- うそつきパラドクス 9/きづきあきら/サトウナンキ
- ¥580
- 楽天
「大丈夫だ 俺だけがそれができる
それだけが 彼女を幸せにする方法なら」
うそつきパラドクス9巻+10巻
きづきあきら+サトウナンキ・ジェッツコミックス
(ヤングアニマル掲載)
★あらすじ★
大桑という彼氏がいながら八日堂と浮気をしてしまった栖佑日菜子。
大桑も八日堂も栖佑を手放すことができず、栖佑も二人を選ばない。三人はついに「共有する」事を選んだ。
競うように栖佑を愛する男たちだったが、八日堂は関係を続けることに思い悩む。
ついに非常識な関係が終わりを告げる‥その先にあるものは?
じりじりする大人のパラドクス、最終巻と番外編収録の短編集同時発売!!
☆☆☆
ついに、ついに完結です!!
お二人の漫画を追いつづけ数年が経過しました。このラストを読むことができて本当に幸せです。
しかし二冊同時発売の上「セッ/クスなんか興味ない」も発売されました。‥昨日全部読むのとっても大変でしたよ‥!!というかタイトル自体挙げるのハラハラするよ!!
8巻で「●P」というとんでもない関係にもつれこみ、漫画の限界ギリギリやっちゃったなとハラハラしていましたが‥やはり不自然な関係は続きません。
男性たちの欲望だけで愛は成立しない。栖佑は自分の存在を消費されるのみ。
彼女は誰も傷つけたくないから「どちらも選ばない」と決めてしまった。だから黙って受け入れているのです。
栖佑の同僚の話からして、彼女はいわゆる女子校体質というか、めちゃくちゃ女の子らしい女の子です。
女の子は互いの意見を「すり合わせて」関係を保つ生き物です。女子校生活を送ってきた栖佑は、あらゆる相手を認めてまずい部分は自分の中で処理をするタイプ。
ですから同僚の女の子たちは彼女のことが大好きだし、そこにトラブルはない。ところが男性は主張をする生き物。また、猪狩も少し違うタイプだった。
他人を傷つけないために自分が傷つく。悪人になる。ウソツキになる。
栖佑は全力で優しい嘘をついていました。間違っていても、自分が大丈夫ならいいんだ、と頑張っていた。
八日堂は自分たちの為に幸せになれない彼女を案じて身を引く決断をします。全力で嘘をついて彼女に嫌われる。
八日堂は大桑に彼女を任せたつもりでしたが、栖佑は八日堂の決断に動かされ、大桑に別れを切り出します。
傷つけなかった栖佑が、自分の意志で人を傷つけた。
三人の不自然な関係は全てなかったことになり、二年が経過します。
浮気の連鎖から始まったこの顛末は嘘、その間栖佑が口にした言葉もみんな嘘だったのでしょうか。
しかし大桑と出会った栖佑が学生時代に変化したのは真実だし、浮気によって仕事に打ち込み一目置かれる存在になったのも真実。また、大桑にアドバンテージをとられた八日堂の努力も真実。
「クレタ人はうそつきだ」に始まる嘘のパラドクスは、嘘を嘘で重ねることによる矛盾です。
ですが「クレタ人にも正直者がいるはずだから別に矛盾じゃないよな」と思ったりします。
そしてきづき+サトウ両氏が長年漫画に描いてきたのは「時間による人間の流動」です。
二年後の八日堂と栖佑も、やはり嘘つきです。言葉でいくらでも嘘をつく。真実を言っても、みんなすぐ嘘になる。
だけど二年前とは違う嘘つきなんですよね。
いろいろ頭を悩ませながら読みましたが、196Pを見て胸の奥をぎゅっと搾り取られた気持ちになりました。そこでもう満足でした。
言葉は不便ですね。9巻分の積み重ねが言葉にならない感情を私に与えたんだな、と思います。
9巻の最後に現れたキャラクターで連載が始まるようですが、とりあえず両先生お疲れ様でした!!今までで最長の連載、夢中で読ませていただきました!!ありがとう!!
さて、10巻の時間外手当について。連載を複数抱えながら増刊でも読み切りを描くバイタリティに驚きつつ、うそパラ女子の恋愛模様を楽しみました。
伊勢タンに呆れつつ、大栄を心配しつつ、そして丸悦は誰のものにもならないんだなあ‥と感じました(それが読者の希望なのかも)。
猪狩にもそれなりの相手が登場しており「じゃあ大桑は?」とついつい考えたのですが、まさか‥?いやそんなことないか。
また、最後に掲載されていた「とらのあな」(かなり前の作品)ですが、いろいろ無茶苦茶な流れだったのに最後で思いっ切り納得しました。この力がすごいですよね。
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