「‥あたしは
目をそらすことで自分の気持ちを見ないようにしていたんだ
自分が傷つくことがなにより怖かったから」
学園王子12巻
KCデラックス・柚月純
(別冊フレンド掲載)
★あらすじ★
私立城史ヶ丘高校‥通称ジョシ校。この学校は何故か、圧倒的多数の女子が男子(セレブ)を襲っていいというルールが横行していた!
転校生の水谷梓も襲われるが、それを避ける方法「特定の女子と交際宣言する」を使うためにその場にいた地味女子沖津リセを「彼女」と宣言したのだ!
(↑以前の記事からコピー)
リセと赤丸が両想いになった一方で、自分を律しようと生徒会で活躍を始めた水谷。しかし水谷の父親が彼を跡継ぎにしようと動き出した。
赤丸とつきあっていながらも水谷の事が忘れられないリセは‥?!
バカバカしいけどおいしさ満載、スケール最大のアホ少女漫画ついに完結。
☆☆☆
「水谷梓」という名前とか赤丸の後ろ頭がアレだとかいろんなところがツボ&トンデモな漫画。
アホな内容ですが作者が自分を切り離しエンタメ性を抽出して描いている姿勢が素晴らしいと思っています。
難しく考えないで笑って読める漫画って、今珍しいですよ。
さて完結巻です。表紙を見て「あーやっぱり」と残念な気持ちになりました。やはり水谷エンドでしたね。
そりゃ元々水谷がメインとして出来た漫画ですから、リセが水谷とくっつくのは当然です。
しかしこの「学園王子」、人気は赤丸がダントツ。たぶんダブルいやトリプルスコアだと思います。かく言う自分も赤丸の性格とうしろアタマが好きすぎて仕方がありません。
寡黙なのに優しい赤丸に比べ、直情型ですぐに怒る水谷はカゲが薄いというか‥正直興味がなかった。
でもリセが水谷を選んだ理由は非常に納得しましたね。
少女漫画のヒロインは自分の意志を貫き、逆境を切り開くものです。
リセは水谷に拾われて女子にいじめられるようになってから、ジョシ高の理不尽さに気づき戦っていこうとしました。
しかし赤丸という超包容力のある存在と結ばれた途端に、その力が弱まっていたと感じます。
女の子は守られているだけではいけない!
だから一緒に戦える相手を選んだのです。
そういうごくごく「真っ当」な理由がわかります。
あとリセは水谷と赤丸のどちらも「選ばない」でいる状態に甘えていた。答えを出さないでいるのは辛いようで楽なんですよね。
だから赤丸を切ったのはよくわかります。単にリセに合わなかったのです。切り方も悪くなかった。
しかし!!
水谷エンドではあるもののこの12巻、ラブシーンははっきり言って赤丸とのモノばっかりです!!キメのシーンも赤丸がせつなかっこよすぎる(笑)。
前巻も眉薬を盛られたリセを介抱するシーンとか、前々巻もデートしてアレなホテル行ったりとかしてまして‥
結局この漫画はラストが水谷エンドだっただけで、ラブシーン担当は赤丸。しかも後半は赤丸出ずっぱりでした。
そう見ると、赤丸目当てに学園王子を読んでいた人には満足の内容だったと思います。自分も散々ジタバタさせていただきましたから。
作者が元々そうしたかったのか、赤丸が人気出過ぎてこうなったのかはわかりませんが、この漫画は「本命じゃない男子(読者的には本命)とのラブシーン満載」だったわけで、非常に画期的な、いや‥すばらしい「トンデモ少女漫画」だったのではないかと思います。
惜しむらくは最後の最後になるまで水谷がナニモンだったのか何故ジョシ高に来たのかばらさなかったことや、生徒会やサブキャラクターの活用がほとんどできてなかったこと‥
あれ?かなりすごい漫画だったな‥と今になって思いますが、郁ちゃんと不破さんが幸せならそれでいーやとも考えちゃいます。柚月先生は意外といい友達キャラが描けるんですよね。
巻末に次回作の予告?‥みたいなものがありますが(ひどすぎて爆笑)、次の作品もバカバカしい漫画であることを期待します。
柚月先生、滝行とかして大変でしたがお疲れ様でした!!
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