- ちはやふる(14) (Be・Loveコミックス)/末次 由紀
- ¥440
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「恵夢ちゃん
がんばろうね がんばろうね
わたしたちいつまでも
詩暢ちゃんを一人には
しておけない」
ちはやふる14巻
末次由紀・BLKC
(BELOVE掲載)
★あらすじ★
かるたの全国大会。瑞沢高校かるた部はついに準決勝に進んだ。千早はクイーン戦西の王者逢坂恵夢に挑む。ペースを乱された千早だったが、急激に追いつきはじめた。
一方「団体戦はかるたを好きじゃない人がやること」と切り捨てるクイーン若宮詩暢だったが‥?
ついにアニメ化!天下無敵、体育会系かるた漫画!!
☆☆☆
アニメの声優が決まり、いよいよ放送が始まるんだなーと楽しみになってきました。意外な配役が面白いですね。新は福井弁が使えないといけませんし。
さて、団体戦も佳境です。千早からすれば「格上」の相手逢坂恵夢。しかし千早は自分のやり方を取り戻し巻き返しをはかります。
そして「かるたやのうてみんなでなにかやるのが楽しいんや」という詩暢の立ち位置が団体戦に挑む千早達とものすごい対比になっています。
詩暢はかるたが好きすぎるから、他のものに目を向けたらいけないと思っている。だから詩暢の考え方はいけない、とは言えない。
スポーツには個人技と団体技がありますが、本来個人でやる陸上や格闘技でも団体戦が存在します。これが意図するものはなんなのか?
単に「連帯感を養う」なら、詩暢は「まあ美しいわぁ~」と一笑に付すでしょう。
彼女は団体戦がその程度だと思っている。
しかし、千早たちが団体戦で経験しているのは単なる連帯感やかるたをみんなでキャッキャ楽しむ共感ではないのです。
瑞沢対明石第一女子戦はそれが色濃く出たと思います。
しいていうと、前の対戦を休んだ机くんの存在が大きかったですね。「データの積み重ねによる奇跡」は「王狩」にも出てきますが、過去と未来、努力と運という真逆のものがひっくり返るので面白いなあと思っています。
で、机くんの才能は千早にはない。だけど千早の「感じのよさ」は机くんにないし、かなちゃんの「歌を思いやる心」、太一のハンパない記憶能力もそれぞれのものです。
キャッキャ楽しむなら、互いの才能など気にしません。千早は机くんのデータで自分の才能に気づき、かなちゃんのおかげで歌の意味から札を取れるようになった。
太一の能力はすごいですが、かるたの実力は記憶にたよらない肉まん君の方が上です。
瑞沢かるた部は互いの才能とやり方を認めたり否定したりしながらかるたへの取り組みを共有しています。
それは強豪の北央や富士崎も同じでしょう。特に部員50人という規模を持つ富士崎はそうでないとやっていけないと思います。
ただ、かるた部専属の顧問持田と桜沢を持つこの2校は‥もしかすると団体戦にこだわりすぎているかもしれません。北央の須藤さんは性格がアレですから一人でどうにかしちゃったと思いますが。
そして桜沢先生は最後の戦いに際しA級の三年生を下げ、二年のB級山城理音を起用します。
彼女はここまで一戦もしていない。体力も記憶力もフルの状態です。これも強みですが、桜沢は理音しか持たない「才能」を買っています。
この才能、はっきり言ってチートです。ただ理音はこのチート能力に引きずられている向きがあるため、桜沢が大舞台に立たせたい気持ちはわかります。
しかし下げられた方は?ということにもなる。
桜沢先生という強烈な存在、そのシビアな考え方。これが「団体戦」の難しい部分かもしれません。なんていうのか‥スポーツでも文化部でも強豪校にはこの共通点があると思います。
あれがいいとかこれが悪いとか、物事は全て白黒で分けることができません。「ちはやふる」はかるたを通してそれを考えさせてくれる漫画です。
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