- 絢爛たるグランドセーヌ 1 (チャンピオンREDコミックス)/秋田書店
- ¥590
- Amazon.co.jp
「舞台の本番なら鏡はお客さんの瞳
想像してごらん
観客全員の目を釘づけにする自分の姿を」
絢爛たるグランドセーヌ1巻
Cuvie(キュービー)・チャンピオンREDコミックス
(チャンピオンRED掲載)
☆あらすじ☆
憧れのお姉さん、梨沙のバレエに感動し、バレエの世界に引き込まれた小学生・有谷奏。
「梨沙ちゃんみたいに踊りたい」小さくともめげようとも、バレエの楽しさをつかんでゆく奏。
しかし梨沙はバレエを辞めると奏に告げる。膝の故障もあるが、一番の原因は奏だった‥?!
華麗なるバレエの世界に飛び込んだ少女が力強く、伸びやかに舞う!!本格的バレエ漫画始動!!
☆☆☆
私は週刊のチャンピオン読者です。毎週欠かさず読んでいると、いやでもチャンピオンの上位誌や月刊誌の広告が目に飛び込んできます。
ある日、不可解な新連載予告が現れました。
チュチュを身につけた女の子と「壮大なバレエ物語!!」というアオリ。
おかしい、これはチャンピオンREDの広告だ。ヤンキーものは掲載されていないけれど、バリバリのバトル物や血のしたたるホラー、そしてラブコメが中心の少年漫画雑誌のはずなのです。
バレエは少女の夢で、チュチュは乙女ちっくの象徴で、バレエ漫画は少女雑誌に掲載されるもの‥。
まさかそのチュチュを引き裂くような漫画なのか?!さすが秋田書店新しいな!!と思ってました。
‥すいません、大間違いでした。ものすごく真剣な大河バレエものです。
元気ではつらつとした女の子・奏。マンションの隣に住む梨沙に触発されバレエを始めます。
始めのうちはうまく踊れず投げ出しそうになりますが、バレエの楽しさを周りから教えてもらい、どんどんのめり込みます。
しかし奏は「教えてもらう」だけではなく、上手い人や尊敬する人を観察し吸収する力を持っている。
別に超人的な力ではありません。
自分より上の人間を嫉んだりすることなく、単に「すごい」と認める。これ、なかなかできるものじゃないと思います。
奏は脳天気な女の子ですが、そのポジティブさがバレエに生きている。
バレエ漫画というと、何を連想しますか?
私は小学生の時大好きだった「まりちゃんシリーズ」を思い出すんですが、有名バレリーナのママが大怪我で再起不能になったり衣装が破かれたりトウシューズに画鋲が入ってたりします。
なんというか、バレエ=悲劇なんですね。さっき気になってテレプシコーラを立ち読みしてきたんですが、これもまたソウゼツ。
バレリーナが怪我で消えていくエピソードは外せない。それはドラマチックだから当たり前ですし、「グランドセーヌ」も梨沙が怪我をしている。
なぜチャンピオンREDでバレエ漫画が始まったのかという答えがそこにある気がします。
もしかすると奏は「悲劇を乗り越えるヒロイン」ではなく「苦難を勝ち進んでいくヒーロー」なのかもしれません。
バレエ初心者の憧れはトウシューズ。しかし慣れない内から掃いてしまうと怪我をするため最初はバレエシューズを履きます。
身体が成長するにつれトウシューズを許されるようになっていくのですが、奏はいつまで経っても許可が下りず、発表会では唯一バレエシューズのままソリストをすることに。
トウシューズを掃くと見栄えがよくなるため奏は焦るのですが、バレエシューズの利点を見出だし、「格好悪い」バレエシューズで逆境を乗り越えようとします。
これは少年誌・青年誌によくある「ウンチクで勝つ」または「泥臭く勝つ」パターンです。
バレエはバトルになり、「努力友情勝利」が似合うジャンルになりえるのです。
まだ奏は小学生。これからどんな成長をしていくのか楽しみです。
絵柄も美しく躍動感があり、バレエの細かい部分もよく表現されています。女性にも安心して薦められますし、むしろ女性に読んでほしい作品です。
雑誌とジャンルのミスマッチ。
これは漫画を売るテクニックの一つになるかもしれません。編集部、大英断です。
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