囚人リク 1 (少年チャンピオン・コミックス)/瀬口 忍
¥440
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「逃げて今日を後悔する奴にっ‥
信じられる明日がくるもんかっっ!!
俺は明日を信じてる!
明日を信じたいんだ!!」


囚人リク1巻
瀬口忍・チャンピオンコミックス
(週刊少年チャンピオン掲載)


★あらすじ★
隕石が直撃し、東京が壊滅して10年。隕石が落ちた周辺は隔離され、スラム化した。
両親を亡くしスラムでギリギリの生活をしていた栗田リク13歳。親のように優しくしてくれた警官のおじさんが突然殺され、しかもリクに容疑がかけられた。
リクは容赦なく懲役30年となり、脱出不可能と言われる「極楽島特級刑務所」にぶちこまれる。
ところが真犯人があろうことに警視総監だと知ったリクは、「生き続けて警視総監をぶっ倒す」と決心する‥!!

連載が始まってから話題沸騰し、未曾有の可能性を秘めたサバイバルストーリー、ついに単行本発売。


☆☆☆

二年ほどチャンピオンを購読していますが、初っ端から「すげぇ!!面白いっ!!」と震えたのは「バチバチ」と「王様日記」、そしてこの漫画です。
どうやらネットでも「囚人リクが面白い」と騒がれているみたいですね。


まず、絵がものすごく上手いんです。キャラの造形、背景の緻密さ。躍動感がある上に、「必要なさそうなコマ」を連ね「伏線」を張っていく。ちいさなコマも手を抜かない。

人物をがっちり描き「萌え」がないあたりはアイシールド21の村田先生に近い作家さんだと思います。
経歴を調べますといろいろな雑誌で活躍されたようです。なるほどなと思いました。


そして、世界観。

もし10年前隕石が落ちたら?という仮想の東京。隕石が落ちた半径数キロは隔離されゴミ溜めのスラムに。その外は「何もなかった」かのように振る舞う普通の日本だったりします。スラムとそれ以外の地域は厚いガラスの壁で囲まれているようです。

仮想の東京という設定は昔の漫画やアニメで見られたものですが、今はあまりやらない。逆に新しい感じがしました。しかしこの連載が始まって間もなく震災が起こりました。もう「仮想」とは言えなくなってるのかも‥

そして警察などは非常に腐っており、無茶苦茶な刑務所ができたり冤罪でぶちこんだりできるようになっています。‥実は仮想といえない場所が日本にはあるらしいですけどね。


こういう「無茶苦茶で不潔で理不尽な感じ」は週刊少年誌で読めなかったなと思います。
今の漫画はそういうのを嫌う傾向があります。特に女子は嫌がるだろうなと。ですが惨状に怒りハラハラする漫画は非常に吸引力があるのです。
「進撃の巨人」はまさにコレですよね。


ただし「進撃~」と違うのは主人公が明るく一直線、非常に少年漫画的なヒーローであること。小中学生に受け入れられやすいキャラです。
栗田リクはスラムで食うや食わずの日々を送っていますがひねくれることなく弱いものに優しい。そして権利に屈しない。
殺された「おじさん」のために監獄でも諦めず、強く生きていきます。
囚人と刑務官の癒着、囚人同士の暴力‥しかしリクは流されない。


監獄に入ってなくても私たちは逃げたくなる場面に遭遇します。

逃げたら逃げたなりの「明日」が来てしまいます。
どんなに突き落とされても生きる力が‥この漫画に入っているかもしれません。

ど直球の少年漫画がよみたい方に、ぜひオススメします。

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