キス (ちゃおコミックス)/小学館
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「お おそわれるかと 思った」


キス
森田ゆき・ちゃおコミックス
(ちゃお・ちゃおDX掲載)


★あらすじ★
卒業式間近、先輩に告白したいなーと妄想するばかりの莉世。
するとクラスメイトの安藤が、「じゃあオレで告白の練習すれば?」と言ってきた。
軽い気持ちで安藤に向かって「好きでした」というと、いきなりキス、された。
その日から莉世は安藤のことが気になって…

短編でも単行本が出る「読み切りの名手」森田ゆき先生の最新刊。
デビュー当時の作品も同時収録!


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ちゃおのコミックスはふつう「連載ありき」。連載を持たないとコミックスを出してはくれません。
最近はいろいろと例外があるようですが、あの篠塚ひろむ先生など連載したのにコミックスが出なかったというおそろしい経歴があります(ミルモのアニメ化の後、なし崩しにコミックスが出ました)。

短編で単行本が出せるのは売り上げが見込めるからでしょう。
もしかすると「短編向き」と編集部に思われているのかもしれないですね。

ひみつ×ひみつ (ちゃおコミックス)/小学館
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これも面白かった!たしかこれが発売されたころ修羅場だったんだと思います(もし感想欲しい方、コメントお願いします)。

毎回実にレベルが高いです。絵はそんなに丁寧じゃないし書き込みも少ない。
しかし、先生の中の「ブレない心」が子供たちの心理を冷静に眺めて表現を膨らませているのです。
現在久々に本誌で連載中。コミックスがまた出るんだなあ、うれしいです。


さて今回の「キス」ですが、キスを巡る短編連作になっております。
恋人同士になったのにキスをしてくれないとか、寝ている間にキスしちゃった!とか、まあ外から見れば「よくある題材」なのですが、森田先生が描くと全然違う世界になるんですよ。

で、私は二番目の「その瞬間に世界は変わる」が好きですね。
あらすじは上に書いてあります。主人公の莉世は「練習」のつもりだったのに、相手がいきなりキスしてきてしまった。
そんなことされたら、好きな先輩がいるのに気になってしょうがないでしょう。これもホントに良くある話で、相手の気持ちに左右されながらだんだん好きになっていくパターンですよね。
しかし、この話はちょっと違う面を持ってまして、その後莉世は安藤と二人っきりになってしまい、冒頭のモノローグが出てくるのです。

ドキドキと怖い気持ちは同居する。いきなりキスする男子だもの、何するかわからない。
この当たり前が描けるかどうか、だと思うんです。
また、莉世はただの同級生でしかなかった安藤を「意識」する。好きな相手、という簡単なものではなくて、自分との距離感や、客観的なものも含めて。クラスでどんな立場であるかとか。

「わからない」ものを理解するのは本当に難しい。結局最後直前まで莉世にとって安藤はわからないもののまんまだったりします。それもまたよし。

ただし森田先生の場合恋愛ものの読み切りだとだいたい男の子が主人公のことベタぼれなんですよね。
そこを前提に話が始まってるんです。
これは多分31Pのなかに「主人公だけでなく男子の心の動きまで描いたら足りない」という事なんじゃないかなと思うんです。連載になると名作「沢渡さんを攻略する方法」のような感じになってくるんですが。

さて、今回は珍しく森田先生の初期作品が掲載されております。
「好きスギ!」は覚えているんですが、「きみとの明日のために」はもしかすると読んでないかもしれない…
「好きスギ」はデビュー2作目。もうここから「森田節」が炸裂しているのが分かると思います。
デビュー作は後輩にいきなり告白される話なんですけどまだ未収録ですね。

あと、絵がほとんど変わってないのがすごいんですよね。ちゃおでは珍しいタイプっていうのか、デビュー時から漫画の書式が作者の中で完成されていたというほかないです。


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