國崎出雲の事情 6 (少年サンデーコミックス)/ひらかわ あや
¥440
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「‥あかん‥
どないしたらええか分からん‥
八方塞がりや‥」


國崎出雲の事情6巻
ひらかわあや・少年サンデーコミックス
(週刊少年サンデー掲載)


★あらすじ★
國崎出雲16歳、男。しかしそこらの女の子より超絶かわいい!!
息子萌えの父が危ないので別居していたが、なぜか歌舞伎一家の國崎家へ戻ることになってしまった。
腐っても國崎家の跡取り、梨園が放っておくわけがない。男にばっかりモテて苦しむが、家のために嫌っていた「女形」に何度も挑むことになる?!

上方一の役者(自称)、伊左屋藤次郎がやってきた!!横柄で勝ち気、そして突っ走り気味。出雲と梅樹は彼と「曽根崎心中」を演じることになるが‥?!

さらに出雲の誕生日を祝うため、愉快な御曹司たちが奮闘する!!

女の子にしか見えない出雲と梨園のイケメンが新しすぎる世界をを開くカオス漫画!!


☆☆☆

「神のみ」に次いでサンデーの救世主的作品だと勝手に思っています。サンデーは元々ジャンプに比べ対象年齢が高く、女性も読めるきれいめの絵で少しマニアックな雑誌。非常にサンデーらしい漫画です。
そういえば「究極超人あ~る」の兵藤信もある意味男の娘だったなと思い出しました。サンデーは男の娘の老舗です。
ですからさらに一歩「出雲」はタブー(?)に挑んでいるような気がします。

主人公出雲は父親から逃れるため別居していましたが、ひょんなことで國崎家に出戻り。
しかし出雲には女形の才があり、見事に舞台を完成させていきます。
何故芸能科のクラスメイトが出雲の正体に気づかないのか等イロイロ変なのですが、「コメディ」だからいいんです!(笑)


さて6巻はとにもかくにも伊左屋藤次郎との「曽根崎心中」です。
まだひらかわ先生は新人なため、たまに舞台シーンが中途半端で終わってしまうことがあります(斬歌舞伎は清良のキャラを正すためあえて失敗したようなシメになっていますが、自分としては物足りなかった)。

しかしこの「曽根崎心中」はすごかった。

藤次郎は関西人気質というか明るくて楽しいキャラなのですが、頑張れば頑張るほど他人にきつく当たるため周りがついてこず、ひっそり悩んでいます。

出雲は「お前だけが頑張ってるんじゃない」と周りに気を遣うようアドバイスしましたが、

すると「情」を基本とする上方歌舞伎が出来なくなってしまいさらにカベにぶち当たるのです。
藤次郎は今までの舞台で一番深い悩みを吐露しました。歌舞伎に限らずどんなことも「こちらを立てればあちらが立たず」な状態がありますよね。そしてその繰り返しを私たちはこなして生きて行くのです。


そんな藤次郎に対し同じく横柄で傲慢な梅樹が動くんですが、「情」を取り戻した藤次郎のキメシーンは読んでいてグッと来ました。


藤次郎は面白いキャラだし、関西的ツッコミも冴え渡っています。いつかまた東京に来てくれるのではないか、と非常に期待しています。


また、一話完結の短編も冴えていました。幽霊部員として所属する写真部で出雲が撮影に行く話、出雲の誕生日の話など、相変わらず紗英はウザいし玄衛は怖いし松樹は冷徹だし最高です。
特に紗英の誕生日プレゼントは本誌を読んでいる時吹いてしまいました。6巻でもマジな時は彼の将来が心配になるほどマジですが、徹底したバカをやれる紗英は非常に貴重ですね。


ところで二学期になったとたん制服にベストがついたんですがなにかあったんでしょうか。

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