- マギ 4 (少年サンデーコミックス)/大高 忍
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「本当、君っておかしな人だよね。
でもそんな君だからこそ、僕は力になりたくて‥
君に手をのばすんだ。何度でも‥
ねえ、アリババくん!」
★注意★
この記事にはマギ10巻までの内容が大量に含まれています。萌え語りもあります。
まだマギを読んでない方は絶対に読まないで下さい。
読んでない人は一つ前の「紹介記事」をどうぞ~
゜・:,。゜・:,。★゜・:,。゜・:,。☆
迷宮の謎に挑むワクワク冒険ファンタジー、マギ。
しかし10巻まで一通り読んで「これはバトル漫画とは違う」と思ったし、「世界観が妙にリアル」そして「あらゆる宗教の集約をしている」と感じました。
それをまざまざと見せ付けるバルバッド編はアリババが主役です。
ただの荷馬車運転手だと思われていたアリババは、娼婦から生まれているものの実はバルバッドの第三王子。兄王子の出来が悪いためバルバッド王がスラムから拾い、教育を身につけさせました。
ところがスラム時代の親友カシムに城への抜け道を教えてしまい城が大変なことに。父も死んでしまい責任を感じて出奔。庶民に紛れいろいろな国を回っていたのです。
アラジンと出会い迷宮を攻略、ジンの「アモン」に選ばれ力を得たアリババ。ところがバルバッドに戻ってみると、国が酷い有様になっている。
現在の王、長兄アフマドは煌帝国から来た「銀行屋」に言われるまま煌の通貨「煌(ファン)」を借りて湯水の如く使いました。しかし「煌」は価格がどんどん変動しバルバッドは膨大な借金を抱えることに。
アフマドはバルバッドの制海権通商権などを煌帝国に売ります。バルバッドはさらに困窮、民は飢え苦しみます。
負のスパイラルが進み何も売るものがなくなったアフマド。ついにバルバッドの民を「奴隷」にして売ろうと考えてしまうのです。
‥日本がいろいろ不景気ながらもまだ一応持ちこたえているのは、自国の国債を外国に委ねていないから。
現に豊かだと思われていたアイスランドはそれをイギリスなどに売っていたため、大変なことになっています。他の国もそうです。
そしてアフマドがやらかそうとしていた「国民総奴隷化」もお伽話ではありません。
将来いくら働いても報われなくなっていくかもしれない‥そう感じる現代の自分たちはすでに心が隷属しかかっていたりする。世界がなんとなく、そんな向きになっている。
ところがバルバッドの危機は「黒いルフ」の温床にするためのプロセスでしかなく、煌帝国の後ろには「アル・サーメン」という組織がうごめいているのです。
黒いマギ・ジュダルもアル・サーメンに操られているフシがあります。
そしてアリババはジュダルと同じ目に合わないようずっと「聖宮」に閉じ込められていたらしい。これは「ソロモンの意志」から来ているようですね。
で、「ルフ」という仕組みについて。
ルフはあらゆる生命に宿るもの。生き物はルフによって生まれますが、死ぬとまたルフに還っていく。
マギはルフを使って「元気玉」みたいなものを作り動かす力があったりします。
アリババは自然な流れである「白いルフ」を操作しますが、ジュダルは憎しみを含んだ「黒いルフ」を使い人の心を荒ませます。「黒いルフ」はアル・サーメンの人工物だろうと思っています。
仏教では生き物が死ぬと「浄土に帰る」という考え方になります。だから永遠の別れではないと説かれます。
それから大元になる「ホトケ」‥みたいな存在は別に仏像やら仏閣にいるわけでなく、意識すればすぐ隣にいるとされます。
他の宗教でも、実は大体同じような認識です。キリストもアラーの神もだいたいこうなると思われます。
「ルフ」はこれと同じではないかと。バルバッド編最後のシーンはすごいですよね。もう少年漫画の領域超えているなというか、作者の世界の捉え方がまんまるだなと思いました。
じゃあ何故アル・サーメンは「黒いルフ」を作って世界を混乱させようとしているのか。
マギの世界では「ルフ」は自然を司り、生も死もルフ次第です。誰もルフに逆らうことはできない。
ところが、アル・サーメンはアラジンとアリババがルフの流れを戻した事に対し「ソロモンの傲慢なる妨害」と言うのです。
読んでいるこちらからすればどっちが傲慢だよと思いますよね。人間ごときが「黒いルフ」や「黒いジン」を作ってルフの流れに逆らおうとしているのだから。
ですがアル・サーメンにしてみれば「どうして自分たちは自分たちの手で運命を切り開けないのか?」という思いがあるかもしれません。
努力しても報われない時があります。思いもよらない事態で人生が台なしになることがあります。それが運命であるなら、人は運命を憎んでしまう。私たちも世界に逆らって鉄の塊で空を飛んでみたりしちゃうわけで。
マギの世界では運命が「ルフ」そして「ソロモン」として存在するため、アル・サーメン側からはソロモンが運命を操っているように見える。
もしかすると彼等は世界を黒いルフで覆うことが目的ではなく、黒く埋め尽くすことでソロモンを消滅に追い込み運命の流れを変えたいのかもしれません。
だから超悪役とはいいがたいかも。考え方がちょっと間違っちゃっただけで。
ソロモンが「マジで傲慢だった」となれば大変だろうなーと思いますが、それはないでしょう。
アリババとカシムの一件からそう感じます。
同じスラム育ちだけれど、王族のアリババと庶民のカシム。
しかしアリババだけが上に行ってしまうと、「何故オレはだめなんだ」「ひょっとしたらオレも上がれるかもしれない」とカシムは思いはじめます。
カシムは武器屋に操られ、悲劇へ向かいます。
カシムは「身分不相応」だったのでしょうか。運命に逆らったから自業自得なのでしょうか。
違います。
アリババと比べて上だとか下だとか、幸せか不幸せかはカシムの考え方次第だった。
身分もクソもないのです。
世間一般の「幸福」に惑わされていただけのこと。
カシムはカシム、アリババにはなれません。なろうとするからちぐはぐする。
自分の立場でできることをやれば実は運命は動いてくれたしルフも導いてくれたでしょう。
運命は、変えられた筈なのです。
白いルフはアリババの手でカシムを大きなルフに導きます。「自業自得」と捉えたなら、カシムは救われなかった。
この優しさを誰が「傲慢」というのか?‥自分はそう思います。
これだけ壮大な世界を作っておきながら、「マギ」には一つ疑問があります。
一体「マギ」の主人公は誰なんだろう‥?
アラジンは主人公としては感情移入できない存在です。謎をたくさん抱えながら状況に応じて小出しにしているし。
とりあえずアリババを通して読むのがいいのでしょうが、アリババが消えてしまう事もある。
おそらくこの先、シンドバッドのターンも予想されます。さらに煌帝国の姉弟にも至るかと。
アラジンを中心にした王様群像ってやつなんですよね、きっと。
以上です。
↓萌え箇条書き
★シンドバッドいくつ?
★ジャーファルさんがツボ。元暗殺者でありながらシンさんの隣にいるのがすげえツボ。ツンしかないツンデレ
★寡黙なマスさんも好き
★モルジアナは非常によく出来たヒロイン。ジャンプみたいに腐女子に嫌われぬよう無理矢理パサパサした女子を考えなくてもいいというモデル。
いくら強くてもしっかり女の子でかわいいし、イヤミがない
★そしてイロイロ嫌われ要素満載の紅玉ですらかわいらしく感じるんだからすごい
★白龍=椿佐介。微妙に残念な子
★今のところ一番エ/ロスを感じるのがザガンだったりするが、きっとこれ危険な発言なんだろう
また何か言い出すかもしれませんが、これにて。
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