ブルーフレンド 3 (りぼんマスコットコミックス)/えばん ふみ
¥420
Amazon.co.jp


「私には 手に入れたい場所がある」


ブルーフレンド3巻
えばんふみ・りぼんマスコットコミックス
(りぼん掲載)


★あらすじ★
他人に合わせてばっかりで、自己嫌悪してばかりの可菜子。女子高に入学してからも友達にいいように使われて疲れてしまう。
ところが周りに流されないクラスメイト亀井青との出会いが、可菜子を少しずつ変えていく・・・

女の子同士のあいまいな関係を描いて話題になった「ブルーフレンド」、登場人物を一新した三巻!


☆☆☆
またまたレーベルに「百合マンガ」と描いてありそちらの需要で勝負したいようですが、この漫画は1巻からどこをどう読んでも別に百合マンガではありません。
前にも書きましたが、これが百合だったら友情ものの漫画はみんな同/性/愛になってしまいます。
女の子ってやつは中高ぐらいだと女の子同士でいたがる時期があります。学校を卒業すれば「あれは一体なんだったのか」と思うぐらいなんでもなくなってしまうのです。
だからこれを読んで自分のことが心配になったリアルな中高生さん、全然平気ですよ。

それでも「ブルーフレンド」は真摯に友情に向き合った作品であり、日常に起こりうる心のひずみ、痛み、苦しみの断片をうまく掬いだしていると思います。

さて3巻の内容です。舞台は女子高に移り、主人公たちキャラクターがすべて変わりました。
2巻までの「いかにもなドラマ性」が薄くなり、あくまで普通の女子高生活。これといったいじめはありません。
ただし「男性キャラ」がほとんど出てきませんでした。これはりぼんじゃ珍しいと思います。

女子高、というのは行ったことありませんが男子の目がない分自分の行動に歯止めが利かなくなる感じなんでしょうね。
人がやってきた宿題をここぞとばかりに写すなんて、共学校ではなかなかできないことです。
トイレ友達も高校によってはやった時点で変わり者扱いになりますから。

そんな関係につかれた主人公可菜子と、自分の信念のままに行動する青が出会い友情をむすんでいきます。
しかし青はがっつり「カッコイイ」キャラでもないし、前のシリーズの美鈴のように暗い過去や複雑な環境があるわけじゃない。ちょっとひねくれて育っただけの普通の女の子だったりします。

ですから作中、特に事件は起こりません。本人たちにとっては大事件かもしれませんが、日常的な出来事の積み重ねにすぎない。ですが、その「なにげなさ」はなかなか漫画で読めないものです。

ただし、3巻を読んでいてふと「ちゃおの森田さんはこういうの得意だよな」と思いました。

沢渡さんを攻略する方法 (フラワーコミックス)/森田 ゆき
¥420
Amazon.co.jp

→感想

彼と彼女と彼女 (ちゃおフラワーコミックス)/森田 ゆき
¥420
Amazon.co.jp
現在出ているコミックスはそれなりに恋愛ものですが、ライバルの手ごわさが尋常じゃなかったり主人公がものすごく変わっていたりします。まだ収録されていませんが読み切りの「オンナノコの国」はガチで友情から来るトラブルを題材にしたものです。

そして、現在連載されている「1/2」は高校デビューした主人公の前に、封印したはずのおとなしい自分が現れるというもの。その主人公も日常で周りに合わせて疲れているのです。
こちらはクラスに存在する「階級」まで描写されています。
だけどあくまでもユーモアたっぷりで物語が動いていくのが面白いんですよね。


ただ、ブルーフレンドの今回の話で興味深かったのがクラスメイトの「アキ」です。
いわゆる「いじめっ子キャラ」なのですが、借りたものを返さない、掃除をさぼるなどそもそもの人格に問題があるため、青と可菜子に突っかかるたび周りから信用を失っていきます。
たしかにこういう子はいます。なぜこのような人格形成がなされたんだろうなあとつい考えてしまいました。

青のひねくれた性格形成の理由は描かれていますし、青みたいな子は漫画によく出てきます。

アキがなぜ可菜子と青をいじめたくなるのかはよくわかるのですが(自分にないものを見せつけられている)、行動のいい加減さの理由は見えない。そして、こういう子はあまり漫画で詳細に描かれない。

これは漫画界全体の「空白部分」なんだよなと思っています。おそらく漫画家で感受性のない人はいないでしょう。
だけどこの世界には感受性の少ない人がたくさんいるのです。感受性はありすぎると生活に支障をきたしますし、少ないからこそ適性のある仕事もあります。

ただ、漫画家にはそちら側のことがどうしてもかけないというか、自分に近い方の物語を描いてしまうんですよね。
最終的にアキの「それから」が投げっぱなしでとても気になりました。

作者のコメントに「彼女を掘り下げてみたい」とあったのですが、ぜひ読んでみたいなと思いました。
そしてこの「ブルーフレンド」はシリーズ的にまだまだ続くのでしょうか?


にほんブログ村 漫画ブログ 少女漫画へ
にほんブログ村