- 坂道のアポロン 9 (フラワーコミックス)/小玉 ユキ
- ¥440
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坂道のアポロン9巻
小玉ユキ flowersフラワーコミックスα
(flowers掲載)
★あらすじ★
1960年代、九州。転校してきた西見薫は豪快なキャラクターの川渕千太郎に出会い、全然性格が違うのにただ一つジャズで友情を結んで来た。
薫は千太郎の幼なじみ律子と両思いになり少しずつ歩みを進めていたが、千太郎は妹を怪我させてしまい姿を消してしまう。
東京の大学へ進み、千太郎とジャズを忘れようとする薫だが…?
アニメで話題の作品、ついに本編完結。
☆☆☆
最後の最後でアニメになりましたね。漫画でなかなか表現できない「ジャズ」をアニメで聴けるのはすごいな、と思います。
ただ、9巻で完結したこのお話…感動できたかというと…
ここからは読んでない人ご注意ください。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
8巻で失踪フェイントをかました後本当に失踪してしまった千太郎。
その悔しさと寂しさで薫はジャズから懸命に離れようとします。
ところが大学に上がった薫は、年月を重ねるうちにジャズに沿った生活をするようになります。
結局忘れようとしても、どんなに遠ざけようとしても、思い出は甦るのです。
もしかしたら東京に千太郎がいるかもしれない…前向きになった薫は千太郎を探し始めますが、千太郎は東京のどこにもいませんでした。
とても意外なところで、意外な姿で千太郎は現れます。
高校時代から7~8年経っても二人の絆は切れなかった。そういうラストで締めくくられることになりますが、やっぱり全体を通してみるとバランスが悪いと思わざるを得ません。
何しろ最後のこの一冊でざざっと年月をとばしたのですから。
そのテンポで進めるのであれば、松岡が出てきたあたりの文化祭のくだりや百合香と淳一のかけおち話はいらないのです。あの辺は「このマン」で話題になったために懸命に引き延ばしをしたんじゃないかと…
そういうのはこちらが勝手に言ってもしょうがないかなと思うんですが、ラストまで全部読んで、私はふっと思いました。
「千太郎って、薫と出会って幸せだったのかなあ?」と。
東京から慣れない九州にやってきた薫。母親の身分が低いために親戚の中では冷遇されていた。
九州の学校で息苦しさを感じていた矢先に、千太郎と出会います。
千太郎には幼馴染の律子がおり、律子は千太郎に想いを寄せていましたが、薫が懸命に彼女を口説き落とし本当に手に入れてしまいます。薫は高校生活でかなり「リア充」になりますよね。
一方千太郎は百合香を好きになるのですが、淳一に奪われしかもかけおちされてしまいます。
ここですでに千太郎は「フルボッコ状態」。さらに幸子を怪我させてしまい居場所をなくしてしまうのです。
千太郎が律子でなく百合香を好きになってしまったのは彼の自由ですが、薫がいなければいずれ千太郎は律子と結ばれていたと思います。
薫は千太郎によって動かされ成長していったけれど、千太郎は薫がいなくてもどうにかなったような気がするというか、いてもいなくても運命は同じだったような気がする。
律子と薫は大学時代に一度疎遠になってしまいますが、結局二人はむすばれてしまう。
なんかちょっと、都合いいなと感じてしまったんです。
しかも千太郎は見習いとはいえ「神父」になる。神父は牧師と違い、生涯結婚しない誓いを立てるんです。
千太郎は自分の存在をまだ「罪」だと感じているのでしょうか?
千太郎の「気持ち」がわからないまんまで終わってるのが残念です。
その辺のことについてはスピンアウトが収録される「10巻」で明かされるのでしょうか。
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