- 國崎出雲の事情 19 (少年サンデーコミックス)/小学館
- ¥463
- Amazon.co.jp
「もう何人もの役を演じてきたからわかると思うけど…
歌舞伎の女性ってみんな困難の中にいるんだ。
体をはったり裏切られたり、
好きな人のために死を選んだり、悩んだり。
それでもみんな強く生きてるでしょ?
どれだけ美しくても、中身は誰よりも強く芯がある。
どんな時でもそういう人になれるようにね。」
國崎出雲の事情19巻
ひらかわあや・少年サンデーコミックス
(週刊少年サンデー掲載)
★あらすじ★
國崎出雲16歳、男の中の男を目指す美少年。そこらの女の子より超絶かわいい!!
息子萌えの父が危ないので別居していたが、歌舞伎一家の國崎家へ戻ることになってしまった。
女形の経験を重ねていくうち、出雲は「女性の心」をつかみながらも、まっすぐ男らしく進んできた。
復活狂言の主演を射止め、ついに宿敵井神も認めさせた出雲。
しかし、まだ二つの「大きな問題」が残っていた。
海外旅行をしていた出雲の母親・美月が戻ってきた。「出雲が洗脳されて女形をやっている!」と思い込んだ美月は出雲を海外へ連れて行こうとする!
そして‥‥出雲が選んだ「一番大事な相手」とは…?
女の子にしか見えない出雲と梨園のイケメンが新しすぎる世界をを開くカオス漫画!!
堂々、感動の、大団円!
☆☆☆
最終巻です。この日が来るのを待っていたし、この日が来るのが怖かった。
もっと続いてほしかったけれど、メディア化もしてほしかったけれど、サンデーで長々やってる連載が幸せそうに見えない。
これでよかったんだ、と自分には言い聞かせています。
しかしサンデーの中の「ヘンな動き」に巻き込まれたのではないか、という疑念は晴れません。
他の大きな連載も多数終了していますから。
おかげさまで出雲終了と共にまたサンデーを買わなくなりました。
またよほどの作品が出ない限り、サンデーは買いません。
「湯神君」は面白いけど、月に一回しかやりませんしね。
゜・:,。゜・:,。★゜・:,。゜・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
さて最終巻です。
散々邪魔をしてきた井神は出雲のやり方を認め、歌舞伎バトルは終焉を迎えました。
そして、今まで読者をやきもきさせてきた問題が二つ解決します。
その一つが、お母さんの問題です。
そもそも出雲が「歌舞伎の御曹司」なのに歌舞伎のことがわからんちんで8年ブランクあるのは彼女のせい。
いや、変態父・八雲のせいですかね。あの父親は出雲が可愛すぎてむりやり女形ばっかりやらせてたから…。
もともとこのお話は「母親が海外旅行に出かけるため、しょうがないから変態親父に出雲を預けた」ところから始まっています。ですからいずれ彼女が帰ってくるのもわかっていましたし、それがこの漫画の終わりなんだろうと覚悟していました。
國崎家に戻る前の出雲はその容姿のために男性から追っかけられてばっかりで、歌舞伎、特に女形に関しては憎んでいるぐらいだったんですよね。
しかし演じるうちに仲間が集まり、先輩が出来て師匠が現れ、「國崎出雲の事情」は大きく変わってしまったのです。
今回抜粋した加賀斗のセリフは母親との関係を言及した場面のセリフではないのですが、ものすごく強く、いい言葉です。
たしかに歌舞伎に出てくる女性というのはいろんな人がいる。お姫様も花魁も、幽霊も、精霊も。
みんないろんな理由があって、勝つ者もいれば負けるものもいて。
愛される女性も、裏切られる女性もいる。
それを一人で演じ切るというのは、ものすごく難しい。しかも男性が演じるわけです。
歌舞伎の漫画は増えつつありますよね。とくに「ぴんとこな」はかなり濃い。
「出雲」は話がコメディな分、軽く歌舞伎に触れられる利点がありました。
しかし、ライトな中にがっつりと、出雲の「成長」が描かれていたんだよなあと。
私はコメディを好む立場なんですが、それは物語の本質を「どやっ!」と出さないところかなと思います。
出雲は母親に自分の「事情」を舞台で示します。
これが最後の戦いだったのだと思います。自分の大切なものを守るための戦い。
それにしても出雲って、「容姿」だけでなく「妄想癖」も母親似ですよね!
母親・美月は出雲を認め、國崎家へ戻ることになります。
そして國崎屋を盛り立てて行こうとバリバリ働き始めます。
彼女も彼女で、八雲へのわだかまりもあったろうし、出雲への執着もあったと思います。
自分が愛しているのは何か、愛しているモノには何をすべきか、受け入れられたんでしょう。
出雲が國崎屋に預けられ、ちょうど一年で物語は終わりました。
でもこれからも出雲たちの活躍は続いていくのです。梅樹が言ったように、「おっさんになっても、じーさんになっても」。
どんなじーさんになってるんでしょうねえ・・・
ラストにいろんなキャラクターの「その後」も入っておりまして、それも必見です。
初版はカバー裏もてんこ盛りで大変なことになっております。
ぜひ、お買い求めください。
さて、「もう一つの問題」、これはアレな話になるんで別の記事にします。
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