シュガーレス 8 (少年チャンピオン・コミックス)/細川 雅巳
¥440
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「誰かのためだとか義理だとか
どんな理由つけたってなあ
他人をケンカの口実にするような奴は
気に入らねえんだよ!!」


シュガーレス8巻
細川雅巳・少年チャンピオンコミックス
(週刊少年チャンピオン掲載)


★あらすじ★

九島高校。「風車」とよばれる不良の巣窟。屋上の風車に名前を掲げる事がここの不良たちの目的なのだ。

椎葉岳は頂点を取るためにここを選んだ。しかし頂点に立つ「シャケ」は全てが圧倒的なカリスマ。果てしなく遠い。
一方丸母タイジ(マリモ)は強いけれど頂点に興味がない。しかし椎葉の野良犬のようなギラつきに影響されつつある。

九島とは違うカタチの勢力を誇る神楽工業の縄張りをマリモたち1年4強が荒らすという事件が。実は偽物の仕業であり、神楽の一年生正門が仕組んだ罠だった。
しかもシャケの偽物まで現れ、ついに神楽の頭・兼光が立ち上がる。


チャンピオンで現在人気上昇中。新感覚すぎるヤンキー漫画。


☆☆☆

全国一千万くらいいる「乙女」の皆さ~ん!!
ドキッ☆美形だらけのヤンキー漫画、新刊です!!


チャンピオンで今大人気のヤンキー漫画です。レトリックな台詞づかい、色気のあるキャラ、相手に想像の余地を与えるシナリオ‥読み手を楽しませる要素が満載、続きがいちいち気になるジャンクな漫画。


8巻は終始「神楽工業編」です。
テッペンにしか興味がない九島と縄張りにこだわる神楽、ヤンキー同士でありながら全く考えの違う二つの集団。
目指すものが違うし、互いの頭のシャケと兼光が大物なので普段衝突は起こらない。ところが下剋上を狙う一年生の正門が偽物を使って縄張りを荒らし、火種を作った。
シャケと兼光をぶつかり合わせ弱体化したところを狙おうという魂胆です。

偽物のクオリティが低いし説明すればどーにかなりそうなんですが、九島の人間はそんな事はしません。
ただ拳でぶつかり合うのみです。

しかし偽物のシャケまで出てきた事から、神楽の幹部たちにも迷いが出てきます。特に神楽の「家族」を大切にし兼光を信奉している与崇(よたか)。
彼は兼光の言うとおり縄張りを「家族」とし、支配するのではなく守り切ることを信条にしています。なので部下の信頼も厚い。


しかし。
こういう「守るべきもの」を頼りにするのは実は脆かったりします。

例えば「一家の主」は働いて家族を養います。どんなに会社で辛いことがあろうと、配偶者や子供の事を思い仕事と戦っていく。
そして言うのです、「家族が生きがい」「守るものがあるから張り合いがある」。
とても立派だし社会で生きる当たり前の事ではあるんですが、例えばいくら稼いで尽くしても家族が感謝しなかったらどうなるのか。または、家族がいなくなってしまったらどうするのか?

家族のカタチが一般的なものから外れてしまうと、「生きがい」を無くして潰れてしまう人がいます。いうままにならない家族に酷いことをしてしまうこともあります。または、どうにかしてカタチを取り繕う。

何かによりどころを求めるのは正しいのですが、絶対でないことを知らない人が意外と多い。


そんなわけで与崇は「家族を守るため」九島に戦いをしかけますが、実は正門の思うがまま。


一方九島の連中は冒頭のセリフの通り。無茶苦茶ではありますが、この戦いにおいては正しかったりします。

そして与崇はマリモに殴られ戦いをやめます。マリモの信条の方が強いと理解したからです。


シュガーレスは「強い」とか「弱い」とか、そのヒエラルキーが崩壊しています。だからケンカの勝ち負けで人間の価値が決まらない。「正しい」かそうでないか、または「自分の意志が通っている」かないかが大事。
だからいつも負けて気絶する椎葉に戦う権利があるし、
同じ組み合わせでバトルしても結果が同じになりません。

敵と戦って勝って、またさらなる敵が出てきて戦って前の敵は仲間になったけどザコ‥みたいなインフレがないというか、ぶっちゃけヤム●ャがセルを倒す可能性もあるのがシュガーレスの世界なのです。


さてもう一人争いに疑いを持つ幹部がいます。副長の成瀬です。対峙したキリオが指摘するまでもなく裏を読んでいた。

‥ですが、二人は「これも力の限り戦うきっかけだ」とケンカを楽しんでしまうんですよね。
成瀬は神楽の中にいながらも臨機応変に対処ができたというわけです。

ただ、こいつ何故かだれもかれも「脱がす」のがシュミらしく(情けない神楽の連中がコウモリの革ジャン着てるのが許せないだけですが)、キリオとフル/ヌー/ドを賭けて戦うとか言い出して爆笑してしまいました。かなり美形なのでシャレにならんかったです。


次の巻で神楽工業編は終わりますが、その後に注目の展開があります。今回悪役の正門すら再登場するイベントです。
強さの順位が決められない事を逆手にとった話になっており全く先が見えません。

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