- 人間回収車 2 (ちゃおホラーコミックス)/小学館
- ¥463
- Amazon.co.jp
「心から誰も必要としていないあなたが
誰かに必要とされるわけないでしょう」
人間回収車2巻
泉道亜紀・ちゃおホラーコミックス
(ちゃおDXホラー掲載)
★あらすじ★
人間回収車という都市伝説があった。黒ずくめの軽トラックがどんな人間でも回収してくれるらしい。
しかし一人でも「必要」と思う人がいれば助かるという‥
救われる者、誰にも必要とされず地獄へ連れていかれる者‥あなたは、どちらですか?
ちゃお期待の新人・泉道亜紀が描くぎりぎりホラー。
☆☆☆
ホラーは基本苦手です。
ただ、ホラーは確実に読者が取れるジャンルです。話のメリハリ、予定調和にならないスリル、普通の物語ではありえない残酷な人間、奇妙な人間‥
それらがすべて許されるから面白いのかもしれません。
ちゃおではホラーだけで年に数回増刊が出ます。
最近「雑誌に読み切りは必要か」という議論がネットに上がりましたが、ホラーこそ読み切りに最適なジャンルだと言えます。もちろん長編もありますが、その場合「殺される人間」の数を多く設定しなければなりません。また、主人公が死んだらいくらホラーでも物語は終わります(主人公交代もありますが)。
短編の方が世界観を小さくまとめることができ、主人公が死んでも問題ないわけです。
そんなわけで「人間回収車」2巻です。人気ありますね。
「2巻の発売はいつ?」等のワードで検索がきます。
新聞や廃品のように人間を回収してくれる黒い軽トラック。
それにまつわる人間関係の闇をえぐり出す作品です。
回収されると地獄行きですが、一人でも必要だと思ってくれる人がいれば、「返品」されます。
たとえ本人が望んでいなくても。
私は1巻の感想で「これを読んだちゃおっ子は回収されても戻れるようにいい子になろうと打算的に考えるんじゃないか?」と書いてしまいました。
すると「そうではなく、友達や家族が回収されても戻ってこれるように誰かを大切にしようと考えるのではないでしょうか」とコメントをいただきました。
全くその通りで、恥ずかしい。
しかも2巻ではそれがまんまと描いてありました。「回収リスト7飯田真里」編です。
上辺ではいい子を演じているんですけど、人のこと信用してないし、忠告されても「ねたんでるんだ」と思うだけなのです。
冒頭のセリフの通り、彼女は助かりません。
私…もし回収されたらどうなるんだろう?
いやいや、さすがに…うん…えーっと…とりあえず「行方不明」になったことがまずわからないよね、一人暮らしだから。
人間回収車はちゃおの漫画ですから学生が回収されます。家に戻らないし学校に来なくなるので家族や誰かしら慌てるはずですが、これが大人の世界だったらと思いますとね。
ただ、この漫画のキャラクターはだいたい親が不仲かどうしようもない状態で、その影響を多分に受けています。主人公たちを最後に救うのは「親」ですから、作者が救われる可能性を消しているんですけどね。
これを読んでいるちゃおっ子はどうなんだろう。
私の時代と違い「離婚」は当たり前になってきましたけど、「私と同じ…」と思ってる子が多いのでしょうか。
それとも、「ぜんぜん別の世界」と思っているのでしょうか。
境遇はどうあれ、それを跳ね返して頑張ってる子はいるでしょうし、ここに出てくるキャラのように「暴行・盗み・たかりは当たり前」な子はいないと思いますが。
この漫画のキャラってかなり外道ですよ。
いわゆる「ヤンキー・不良」に分類されるタイプの子でもここまでやらないでしょう。
ホラーはわりと「自分と全然ちがう人」が大変な目に遭うのですが、そうでないと読んでいるのがきついんですよね。でも、その中から共通項を見つけることはできたりします。
自分の中にある優越感劣等感、虚栄心、迷い、怒り。それを大きく膨らませたのがこの漫画のキャラクターたちです。
彼女たちが地獄に送られることで、読者の「悪い心」も一緒に送られているかもしれません。
にほんブログ村
