ロマンチカ クロック 2 (りぼんマスコットコミックス)/集英社
¥420
Amazon.co.jp


「今はみんな
迷ったり立ち止まったりして
一歩一歩進む時の中にいるのです」


ロマンチカクロック2巻
槙ようこ・りぼんマスコットコミックス
(りぼん掲載)


★あらすじ★
加治屋杏花音、鎌倉に住む中学生。容姿端麗スポーツ万能、ただし勉強は一切できなくて天然。学園の人気者です。
しかし引きこもっていた双子の兄・蒼が学校に来るようになってから、杏花音の生活は一変。幼なじみや友達を巻き込んで世界が動き出した。なんでもできる蒼に、対抗心を燃やします。

テストで0点を取ってしまった杏花音。ママは蒼を家庭教師にすえるのだが杏花音は気に入らない。「なんで勉強しなきゃいけないのー」と早々諦めようとする杏花音だが?!

人気作家槙ようこがりぼんに戻ってきた!!双子の兄妹が繰り広げる青春コメディ!!


☆☆☆

天然でおバカの杏花音と、クールすぎる蒼。杏花音は蒼に敵意むきだし。そんな双子を中心に、少しずつ成長していく中学生たちの姿を描いた「群像モノ」です。

これ、りぼんに載っていながら実は恋愛モノじゃないんですよね。杏花音に恋愛心理がまるでないし、この漫画で一番かっこいいのは双子の蒼ですから。そして蒼に恋するのは幼なじみの香鈴。


ですが「少女漫画」として見ると、「ロマンチカクロック」は王道中の王道なのです。
あの「物事をナナメ見したらりぼん一」だった槙さんが‥!!とこちらはいろいろ驚いているんですが、非常に教育的な漫画なのです。

なにしろこの2巻を読むだけで、
「勉強はなんのためにするか」
「他人のせいにするのは何故いけないか・ではどうしたらいいのか」
「約束の本当の意味はなにか」
「勇気がない時どう考えればいいか」
その答えが明確にわかるのです。過激な表現もないですし、親が一緒に読んで感想を話し合うにもってこいじゃないかと考えてしまいます。

ちゃおにはこういう話が前からたくさんありますから、槙さんはそれを持ってきた上で「鎌倉のおしゃれさと服や小物の圧倒的なかわいさ」を上乗せしています。
私はこの漫画をいずれ槙さんの最高傑作と考えるかもしれません。


あと、この漫画には「携帯電話」が存在しません。
あんなにかわいいインテリアに囲まれながら、家の電話はアンティークな黒電話です。香鈴も連絡に公衆電話を使っています。この漫画の中学生はみんな携帯電話を持っていないんじゃないでしょうか?

もしかすると携帯電話のない時代だったりするんでしょうか(少女漫画だと服装等の時代考証は無視されることがある。舞台は鎌倉なので、風景に関しては問題ないしあそこには独自の文化がある)。

また、槙さんのこだわりがあるかもしれませんね。
ちゃおの「こっちむいて!みい子」で、みい子がママに携帯電話をねだる話があります。
するとママは「みい子には携帯電話を見るより空をぼーっと眺めたり、誰かと話したり、いろんな風景を見ていてほしいの」と言うのです。みい子は納得してねだるのをやめます。
「そんなこと言ってないで勉強しなさい」ではなく「ぼーっとしてていい」という答えがしっくりきます。
携帯電話は便利ですし私もこうしてブログを書いてますが携帯電話がなかった時どうしてたかな?と思い返すと結構有意義にぼーっとしていました。
今は携帯電話を家に忘れたら取りに帰らないといけないぐらい手放せなくなっていまして(仕事に支障出ますし)、なんだかなあと思います。

今の中高生はさらにツールをつかいこなしてますからもっと大変だろうと思います。
悪いとは思いません。私は持つのが非常に遅かったので持たない間に損したかもと感じています。
でも、「携帯を持たない子は持たないなりに生活すればいい」「持たない選択肢があっていい」とは思うのです。

りぼんにも携帯でやりとりしない漫画があっていい、槙さんはそんな感じかなと思います。


さて2巻の途中から杏花音にも「恋愛」らしきものが発生します。もっとも、ケーキ屋の桐谷慎くんが一方的に想いを寄せているだけなんですが。
この慎くん非常にいいんですよね。素直でかわいらしくて、それなりに男の子としてのプライドがあって。私は蒼よりずっと好みですね。

次の巻でこの「ほんのりした初恋」がどう動くのか非常に楽しみです。

あと読み切りの「柏野君は魔法使い」。これも教育的な漫画だと思います。
魔法の不自然な力とそこから発生する反省と進歩。感想文が書けるくらいまとまった話ですね。


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