zen zen 1 (りぼんマスコットコミックス クッキー)/持田 あき
¥420
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「どうか
兄貴がこの子に言った『忘れない』が永遠になってほしい」


zenzen1巻
槙ようこ×持田あき・りぼんマスコットコミックスCookie
(Cookie掲載)


★あらすじ★
古瀬哲の兄・直一が死んだ。
直一は女好きで、女の子ばっかり集めた塾を経営していた。生徒たちに事実を話すと絶叫され絡まれ、哲は兄の死後も兄にふりまわされっぱなしだと感じる‥
人に愛され、優しく面倒見な兄貴。直一の存在が大きいだけに哲は自分が情けなくなるのだ。
ところが直一の生徒達が「塾の掃除をしたい」と言い出し‥?!

りぼんで大活躍した漫画家姉妹のタッグ、いよいよクッキーに登場。


☆☆☆

クールで卓越した画力を持つ姉と、ネーム作りに定評のある妹。りぼんではそれぞれに連載を持っていましたが、一年前から二人で漫画を作るようになりました。現在「ピカ☆イチ」も連載中です。別出版社に描きながら集英社でも仕事ができるのだから、りぼん作家に革命をもたらしたと思われます。


ですが自分的には「ようやくクッキーに来たな」「なんでもっと早く移動しなかったんだろ」と思います。しかもこの「zenzen」は最初読み切りでした。好評なので連載化したという経緯があります。
現在あの「NANA」が長期休載中で、あの「グッドモーニング・キス」が看板みたいになっているのですから(好きな漫画ですがリバイバル作品が雑誌の看板になるのはまずいと思う。あれも増刊から移動して来ている)、クッキーはもっと、作家を取り込むとかいろいろなジャンルに取り組むとか自由になればいいのにと思います。


なにしろ「zenzen」はクッキーに非常にぴったりした作品です。
主人公の冴えない男子高校生(だが絵的にイケメン)に、大量の女子中高生が群がり絡みいじるという話。どの女の子も一人を除き一見ビ●チだったりするあたりがクッキーの望む「オサレ漫画」だったりするわけです。

不良が群がりガチバトルしている「ピカ☆イチ」に比べると、ちっさいところに収まってるよなあと考えちゃう部分があります。先生たちが雑誌に合わせてちっさく作ったとも考えられますが。


それでもこの漫画はさすが持田さんだなあ、と思います。持田さんはどうしようもない浮気男に振り回される話、悲しすぎる失恋話など、話のポケットが多い人です。


最初は主人公の哲が兄に嫉妬しながら兄を思う話でしたが、連載になると「兄の死」がいろんな場所でぽっかり穴を空けている事を哲が感じ、どう考えるかという物語になっています。

兄の直一は人が大好きであれこれ世話を焼いて回っていた人物。彼の死は恐ろしく周囲に影響を与えてしまっている。塾の子たちも実はいろいろな悩みを抱え、直一を頼っていたためにぐらついているのです。

「山善」の感想でも書きましたが、人の死は悲しいけれどそれだけではありません。

全ての死が周囲を落ち込ませたままなら、世界はとっくに終わっている。今を生きる人間はそれを整理し乗り越えているのです。

「zenzen」はちょっとアレな女子中高生がわーわーしている漫画に見せておいて、人の死をめぐる真剣な話だと感じました。


しかしシリーズ連載だそうで、次巻の発売はかなり先になりそうです。「ピカ☆イチ」があるからそれは仕方ないですよね。


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