友達ごっこ 12 (マーガレットコミックス)/竹内 文香



¥420

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「頭で分かっていてもいじめは起こる
きっとキッカケは些細なこと
くり返し くり返す
それだけ友達関係は難しいってこと
人と関わるって単純で複雑なこと」


友達ごっこ12巻
竹内文香・マーガレットコミックス
(マーガレット掲載)


★あらすじ★

親友に裏切られたり、部活の後輩に嫌がらせされたり、佐久間紫月の学校生活は波瀾万丈。でも持ち前の明るさと根性で乗り越えて来た。
ついに大学受験が始まり、挑む紫月。ところが茜の事件をきっかけに坂元が「もう友達ごっこはいやだ」と言い出した‥!!

今の学生に読んでほしい漫画No.1。「いじめ」ではないけれどその寸前の友達関係を深く追求する名作、最終巻。


☆☆☆

学校で恋をするのもいいけれど、いつ何時も彼氏や片思いの相手がいるわけじゃない。学生生活は友達との関係に悩む方がずっと多い。

「遠くのリミットより近くの友達ごっこ!」

と言えるくらい非常に身近な問題を扱っています。恋や愛まみれの生活は女性向け漫画だけのファンタジー。日常を忘れるために読むならこれでいいのですが、「友達ごっこ」は日常から逃げません。
本誌では大好評の内に最終回を迎えました。直前にカラーが来たりしていたので人気だったと思います。


さて最終巻のイベントは坂元との友達関係でした。
どんなに紫月がいじめられても全くブレずに明るく接し支えてきてくれた坂元。紫月は坂元のことを大切な友達だと思っていますが、坂元は一年生の頃から紫月に「恋」をしていた。

百合や奈美でさえ罠にはまった紫月を疑うことはあった。しかし坂元は疑わなかった。茜編でワナにはまっても単に怒るだけですぐに割り切ったメールをしてくる。

坂元が紫月を信じていられたのは、いろんな感情を超えて紫月をまるごと好きだからです。


‥だとすると人間は「友情」だけで固く結び付かないものとなります。

ただし、揺らぐ関係だからこそ人は躍起になり、突き放されたら悲しいし、仲が戻ればこの上なく満たされます。
全体的な宗教に言えることですが、「愛」は最初からあるものです。
そして「友情」は試練なのかもしれません。

激しくニブい紫月でしたが、坂元に「友達ごっこはやめる」といわれ戸惑い、ようやくハッピーエンドにたどりつきます。


「百合と友情を再確認してもよかったのでは」と思ったり「山本は?」と感じたりしていたんですが、全体的にみると最終シリーズは坂元でよかったんですね。


同時収録されている内藤詩織の恋愛話も非常によかったです。
詩織は「友達ごっこ」の中でも一番現実にいるタイプの女の子でした。
彼女が本音で生活を始め、出会った恋。それを告白する瞬間、かなり胸キュン(死語)しました。友達ごっこでこれをやられるとは思わなかったです。


それにしても、19歳からこれだけの問題提起作品を長期にわたって続けた竹内先生はすごい。
若くて絵が上手い人は「天才」と呼ばれやすいですが、本当は先生こそちゃんと評価すべきだと思います。ファンレターに混じっていた悩み事の手紙にも答えていたらしいし‥締め切り十日前に完成させるし、将来すごい作家になるのではないかと思います。

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