3月のライオン 6 (ジェッツコミックス)/羽海野チカ
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「誰がえらくて誰がえらくないって
いつどうやって決まるの?
誰が決めるの?
私たちみんな同じ
ただの中学生のはずなのに」


3月のライオン6巻
羽海野チカ・ジェッツコミックス
(ヤングアニマル掲載)


★あらすじ★
ひなたが友達を庇っていじめに遭っていると知った零。自分は間違っていないと叫ぶひなたに心を揺さぶられ、今までと違う意気込みで新人戦に挑む。

一方ライバルを勝手に名乗っている二階堂が負けてしまった。その顛末を知った零は‥?!

「ハチクロ」でヒットし、大人気作家となった羽海野先生の激流のような将棋と人生の物語。


☆☆☆

最後まで息をつかせぬ展開。恐れ入ります。


さて、宗谷名人のようにただひっそりと佇む棋士になってしまうかと思われていた零のターニングポイントがやってきました。

ひなたへのいじめはごく普通なのですが(むしろ昔と変わらない。ビッチ呼ばわりもひなたがそれなりの女子だからできるイジメ)、担任の対応など学校をとりまく「大人」をひっくるめて見るとたまらなく腹が立ち、手に汗握ってしまいます。


しかし高給取りといえどまだ高校生でしかない零に何ができるのだろう?と思ってしまうのです。

いえ、勿論「カネで解決しよう」とマジで言い出して林田先生に止められたりするわけですけども。

そうじゃなくて。
いきなり将棋に打ち込み始めて、相手に対し攻撃的な将棋をする零を見ていてハラハラするのです。蜂谷に対する感情に「ヤバイ」と感じ、そして山崎に一手切り込む時点で「ダメだ!!」と叫びそうに。

そこは川本家の皆さんと二階堂の存在に救われるわけですが‥
林田先生も、必要とされたい気持ちは悪くない、ただ自分の事を頑張れと言ってくれてる。

そう、先走る零に対して6巻はそれなりに周りが答えを出してくれているんです。


しかし、何故ここに「幸田香子」が出てこないんだろうとふと考えてしまいました。
前に比べたら後藤九段の事もあるしかわいらしく見える香子ですが、もしこの状態に入ってきたら何て言うんだろうなって。

「あんた人の家壊しといて、他人の家でつぐないして何になんのよ?」
このぐらい言うんじゃないかと。


零は幸田家に入ったから、幸田家でいろいろあったから学校で孤立していたわけじゃないのです。元々そういう性格‥としか言えません。幸田家の問題があるから、コミュニケーションの勉強ができなかっただけで。

蜂谷と向かい、蜂谷のクセを見て「世界が自分中心に回ってるんだろう」と思う零。しかしすぐ「お前もだ」と指摘される。

おとなしい人や気配りをする優しい人、「私人付き合い苦手で」と尻込みする人って‥実はそうでない人に対して「自分は違う」「何で私と同じようにしないで好き勝手するんだろうムカつく」「この人は付き合いたくない」と考えているんじゃないのかなーと。自分がそうだから。

零は欲望を漂白したフリしながら、実は非常に排他的なとこがあるわけですよ。
幸田の姉弟はそんな零の「存在」に振り回されたんじゃないかと思います。


だからひなたへの「恩返し」を達成した時、零は香子にガッタガタにやられるんじゃないかと。
ただし川本家で「家族のシュミレーション」をしたとも言えますし、今回将棋で荒ぶった事は全くムダじゃない。

今度は零が、しっかり幸田の家と自分の為の将棋に向かいあう展開ではないかと思います。
引きこもっていて全く絡んでこない香子の弟もいますし。

それから‥ひなたの問題は周りから解決していきそうですが、川本家のヒミツがようやく顔を出してきました。なんでしょうねーあれは‥あかりさん大変だったな‥

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