ひよ恋 8 (りぼんマスコットコミックス)/集英社
¥420
Amazon.co.jp

「そこまで大事なら
なおさら本当のこと 話すべきなんじゃないの」


ひよ恋8巻
雪丸もえ・りぼんマスコットコミックス
(りぼん掲載)


★あらすじ★
西山ひより140センチ。極度の引っ込み思案でしたが、190センチの男子・結心との出会いがひよりの生活を一転させます。
もじもじよちよち紆余曲折の末、ひよりと結心は付き合うことに。

文化祭での結心のやきもちひとまず落ち着き、今度は修学旅行。
ところが、今度はりっちゃんの様子がおかしい。
いつもすぐメールを返してくれるはずなのに、「携帯の調子が悪い」と言われたひよりは…?

りぼんにようやく現れた正統派ピュアラブストーリー。


☆☆☆

なかなかうまくいかなかったひよりと結心、ついに両想い。
両想いになっちゃうと「恋愛インフレバトル」になってガッカリするんだよなーと思っていましたが、今は周りの人間関係を展開させる流れのようです。


前々から少しずつ伏線が張られ「ひよりより性格がヤバイ?」と思っていた親友のりっちゃん。
ついに彼女の本音が現れます。
ひよりの幼馴染で、泣いてばっかりいるひよりのサポート役。
このマンガの初期、ひよりは彼女なしで学校生活が送れなかったのです。

しかしひよりがだんだん成長し、結心という高スペック彼氏をゲット。クラスでは夏輝や礼奈と仲良くなることができ、りっちゃんがいなくても大丈夫な状態になっていきます。

それはとてもとても幸せでいいことなんですが、りっちゃんは心に穴が開いたような気持ちになる。
彼女は「ダメなひよりを支えてこその私」として生きていたんですよね。
もしのび太がいきなり優秀になったら、ドラえもんもしょんぼりすることでしょう。

少女マンガで物語が進んでいくと、だいたいこの「共依存」の話にぶつかります。
少女マンガは意外と「友人」の存在で人気が左右します。
共依存するほど主人公を大事にする親友の感動エピソードは物語にもってこいなのです。
それいっちゃうと、おしまいなんですが。

誰だって弱いところはあるし共依存的な付き合い方をしているかもしれない。
でも、りっちゃんの描き方はちょっとやりすぎじゃないかなと自分は思ってしまいました。

りっちゃんはひよりのお守り役だけでなく、周りに合わせたり気を遣ったりしないと他人と関係が保てないと思っているフシがあるようです。
それを中学時代利用されていたエピソードまで出てきました。

読者の共感は人気を左右します。こんなりっちゃんを見て「うっ、私と同じ」と涙ぐむ読者さんもいらっしゃるでしょう。
しかし私は「りっちゃんをダメにしすぎだ」と思ってしまいました。

いい親友のいる少女マンガは、売れます。
私は「天ない」のマミリンが好きで好きでしょうがないですが、けっこう「ジャンヌの都が好き」というりぼん読者さんがいると思います。
二人の共通点は、「強さ」です。
主人公がくじけそうになった時にはっぱをかけ、意見が対立することがあっても相手の考え方を尊重して、でも自分を貫く部分がある。

初期のりっちゃんはひよりの支えであり、強い子だなと思っていました。だから彼女のことが好きでした。
でも、今回はひよりを高みに上げる「踏み台」にされている気がします。中学のエピソードになぜかひよりがりっちゃんを黙って助けるシーンがあり違和感がありました(中学のひよりがそんな強い子だなんて私信じない)。

りっちゃんを弱くしたのは仁戸部コウの活躍を見せたかったからかもしれませんが、次はコウのトラウマ的なんちゃらが出てくるターンなのではと思ったりします。

ああでも「君届」のちづとあやねもだんだん弱体化してるな…主人公以外のキャラクターに共感を寄せ、読むのが「君届」のやり方ではあります。でも、二人に何があったとしても爽子を持ち上げるようなエピソードにはならない。

そういえば巻末に富永妃の番外編があり、結心との「幼馴染」の関係について描かれていました。
りっちゃんとは対照的で、やはり彼女は強いと感じます。


最後に非常に心配なこと。単行本派の人は気付かないかもしれませんが、ひよ恋は本誌掲載時画面がフキダシのみで真っ白だったりすることがあるようです。
昔下絵原稿を出してしまった先生もいらっしゃいますが(あの時は入院したらしい)、お仕事少し休ませていいんじゃないかと思います。
看板作だし、難しいかもしれませんが…自分はその画面を見たとき「これはアウトだ」と思いました。
編集部にいろいろあると聞いていますが、なんか怖いです。


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