「けどよォ
企業努力に熱心だった女だ
仕事中に死ねたんだから本望だろうよ」
報道ギャングABSURD(アブサード)!1巻
米原秀幸・プレイコミックシリーズ
(秋田書店プレイコミック掲載)
★あらすじ★
カメラの営業職をリストラされたJソン(松郷勇)は高校時代の旧友・蘭岳四郎と再会する。
四郎から仕事を手伝うよう言われ、求職中のJソンは言われるままついていくが、それはとても危険な仕事だった‥!!
「ウダウダやってるヒマはねえ!」のキャラクター達が大人になっても活躍する、チャンピオンの巨匠・米原秀幸の最新作。
☆☆☆
自分が米原先生の漫画に出会ったのはつい最近です。チャンピオンで連載されていた「風が如く」の圧倒的な筆致は衝撃的でした。
しかし「風が如く」は物語半ばにして突然終了してしまいました。クライマックスもぶつ切りの状態で‥こんな悔しい事があるのかと思ったものです。チャンピオンには打ち切るべき漫画が前の方にあるんですけども。んがぐぐ。
きっとすぐチャンピオンで連載をするのだろうと思いましたが、雑誌を移動されたという情報が。それがこの「ABSURD」です。
゜・:,。゜・:,。★゜・:,。゜・:,。☆
この漫画には大人気作「ウダウダやってるヒマはねえ!」のキャラクターが出てきますが、厳密には続編ではなくそちらを読まなくても楽しめます。読んでないオイラが言うから本当です。
ABSURD(アブサード)は「不条理」の意味。無茶苦茶野郎の事です。
蘭岳四郎はまさに無茶苦茶なお仕事をしています。誰も撮らないものを撮り、テレビ局に高額で買ってもらう。
被写体は「首都高の幽霊」「マフィアの取引」など、ヤバイものばかりです。いくら高く売れてもリスクが高すぎて普通の人間は手を出さない。
しかし一度成功すると何物にも代えがたいお宝になります。そのワクワク感は読んでいてたまらなくなります(時にミミックがいらっしゃるのですが‥)。
日本でも海賊みたいなことはできるってことですね。
四郎は自分の命に価値を感じていない状態なのかと思ったんですが違うみたいですね。無茶だけど楽しい事をさがしている感じ。三十代になってもブレないようです。
無茶苦茶で豪快な感じが米原先生の味であり、米原先生のファンはそんなケレン味を欲しているんだと思います。
一方もう一人の主人公Jソン。昔は相当やんちゃしていたみたいですが現在は妻子とマイホームがありつい最近まで普通の営業マンでした。
掲載誌が「プレイコミック」という‥モーニングやビッグコミックのように大人の男性が読む雑誌なので読者の側に立つ役割なんだと思います。
Jソンは家族に内緒で四郎と危ない橋を渡ることになりますが「守るべきもの」があるので仕事をしながら葛藤してしまいます。
ですがいずれ、Jソンも四郎のように生き生きとした「男の人生」を選んでいくのだろうと思います。1巻最後のエピソードにその片鱗が出てきますし。
自分はオトナ漫画・オシゴト漫画について疑問を持っています。
オトナ漫画は仕事の我慢、葛藤、迷いがある。そして成功の達成感と失敗から掴む成長が描かれます。
だけど読む側の「共感」に沿うだけじゃないのかなと思ったり、いらん時に漫画からお説教を受けたりして正直ゲンナリするんです。
冒頭の台詞はお仕事に熱心すぎて暴走した人間に対する皮肉が含まれています。意外過ぎる部下を相手にしてるんですけどね。
「ABSURD」にはオトナ漫画の欠点をひっくり返す可能性を感じます。
オトナが無茶苦茶したっていいじゃないか!
読んでいるこちらは立場が違っても、漫画の中の彼等が突っ走ってくれたらと願います。漫画は「共感」を与えてくれるだけじゃないし、共感しないからこその面白さだってある。
それが「ワクワク」ではないかと。オトナだってワクワクしたい、そうじゃないですか?
最後に、この本のオビに「亜輝と直巳は待機中です」と書いてあります。たしか「ウダウダやってるヒマはねえ!」の主人公ですよね。
いずれでてくるのかもしれませんね‥
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