- 山田くんと7人の魔女(9)/講談社
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「僕には別の目的ができた
自分の能力の本当の使い道を探したいんだ」
山田くんと7人の魔女9巻
吉河美希・KCマガジン
(週刊少年マガジン掲載)
★あらすじ★
進学校の私立朱雀高校。不良の山田竜は優等生の白石うららとキスしたことにより自分の力に目覚め、「魔女」の謎について挑むことになる。
7人目の魔女・西園寺リカにより、周囲の記憶を消されてしまった山田と玉木。
皆の記憶を取り戻し、そして「白石に告白する」。そう誓った山田に、あれこれ寄って来る「ウワサ好き」。そして、新たに明かされる魔女の秘密‥!!
かつてこれほどキスする漫画があったか?!
いきなりドラマ化!キスをめぐる学園コメディ!
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男女関係なくキスの連続、そのおかげで爆発的ヒット。ついにドラマ化です。
ところがこのドラマに「キスフレの流行」を絡めたふざけた記事がネットで広がり、非常に憤っています。
「山田」はたしかにキスばかりの漫画。男女構わずキスします。しかし「魔法」を発動させる目的が絡んでおり、皆嫌々ながらにやっている。
キスフレは好きでキスをしているんでしょうに。
私はキスフレを愛情表現の一つだと思うのみですが、キスフレを嫌悪する層がそのまま「山田」を嫌悪しかねない記事の書き方‥ドラマは台なしです。
ヤンメガ実写化の時はこんなことはなかったんですけどね‥これはアニメ化を願うばかりです。
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朱雀高校には魔女が存在し、能力は代々受け継がれています。魔女はキスすることで力を使えます。
そして山田がキスするとその力をコピーし、さらにキスすることで他人にも能力をうつすことができます。
白石うららは相手と入れ代わる能力、小田切寧々は相手を魅了する能力、大塚茗子は相手とテレパシーを交わす能力、猿島マリアは予知能力、滝川ノアは人のトラウマを見る能力。飛鳥美琴は透明になる能力を持っていましたが、「能力を消す」力を持つ玉木に解除されています。
そして、西園寺リカは記憶を消す能力を持っています。
魔女たちは寂しさや辛さを内に秘めており、それが「能力」になっています。山田は彼女たちを救うため、また自分の能力について知るためさらなる魔女を探しています。
9巻では主要キャラが入れ代わったなという感じですね。山田の相棒は宮村でしたが、「記憶消失」により玉木がその位置に着いています。そして、ヒロインポジはうららではなく‥
いや、うららは不動の存在ですが。
さて前巻で、吉河作品は「ぼっちの辛さ」にこだわりがあると書きました。
ぼっち同士が集まり仲を深める、その痛快さ、あたたかさは魅力の一つ。
で、前巻玉木だけが「ぼっち」じゃないなあ、と思っていたんですが‥9巻すぐにひっくり返りましたね。
というか、玉木は「新しいタイプのぼっち」でしょうか。
山田と玉木に関する記憶が学校から消えてしまい、二人は孤立します。
山田はもともと校内で浮いてましたから慣れっこですが、玉木はかなりこたえたようです。
しかも山田は魔女を何人も見つけ出し、記憶が消えても魔女やその他の仲間に影響を与えている。
玉木は生徒会長に能力を使われただけであり、皆が玉木を忘れても何も影響なかったのです。
玉木は今まで周囲との関係に悩んだことはなかった。しかしここで、自分がとんでもなく小さな存在だったと気づいてしまう。
ぼっちを指差して笑う人も、実はぼっちかもしれない。
本当は皆ぼっちかもしれないし、気づかないかごまかしてるだけかもしれない。
深い深い恐怖。
それが「玉木真一」そのものなのです(今更ですが玉木の名前の由来ってアレですかね)。
71話で打ち明けた玉木の台詞が刺さり、さらに山田の返事が刺さり、それに対する玉木の表情でグッときました。神回だと思います。
スカしてるキャラが熱いトコ見せるとたまらんです、はい。
9巻ではもう一つ切ない場面がありますが、それは実際に見てほしいので省略(彼はマジで漢)。
また、魔女の秘密が核心へたどり着きました。
しかしその「核心」こそが始まりなんだろうな、と思うばかりなのです。パンドラの箱みたいなものかもしれませんね。
あと、巻末に少し昔の読み切りが収録されています。設定は面白いのですが、「転」の部分に関してはやりすぎかと固いアタマの私は思ってしまいました。「結」に向かうまでの罪深さがキモなのかな。
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