- アゲイン!!(3) (KCデラックス)/久保 ミツロウ
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「アゲインする前は
こんなめんどくさい感情なんてなかったのに
今は 心の中が台風だ」
アゲイン!!3巻
久保ミツロウ・KCDX
(週刊少年マガジン掲載)
★あらすじ★
今村金一郎は高校三年間を友達も思い出もなく終えようとしていたが、藤枝暁(アキ)と階段から落ち三年前に戻ってしまう。
高校生活をやり直せる?!
金一郎は消えてしまった応援団を復活させる為奔走することに。
団員は戻ってきたが、今度は団長宇佐美にまさかの「想い人」発覚!!モヤモヤする金一郎だったが、野球部の応援日は近づく‥!
「トッキュー」で高い技術を発揮し、「モテキ」で男女の恋愛の深淵を掘り起こした久保ミツロウの新作!!集めるなら今のうち!!
☆☆☆
3巻表紙は団員たちでしたね。てっきりアッキーだと思っていたのですが‥最近アッキーとは何なのか考えてしまいます。扱いが雑なわりに、便利ですよね。瞬間記憶能力者じゃないかと思うくらい。
さて3巻です。非リア充をこれでもかと味わい、失うもののない金一郎は「逆ギレ」を武器にして団員たちと渡り合ってきました。
ところが、その「逆ギレ」が段々と障害になりはじめます。
団長宇佐美がかぼ国の応援団長岩崎にホレていると知り、「結局女じゃねぇか」と全くやる気をなくす金一郎。まあ他の感情がアリアリですけど。
当然宇佐美と衝突してしまいます。周りも段々引いていく。宇佐美は合宿を決行しますが、金一郎の行動は散々。負けたって、援団が潰れたっていい、いや、潰れてしまえとヤケになっています。
さて、なぜ青少年はキレるのか?
突然何を言い出すんだと思いますでしょうが、ある程度濃い漫画好きさんは「私超コミュ障だしww」と呟いたりしてるんじゃないかと。いえ、自分もそうですが。
毎日の人間関係に悩み、あの人と仲良くしたいんだけど何話したらいいかわからない、用を頼みたい、遊びに誘ってみたいけど相手に悪いし‥と思っているウチに相手はコミュ力ある人間と楽しそうにやっていたりする‥
するとふっと冷めて「もういいや私コミュ障だから」と諦めてしまう。
「もういいや」と思った時点である意味「逆ギレ」なんだと思います。
金一郎はそれが極端なキャラクターです。黙っているか、逆ギレするかどちらかしかできません。その「間」がない。
宇佐美は「あいつは信頼関係を築いたことがないんだ」と指摘します。
信頼とは、相手を信じて頼ること。漢字そのまんま。
だけど相手を「信じる」のも「頼る」のも金一郎にとっては怖いこと。
もし相手を信じて裏切られたら?
相手を頼って馬鹿にされたら?
そんな妄想が先に立って何も頼めず、ただ相手への欲求を募らせていき、ある瞬間爆発するだけ‥。
おばあちゃん子だったり意外と人をほっとけなかったり「優しい」性格ではあるのです。堪え性でもあるだろうと思います。
だけど、裏切られたり馬鹿にされて「傷つく」のが怖いだけのチキンでもある。
「モテキ」のフジと結局は同じ。実際金一郎は過去に痛い思いをしてるようですが。
宇佐美は金一郎にある提案をします。とても大きな提案であり、金一郎にとってはショック療法かもしれません。
次の巻で話が大きく動くんだろうなー、とワクワクしてきました。
野球部鈴木との青い春もかなり楽しめました。キャプテンとマネージャーめ‥(笑)。
あまりにも完璧過ぎる青春物語「アゲイン」。しかし、「トッキュー」と違い読んでいてモヤモヤと沸き上がるものはなかったりする。
少年漫画と青年漫画の違いは「相手へ想像を委ねる」か「全部説明しちゃう」かというコメントをある場所で見てなるほどなあと思いました。
書き込みが足りないので軽んじられる少年漫画。だけど読んでいる側は脳内で物語を補完する楽しみがある。一旦世界が出来てしまえば、その漫画を読むたびに妄想が広がって楽しくてしょうがない。
青年漫画は作者が読者をミスリードさせまいとコツコツ物語を構築します。作者の言わんとする事を理解する楽しみはありますが、そこで終わる。内容と外部の事象をリンクさせていろいろ考えることはあっても、物語と向き合うことはなくなってしまう‥(いくら説明をしても妄想する人がいなくならないおお振りという漫画があるけどね!)
「理解」を楽しむか、「物語」を楽しむか?結局は人の好みです。
しかし漫画を読みすぎ、アラを指摘しては悦に入るクセがついてしまっている自分のような大人は読み方をたまに省みなければならないかもしれません。
もう一度いいますがアゲインは素晴らしい漫画です。しかし、キャラクターが守りに入った作りになっていたりトッキューみたいにアホな方向へはみ出さないのは‥
先生も金一郎のように何か恐れているのかなとついつい考えてしまうのです。
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