆に妹が何かと愛されていてずるいと思っていたりします。
私の親もいろいろ問題あるなあ~と思ってますが、この母親間違いなく「毒親」です。

入谷はそんな母親をバッサリ切り捨てます。こういう風に言えるのは入谷の親がアレで、親と言えどもただの人間だという客観視や諦念があるからなんだろうなと思うんですけれど。


一方この巻は莉華の話が入ってきます。
超人気モデルの莉華、現在の彼氏は…なんと微妙に冴えないカメラマン助手の仙田さん。
自分に自信がなくぼんやりしたところがなんとなく麻琴に似ている(笑)。
あまりに自信がないため莉華に別れようと言いだしていたところなんですが…

前にも莉華の「番外編」がありまして、周りからやっかまれたり遠ざけられたりと彼女なりの悩みが展開されていました。莉華は莉華で、悩みがあるんですよね。麻琴のことをうらやましいと思う面もあるし。
今回さすがに莉華がへこんでしまい、麻琴にアドバイスを求めてきたりする。
麻琴も、姉のために輝きます。


この姉妹は二人でうらやましいと思いつつも、お互いのことが大好きななかよしさんなんですよね。
しかし、この二人と「母親」の関係は結構おかしいです。
麻琴は分かってていても気づかないフリをしていたでしょう、でも莉華は早いうちからわかっていて、かなりドライに接していますね。うまく「あしらっている」というか。あきらめているというか。

親に期待をしても、報われないことは多いです。それでもすがりついてしまう人はいて、そのまま大人になってしまう人もいます。ある程度のところで客観できるようになり子供は「親離れ」をするわけなんですけれど、それでもそこには「親への愛」が何かしら存在するんです。

私は、まだこの漫画にはそれがないと思っています。「まだ」なんですけれど。
例えばこの姉妹に近いのが「ちはやふる」の綾瀬千歳&千早姉妹。こっちは両方とも美人ですけどね、千早は芸能人の姉にかかりきりな両親を少々さびしく思っていました。
しかし千早は親がスクラップブックを作っていたことを知ります。母親は試合用の袴を買うためにパートを増やしてくれました。この親たちは当たり前のように「娘が両方いとおしい」のです。

前から言ってますが、りぼんは読者の年齢が年齢なので「大人は何を言ってもわかってくれない!」的な漫画が本当に多いです。
もちろんそういう親もいるでしょうが、イチかゼロかの話ではないのです。間違った愛情をもってたり、愛しているけど表現してくれないだけだったり。
もうすこしりぼん全体が家族に関して多彩な表現をしてくれないものかと思うばかりです。
一方で入谷みたいに、「親」以外の「すばらしい大人」がいることをこの漫画は描いているのですけれど。


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